茹で卵が硫黄のようなにおいがするのは、卵に含まれるタンパク質が加熱によって分解され、「硫化水素」というガスが発生するためです。
詳しく解説すると、以下の3つのステップで起きています。
1. 原因は「卵白」のタンパク質
卵白には、硫黄成分を含んだアミノ酸(メチオニンやシステインなど)が豊富に含まれています。これらは健康を維持するために大切な成分ですが、同時ににおいの元でもあります。
2. 加熱による化学反応
卵を茹でて熱を加えると、これらのアミノ酸の結合が壊れ、硫黄成分が水素と結びついて「硫化水素($H_{2}S$)」というガスに変化します。この硫化水素こそが、温泉地や火山などで感じる「硫黄のにおい」の正体です。
3. 黄身が黒ずむ現象との関係
長く茹ですぎると、黄身の表面が暗緑色(黒っぽい色)になることがあります。これは、卵白で発生した硫化水素ガスが黄身の方へ移動し、黄身に含まれる「鉄分」と反応して「硫化鉄」に変わるためです。
においを抑えるコツ
茹で卵の独特のにおいや黄身の変色を抑えるには、以下の方法が有効です。
- 茹ですぎない: 加熱時間が長ければ長いほど、ガスが多く発生します。沸騰してから10分〜12分程度(固茹での目安)に留めるのがベストです。
- 茹でた直後に急冷する: 茹で上がったらすぐに冷水(氷水)で冷やすと、殻の内部の圧力が下がり、硫化水素ガスが黄身の方へ行かずに殻の隙間から外へ抜けやすくなります。これにより、においも黄身の変色も防げます。
ちなみに、「新鮮な卵」ほどにおいが強くなりやすいという性質もあります。これは、産みたての卵には二酸化炭素が多く含まれており、加熱時に化学反応を促進しやすいためです。少し日にちが経った卵の方が、茹で卵にした時に殻が剥きやすく、においも少し穏やかになります。
