選挙で選ばれる女性議員の中には、
男性のタカ派よりも、さらに強硬な発言をする人たちが少なくない。
その姿勢が目立つのは、選挙区事情や党内での立ち位置に加え、
「女性だからといって侮られたくない」という思いもあるのだろう。
平和、護憲、環境、子育てといったテーマを前面に出していては、
女性蔑視的な傾向をもつ一部の有権者の支持は得にくい。
むしろリベラル野党との差別化を図るため、
「血を流して国を守るのは当然だ」といった強硬な言葉を口にすることもある。
自動車の運転でも似たような構図がある。
女性が穏やかで安全な運転をしていると、「やはり女だ」と言われる。
その反動として、あえて男性以上に荒っぽい運転をしてみせる女性もいる。
そして、そうした姿を支持し、共感する層も確かに存在するのだろう。
女性でありながら進軍ラッパを高らかに吹き鳴らす。
あるいは、女性だからこそ、いっそう勢いよくラッパを鳴らす――。
その響きは、社会の中に残る「女性らしさ」への圧力を、
逆手に取った表現でもあるのかもしれない。