ACTにおける**「価値」とは、人生という長い旅路において、どの方向に進みたいかを示す「羅針盤」や「コンパス」のようなもの**です。それは目標(ゴール)とは異なり、生きている限り何度でも、今この瞬間に選択し続けることができる「人生の方向性」を指します。
自分の価値を見つけるための具体的なヒントをいくつかご紹介します。
1. 「大切な人」と「大切なこと」を問いかける
ACTマトリックスの最初のステップでは、非常にシンプルな質問から始めます。
- 「あなたの人生において、大切な人は誰ですか?」:家族、友人、パートナー、あるいは自分自身を大切にしたいという思いも含まれます。
- 「あなたにとって、大切なことは何ですか?」:趣味(音楽、読書、スポーツなど)や、仕事、ボランティアなど、自分を充実させる事柄を書き出してみましょう。
2. 「どんな人間でありたいか」という方向性を探る
具体的な活動の奥にある、**「自分が大切にしたい振る舞い(方向性)」**に目を向けます。
- 「人の助けになりたい」「誠実でありたい」「真摯に打ち込みたい」「優しい人間でありたい」といった抽象的な概念が価値に相当します。
- 「お葬式のメタファー」:自分のお葬式で、列席者に「どんな人だった」と言われたいかをイメージしてみることも、一生を通じて大切にしたい価値を見つける助けになります。
3. 具体的な経験から「エッセンス」を抽出する
日々の活動の中で感じる**「充実感」や「達成感」**は、価値を知るための大きなヒントになります。
- 「ことばの合気道」の視点:ある行動( Toward )をとった際、その行動に含まれている**「エッセンス(大切なこと)」**は何かを自分に問いかけてみます。
- 事例からの学び:就職活動自体は苦しくても、その先に「趣味の仲間と楽しむ」「自立する」といった価値があることに気づくと、行動に意味が生まれます。また、何気ない活動の中に「人を理解すること」という価値を見出した例もあります。
4. 価値カードやリストを活用する
自分だけで考えるのが難しい場合は、ヒントとなる言葉のリストや「価値カード」を使う方法もあります。
- キーワードの例:愛、誠実、勇気、創造性、貢献、自律、つながりなど。これらの中から、今の自分にしっくりくるものを選んでみるのも有効です。
5. 自分自身を「大切な人」に含める
価値を考える際、「自分自身」を右下の領域(大切なもの)に入れることを忘れないでください。
- 「自分を大切にする行動」は何かを考えることは、セルフコンパッション(自分への慈しみ)にもつながり、心理的柔軟性を高める重要な要素となります。
価値を見つけることは、「何をするか」ではなく「どうありたいか」を定義する作業です。一度に完璧な答えを出そうとせず、マトリックスを使いながら日々の生活の中で少しずつ「これが自分の価値かもしれない」という気づきを積み重ねていくことが大切です。
