犬笛を吹く

犬笛を吹くという。俗に、「分かる人にだけ分かる秘密の言い回しを使って、支持者に指示したり意思疎通したりすること」。

もともとの犬笛は、犬には聞き取れるが、人の耳では聞き取れない音を発する笛である。これを使って、犬を操作する。

政治手法としては、特定の集団にしか理解できない暗号や符丁のような表現を使って、人々の考えや行動を操る政治手法。特定の用語・キーワード・サインで、集団は行動を起こす。集団外の人にはわかりにくい。

俗に、「分かる人にだけ分かる秘密の言い回しを使って、支持者に指示したり意思疎通したりすること」を意味する表現。定の相手が非難や排斥の対象であることを暗に示し、支持者による排斥活動を間接的に促す(いわゆる「ファンネルを飛ばす」)こと、という意味で用いられる場合もある。犬笛を吹く本人は、決して直接的に差別的な発言をしたり排斥的行動を命じたりするわけではない。そうした「聞こえないメッセージ」を、犬笛が発する「不可聴音」になぞらえた表現。

典型例として、アメリカ合衆国の選挙の候補者が、「家族の価値」と言う言葉を使うことで、非キリスト教徒の支持を失うことなく、候補者がキリスト教徒的価値観を支持していることをキリスト教徒に示すことがあげられる。

ある人物を「ラッパー」と形容することで、黒人や犯罪のイメージを植え付けようとする。

赤狩りなど。

政治家が使う秘密の「犬笛」  隠れた人種差別メッセージとは - BBCニュース
政治家が特定の有権者を意識して暗号のような表現を使い、「人心を操る」政治手法のことを、「犬笛」戦術と呼ぶ。

最近では、トランプが、国会襲撃をしろとSNSで呼びかけ、集団が国会を襲撃した。これは、暗号でも、隠されたサインでもなく、あからさまな扇動であるが、SNSではこのようなことができてしまう。

その際の発言者の感じる全能感は強烈なものだろう。

昔なら、大規模集会やマスコミが前提となるものであったが、SNSで誰でも発信できるようになって、情勢は変化してきている。

SNSの発信力も問題で、意義ある言葉(という定義自体が現在では問題である)が拡散せず、単に極端で感情を刺激する言葉ばかりが拡散され、徹底的に反復される。

「分断を助長する洗脳装置」と表現できる。

トランプも、韓国大統領も、絵っとのエコーチェンバーを利用したり、呑み込まれたりしている。

このあたりが人間の集団としての限界だろうとも見えるが、それでは悲観的すぎる。どうすればよいものか。匿名性が問題点ともいえるし、それが長所ともいえるので、困ったものである。

理性とか倫理性とかを圧倒してしまう。

タイトルとURLをコピーしました