オーストラリア、16歳未満のユーチューブ利用禁止へ…「教育的な役割」認める方針から転換
【ジャカルタ=作田総輝】オーストラリア政府は7月30日、16歳未満のSNS利用を禁止する法律を巡り、動画投稿サイト「ユーチューブ」を禁止対象に加えると発表した。教育的な役割を認めて除外するとしてきた従来の方針を転換した。
豪ネット規制当局が6月、ユーチューブにも暴力や性被害などにつながる有害な情報が含まれていると指摘し、ほかのSNSと同様に禁止対象に加えるよう豪政府に勧告していた。ユーチューブを運営するグーグルは豪政府を批判する声明を発表し、「今後の対応を検討する」として訴訟を起こす可能性も示した。
豪州では昨年12月、SNSの運営企業に、16歳未満の子供によるアカウント取得を防ぐ措置を義務付ける法律が成立した。違反した企業には最高で4950万豪ドル(約48億円)の罰金を科す。今年12月に施行される予定だ。
アンソニー・アルバニージー首相は30日の記者会見で「SNSが社会的な害を及ぼしているのは周知の事実だ」と強調した。「16歳未満の若者はユーチューブのアカウントを取得できなくなる」とも語り、当初から禁止対象になっていたX(旧ツイッター)やインスタグラム、TikTok(ティックトック)などと同じ扱いにすると説明した。
記者会見では、ユーチューブはアカウントがなくても視聴できるとして実効性を疑問視する意見も出された。