2023年2月にフェミニストのカリスマ上野千鶴子さんが結婚していたことが発覚し、SNS上で賛否両論――批判のほうが多かったと思いますが――の議論が起こりましたよね。上野さんはずっと「おひとりさま」として老後は「自宅でひとりで自分らしい最期を」と謳っていたのに、それは「ビジネスだったのか?」と憤る人もいましたし、フェミニズムの中からも批判的な意見が聞こえてきました。
たとえば彼女のパートナーだった男性は歴史学者でしたが、上野さんが1990年代後半に慰安婦問題やナショナリズムの議論をしていたときには、女性史研究者との論戦がけっこう話題になりました。私はあの当時まだ学生でしたが、私の目から見ても女性史研究者に対して、社会学者である上野さんの姿勢を厳しく感じましたが、「あれだけ女性史研究者に対して物言いできたのは、男性の歴史学者のパートナーがいたからだったのか」という意見もありました。
Photo by gettyimage 「週刊文春」の報道と、上野さん自身が応えている「婦人公論」の記事からすると、上野さんは最終的に婚姻届を提出しましたが、その相手には長い間「妻」がいたということになります。たしか男性の妻が先に亡くなり、そのあと男性が亡くなる直前に婚姻の手続きをしたという内容でしたね。
あまりこういう括り方はしたくありませんが、つまり上野さんは既婚男性と交際する愛人の立場にあったということになります。先ほどの話に戻ると、戦後の2つの分類の愛人像で言えば、自分を引き上げてくれる男性をパートナーとしてきたタイプということになるのでしょうか。もちろんこの分類に無理やり嵌めるわけにはいきませんし、彼女のふるまいはフェミニストであり、名誉男性的なものではないと言っておかなければなりませんが。
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上野千鶴子さんは、長く「おひとりさま」の代表的な知識人として知られてきましたが、2021年に歴史家・色川大吉さんと婚姻関係にあったことが報道されました。
婦人公論.jp +1 パートナー: 色川大吉(いしかわ だいきち)さん。歴史家、東京経済大学名誉教授。 経緯: 2021年9月、色川さんが亡くなる前日に婚姻届を提出。 理由: 亡くなる直前に籍を入れたのは、長期にわたり介護をしていた上野さんが、死後の手続き等で不利益を被らないようにするため(事実上の介護婚・晩婚)であったと報じられています。
婦人公論.jp +3 それ以前は独身を貫いており、「結婚とは、自分の身体の性的使用権を、特定の唯一の異性に、生涯にわたって、排他的に譲渡する契約」といった定義を語るなど、従来の結婚観を批判する姿勢が強かったことで知られています。
東洋経済オンライン 色川大吉さんの逝去後は、再び「おひとりさま」として、在宅ケアや介護の問題を研究・発信し続けています。
