日本人に多い「自己批判」へのコンパッション・フォーカスト・セラピー(CFT)」の視点からの細やかな対応 を解説します。
🇯🇵 日本人に多い「自己批判」の特徴
日本の文化的背景には、
- 恥の文化(他者の目を強く意識し、自分を律する)
- 調和志向(自分を抑えて集団に合わせることを美徳とする)
- 謙遜・遠慮(自分を低く見積もることが礼儀)
があり、
これらはとても尊い側面もありますが、強すぎると以下の問題を生みます。
🔍 日本人の自己批判に多い特徴
- 失敗や不完全さを「恥」と感じやすい
- 自分が迷惑をかけることに極度に敏感
- 謙遜が行き過ぎて「自分には価値がない」に変わる
- 「甘えてはいけない」「これくらいでつらいと思うなんて」と苦しみを矮小化
- 自分に厳しい言葉を使うのが習慣化し、優しい言葉に違和感を覚える
🌿 CFTでの微細な対応
① 自己批判をただ止めようとしない
「そんなに自分を責めないでください」とだけ言うと、
🌀「それができないから困ってるんです」
🌀「責める自分をまた責めてしまう」
となりがちです。
そこで
- 「あなたの自己批判は、あなたを守るために出てきたものかもしれませんね。」
- 「それは過去に、責めることでなんとかしようとしてきた知恵だったんですね。」
とまず共感的に理解する。
② 自己批判の「意図」に光を当てる
例えば、
- 「そんなことじゃだめだ」と自分を叱る声は、
👉 実は「もっとちゃんとしなきゃ」「失敗しないように」という守りたい意図から来ている。
CFTでは
🔹「その自己批判の声は、あなたが恥をかかないように、一生懸命守ってきたのかもしれませんね。」
🔹「その声は、あなたを壊そうとしているのではなく、むしろ守ろうとしてきたんですね。」
と扱います。
するとクライエントは少しほっとして、
🌸「ああ、この厳しさは自分を守ろうとしてたんだ…」
と気づくことがあります。
③ 日本人に合わせた優しさの段階設定
多くの日本人は
- 「自分を褒める」
- 「自分に優しくする」
に強い抵抗感があります。
なので
🐾 「優しくしよう」よりまず「攻撃しすぎないように」
から始めることが多いです。
あるいは
- 「友人が同じ状況だったら何て言いますか?」
- 「じゃあその言葉をちょっとだけ自分にかけてみませんか?」
と間接的に優しさを育てる。
④ 優しい声が気持ち悪いときの扱い
「自分に優しく言うとか、気持ち悪い」「ゾワゾワする」という人はとても多いです。
これは自己批判や恥を強く生き延びてきた人の自然な反応です。
その時は
- 「優しい言葉が気持ち悪いのは、それだけ長い間、厳しさでやってきた証拠ですね」
- 「まずは違和感を一緒に感じるところから始めましょう」
と、優しさを押しつけず、違和感そのものを尊重します。
⑤ 日本的な「役に立つ自分」「迷惑をかけない自分」を活かす
日本人は「役に立つ自分」「迷惑をかけない自分」に価値を置きやすい。
なので
- 「自分を優しくできると、周りにももっと優しくできるようになるんですよ」
- 「ケアされる感覚が増えると、他の人とも安心してつながりやすくなるんです」
と説明すると、
🌸 「なるほど、それならやってみようかな」
と受け入れやすくなる場合があります。
📝 まとめ:日本人の自己批判へのCFTの微細な工夫
✅ 自己批判を止めさせない
→ まずは「それはあなたを守るためだったのかも」と寄り添う。
✅ 優しさを間接的に育てる
→ 友人に言うように自分に声をかける練習から。
✅ 違和感を尊重
→ 「優しくするのが怖い・気持ち悪い」という感覚を大事に扱う。
✅ 文化的価値観を活かす
→ 「あなたが安心することが、周りの人への優しさにもつながりますよ。」