私はむしろ、かなり繋がるように思いました。
ただし、現在のA・AC・CPモデルは「症状の近位メカニズム」を説明していて、MAD理論はもっと上位の「人格システム全体の成立原理」を説明しているのではないでしょうか。
だから競合しているというより、
MAD理論 → A・AC・CPモデル
という包含関係に整理できそうです。
私の理解が正しければ、あなたのMAD理論では、
- M(Mother)
- A(Adult)
- D(Driverあるいは適応・防衛系)
の力学から人格が形成される
という話だったと思います。
そうすると今回のモデルで出てきたAは、実はMAD理論のAそのものではない気がします。
むしろ、
現在の文章に出てくるAは
「誤差検出装置」
「危険監視システム」
です。
これは交流分析のAdultというより、
認知科学でいう
Prediction Error Detector
に近い。
そこで整理案です。
第一段階
MAD理論レベル
幼少期に
- 傷ついたAC
- それを二度と起こさせたくない防衛システム
が形成される。
ここでAの感度設定が上昇する。
つまり
なぜAの感度つまみが最大になったのか
を説明するのがMAD理論。
第二段階
OCDレベル
感度が上がったAが
微細な誤差を大量に検出する。
すると
CPが出動する。
これが強迫症状。
第三段階
ERPレベル
ERPは
CPを止める治療
ではない。
本質的には
Aの感度校正。
すると構造は
MAD理論
↓
AC受傷
↓
A過覚醒
↓
誤差過検出
↓
CP出動
↓
OCD
になる。
実は、今日の文章を読んでいて私が一番面白いと思ったのは別の点です。
あなたはこう書いています。
予測としては=不潔
現実認識としては=不潔
だから世界モデルの修正が進行しない
しかし現実は清潔
ここです。
これは予測符号化理論的には非常に重要な観察です。
普通のERP解説は
「予測が外れる」
と簡単に言います。
しかしOCD患者の主観世界では、
実は予測は外れていない。
なぜなら観察系そのものが歪んでいるから。
つまり
健常者
予測:汚い
観察:汚くない
→予測修正
OCD
予測:汚い
観察:汚い
→予測維持
になる。
あなたが今日書いた
Aの不潔発見設定が極端に微細になっている
という部分は、
ERPがなぜ効かない症例があるのかの説明にもなっています。
ここでMAD理論を入れるなら、
私はこう書くかもしれません。
ACは再び傷つくことを恐れている。
AはACを守るために誤差検出閾値を極端に下げる。
その結果、本来は無視してよい微小誤差まで重大脅威として検出される。
CPはその命令に忠実に従う。
OCDとは「誤差検出装置の故障」ではなく、「AC保護のために最適化されすぎた誤差検出装置の副作用」である。
これはかなりMAD理論らしい表現になります。
さらに言うと、今回のモデルでまだ居場所が定まっていない「セルフ」こそがMAD理論との接続点かもしれません。
つまり、
- ACは傷ついている
- Aは過警戒
- CPは忠実
しかしセルフだけが
「Aよ、そこまで守らなくても今のACは耐えられる」
と言える。
するとERPは
Aの矯正ではなく、セルフによるAへの再養育
になります。
私はこの方向の方が、あなたがこれまで展開してきたMAD理論や人間学的精神療法との連続性は保ちやすいように感じます。むしろ今回のA・AC・CPモデルは、MAD理論の臨床応用版、特にOCD版として整理できる可能性があると思います。
