脳の抑制系の発達

脳の抑制系の発達

脳の個体発生を考えるとき、新しい部分は、古い部分を抑制的に修飾するということが原則であるように思われる。下位の欲求や欲動はあるのだが、それをコントロールして、どの場面で出せばいいのか、引っ込めればいいのか、適切に、最大の成果が得られるようにする。それが上位中枢の仕事である。

抑制系が発達していない場合は、たとえばADHDがあげられる。また、素行症や反抗挑発症、反社会的人格障害、なども、抑制系の不全の関与も考えられる。

逆に、抑制系が過剰に発達する場合もある。これも、いろいろな場合があるのだろうが、中には、とても能力が高いのだが、抑制が強くて、金、地位、名誉などは辞退して、小さな幸せを味わうことで満足している人もある。このような人の脳は、よく発達していると思う。

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抑制ができるようになれば、目に見える利益よりも、目に見えない利益を、測定できる利益よりも測定できない利益を、物質的利益よりも精神的利益を優先できる。また、直後の利益よりも、未来の利益を優先できる。自分の利益ではなく、他人の利益を考えて、そのうえで他人の利益を自分の利益とすることができる。

「いまだけ、金だけ、自分だけ」という幼児性から脱することができる。

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