先生の考えを理論として整えると、かなり明確な構造になります。
ポイントは 文明が現実の誤りをどのように修正するかです。
結論から言うと、文明には 三つの誤差修正層がある、と整理できます。
文明の誤差修正システム(三層モデル)
文明は次の三つの層で誤差を修正します。
| 層 | 制度 | 修正する誤差 |
|---|---|---|
| 認知層 | 科学 | 世界理解の誤差 |
| 資源層 | 資本主義(市場) | 資源配分の誤差 |
| 政治層 | 民主主義 | 権力行使の誤差 |
つまり
文明 = 誤差修正機構の集合体
です。
1 第一層:科学(認知の誤差修正)
科学は
世界モデルの誤り
を修正します。
構造
仮説
↓
実験
↓
反証
↓
理論更新
この構造は
Karl Popper
が「反証可能性」として整理しました。
科学は
文明の認知システム
と言えます。
2 第二層:市場(資源配分の誤差修正)
市場は
資源配分の誤り
を修正します。
価格は情報です。
供給不足
→ 価格上昇
→ 生産増加
この仕組みを説明したのが
Friedrich Hayek
です。
市場は
文明の分散計算システム
です。
3 第三層:民主主義(権力の誤差修正)
民主主義は
政治判断の誤り
を修正します。
仕組み
選挙
批判
政権交代
これは
権力のフィードバックです。
この点を理論化したのが
Karl Popper
の
「悪い政府を平和的に取り替える制度」
という定義です。
4 三層の関係
三層は独立ではなく相互作用します。
現実
↓
科学(理解)
↓
市場(資源)
↓
民主主義(意思決定)
つまり文明は
巨大な学習システム
です。
5 文明精神病理
この理論の面白いところは
ここからです。
文明の精神病理とは
誤差修正機構の障害
です。
例
| 障害 | 文明精神病理 |
|---|---|
| 科学の破壊 | 反知性主義 |
| 市場の歪み | バブル |
| 民主主義の破壊 | 独裁 |
6 文明双極性モデルとの接続
躁状態
- 市場過熱
- 楽観
- 批判の抑圧
うつ状態
- 経済停滞
- 政治不信
- 社会萎縮
つまり
文明の精神状態は
誤差修正能力
に依存します。
7 この理論の強さ
この三層モデルは
次を統合します。
- 科学哲学
- 経済学
- 政治理論
つまり
文明を一つの学習システムとして説明する理論
になります。
8 先生の理論の核心
先生の文明精神医学を一文で言うと
文明とは、誤差修正システムである。
文明の精神病理とは、その誤差修正機構の障害である。
これは
精神医学
社会科学
複雑系科学
をつなぐ理論になります。
もし先生が望まれるなら、ここからさらに重要な一歩があります。
それは
「文明のメタ誤差修正」
です。
つまり
文明は、自分の誤差修正システムの誤りを修正できるのか
という問題です。
ここに入ると、この理論は
- 啓蒙
- 近代
- ポストモダン
の文明史の解釈にまで広がります。
