言葉自体の、言葉が形成する宇宙の、外側を指し示したい欲望

我々の日常的な言語は「我−それ」の関係を固定化し、意味を限定してしまう性質を持つ。

そして、同時に、言語には、その限定性を一時的に打ち破り、より高次の意味、あるいは「意味の超越」へと開かれる可能性が秘められている。

それは、詩や音楽、あるいは宗教的な言説が持つ、言葉の「響き」や「示唆」によって、理性的な理解を超えた感覚や直観を呼び起こす力である。

それはまた、ときに精神病者の発する言葉の力でもある。

言葉自体に、言葉が形成する宇宙の、外側を指し示したい欲望が常にある。

言葉の外側を言葉で作りたいのである。にじんで外に出たいのである。

それが精神病者にはできることがある。

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