日本にメルケル型政治は可能か

構造的には難しいが、不可能ではない。 ただし条件がまったく異なる。

① メルケル型政治とは何か

単なる「女性首相」ではありません。

メルケル型とは:

  1. イデオロギーより安定
  2. 危機に対する科学的・漸進的対応
  3. 感情動員を最小化
  4. 性別を政治資源にしない
  5. 強い自我機能(現実検討能力)

つまり、

国家を「情動」ではなく「調整」で運営する政治

です。


② 日本の構造はどうか

(A)政党システム

ドイツ:

  • 連立前提
  • 合意形成文化
  • 政党間協議が制度化

日本:

  • 事実上一党優位
  • 党内派閥が実質的権力闘争の場
  • 連立は形式的

→ 日本は「調整型リーダー」が目立ちにくい。


(B)政治文化

ドイツ:

  • 討議文化(Habermas的公共圏)
  • 合意形成が尊重される

日本:

  • 「空気」
  • 合意は事前に非公開で決まる
  • 表では強さを演じる

日本では

調整は裏で行われ、
表では「決断の演出」が求められる。

ここが大きい。


(C)国家観の違い

ドイツ:

  • 国家は制度
  • 歴史的反省(ナチ体験)
  • 権力への警戒が文化化

日本:

  • 国家は空気的共同体
  • 戦争責任の総括が曖昧
  • 権威の外在化

日本では国家は
「理性的制度」よりも「情緒的象徴」

メルケル型はこの土壌と相性が悪い。


たとえば、宮沢喜一(理性型)はひとつの目標となるだろうが、選挙で勝てるかどうかは分からない。

タイトルとURLをコピーしました