関係フレーム理論 スライド 動画

概念・用語定義・主な性質具体例臨床的含意・苦しみの構造介入方法・理論的根拠
相互内包 (Mutual Entailment)AがBと特定の関係にあるとき、BはAと逆(または対応)の関係にあることを自動的に導出する性質。「辛い>苦い」を学習すれば、「苦い<辛い」も自動的に理解する。一方向の学習が双方向の連合となり、言語ネットワークが急速に拡大する基盤となる。直接的な連合学習を超えた、人間の言語的関係把握の基本特性として理解される。
複合的内包 (Combinatorial Entailment)「A=B」「B=C」という2つの関係から、「A=C」「C=A」という関係を直接経験なしに導出する性質。「コインAはBより価値がある」「BはCより価値がある」と聞けば、AとCを比較しなくてもAが一番だとわかる。言語ネットワークが爆発的に拡張し、無限に新しい関係や恐怖が生成される。推移的推論の自動性を背景に、不適応的な関係(偏見やスティグマ)が自律的に拡大する原因となる。
刺激機能の変換 (Transformation of Stimulus Functions)刺激がある関係フレームで結びついているとき、一方の刺激が持つ機能(感情や行動を動機づける力)がその関係を通じて他方へ転移・変化すること。「蛇」という文字を見ただけで、実際の蛇を見たときと同じ恐怖反応が生じる。直接経験していない対象に対しても、言語的関係だけで強烈な情動反応(不安、抑うつ)が生成される。ACTの介入は、関係フレーム自体を消すのではなく、その機能を変える(機能の転換)ことを目指す。
認知的フュージョン (Cognitive Fusion)言語的イベント(思考・評価・ルール)が、直接経験と同等かそれ以上の心理的リアリティを持ち、行動を過剰に制御している状態。「不安があれば行動できない」というルールに従い、実際には可能であっても回避し続ける。思考を「文字通りの事実」として扱い、現実のフィードバックより言語的ルールが優先され、心理的柔軟性が失われる。脱フュージョン技法(語の繰り返し、思考の外在化):思考を内容ではなく単なる言語事象(イベント)として扱うフレームへ機能を変える。
視点取得のフレーム (Deictic Frames) / 自己参照フレーム「私/あなた (I/You)」「ここ/そこ (Here/There)」「今/あの時 (Now/Then)」という視点関係を構築するフレーム。「5歳の時の私」と「今の私」を、一貫した視点(I/Here/Now)の中心点として把握する。「私は失敗者だ」といった自己記述(内容としての自己)へのフュージョンが、防衛的・回避的行動を生む。文脈としての自己 (Self-as-context):視点フレームの操作により、思考を「内容」として観察する「場所・視点」としての自己を経験させる。
因果・条件のフレーム (Causality / Conditionality)「AならばB」「AがあるからB」という因果関係を設定する型。「耳鳴りがあるから自分は不幸だ」「ストレスが耳鳴りを悪化させる」。特定の症状や感情を行動不能の理由(ルール)として結びつけ、回避を正当化・強化する。価値と行動の因果フレーム(「Xは価値あるYにつながる」)を強化し、回避のネットワークより優勢にする。
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