コンパッション-13


日本人に多い「自己批判」へのコンパッション・フォーカスト・セラピー(CFT)」の視点からの細やかな対応 を解説します。


🇯🇵 日本人に多い「自己批判」の特徴

日本の文化的背景には、

  • 恥の文化(他者の目を強く意識し、自分を律する)
  • 調和志向(自分を抑えて集団に合わせることを美徳とする)
  • 謙遜・遠慮(自分を低く見積もることが礼儀)
    があり、
    これらはとても尊い側面もありますが、強すぎると以下の問題を生みます。

🔍 日本人の自己批判に多い特徴

  • 失敗や不完全さを「恥」と感じやすい
  • 自分が迷惑をかけることに極度に敏感
  • 謙遜が行き過ぎて「自分には価値がない」に変わる
  • 「甘えてはいけない」「これくらいでつらいと思うなんて」と苦しみを矮小化
  • 自分に厳しい言葉を使うのが習慣化し、優しい言葉に違和感を覚える

🌿 CFTでの微細な対応

① 自己批判をただ止めようとしない

「そんなに自分を責めないでください」とだけ言うと、

🌀「それができないから困ってるんです」
🌀「責める自分をまた責めてしまう」
となりがちです。

そこで

  • 「あなたの自己批判は、あなたを守るために出てきたものかもしれませんね。」
  • 「それは過去に、責めることでなんとかしようとしてきた知恵だったんですね。」
    まず共感的に理解する。

② 自己批判の「意図」に光を当てる

例えば、

  • 「そんなことじゃだめだ」と自分を叱る声は、
     👉 実は「もっとちゃんとしなきゃ」「失敗しないように」という守りたい意図から来ている。

CFTでは

🔹「その自己批判の声は、あなたが恥をかかないように、一生懸命守ってきたのかもしれませんね。」
🔹「その声は、あなたを壊そうとしているのではなく、むしろ守ろうとしてきたんですね。」
と扱います。

するとクライエントは少しほっとして、

🌸「ああ、この厳しさは自分を守ろうとしてたんだ…」
と気づくことがあります。


③ 日本人に合わせた優しさの段階設定

多くの日本人は

  • 「自分を褒める」
  • 「自分に優しくする」
    に強い抵抗感があります。

なので

🐾 「優しくしよう」よりまず「攻撃しすぎないように」
から始めることが多いです。

あるいは

  • 「友人が同じ状況だったら何て言いますか?」
  • 「じゃあその言葉をちょっとだけ自分にかけてみませんか?」
    間接的に優しさを育てる。

④ 優しい声が気持ち悪いときの扱い

「自分に優しく言うとか、気持ち悪い」「ゾワゾワする」という人はとても多いです。
これは自己批判や恥を強く生き延びてきた人の自然な反応です。

その時は

  • 「優しい言葉が気持ち悪いのは、それだけ長い間、厳しさでやってきた証拠ですね」
  • 「まずは違和感を一緒に感じるところから始めましょう」

と、優しさを押しつけず、違和感そのものを尊重します。


⑤ 日本的な「役に立つ自分」「迷惑をかけない自分」を活かす

日本人は「役に立つ自分」「迷惑をかけない自分」に価値を置きやすい。

なので

  • 「自分を優しくできると、周りにももっと優しくできるようになるんですよ」
  • 「ケアされる感覚が増えると、他の人とも安心してつながりやすくなるんです」

と説明すると、

🌸 「なるほど、それならやってみようかな」
と受け入れやすくなる場合があります。


📝 まとめ:日本人の自己批判へのCFTの微細な工夫

自己批判を止めさせない
 → まずは「それはあなたを守るためだったのかも」と寄り添う。

優しさを間接的に育てる
 → 友人に言うように自分に声をかける練習から。

違和感を尊重
 → 「優しくするのが怖い・気持ち悪い」という感覚を大事に扱う。

文化的価値観を活かす
 → 「あなたが安心することが、周りの人への優しさにもつながりますよ。」


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