
心療内科における治療は、大きく分けて**「症状に応じた手当て」と「原因に応じた治療」**の二つの側面から行われます。具体的には、以下のようなアプローチが取られます。
1. 症状を緩和する治療(対症療法)
身体に出ている辛い症状(過敏性腸症候群であれば下痢、便秘、ガスなど)を調整するために、薬物療法が用いられます。
- 西洋薬や漢方薬:下剤や下痢止めなどを使い、症状を和らげます。これにより心にゆとりが生まれ、自分の状況を客観的に考えられるようになります。
- 食事のアドバイス:薬だけでなく、ヨーグルト(1日200g程度)の摂取などの食事習慣の提案が行われることもあります。
2. 原因にアプローチする治療とカウンセリング
ストレスや性格傾向など、根本的な原因に対して以下のような働きかけを行います。
- カウンセリング:対話を通じて、自分が置かれた状況を整理します。自分自身の捉え方が変わることで周囲の環境が変わったり、時間をかけて状況が変化するのを待つための心の支えとなります。
- 自律訓練法:短時間で簡単にできるストレス・マネジメントの手法です。トレーニングを積んで身につけることで、自分でストレスをコントロールできるよう目指します。
- 性格傾向の把握:心理テストなどを用いて自分の性格(神経質、責任感が強い、几帳面など)を客観的に把握し、それを生活改善に役立てます。
- 生活習慣の改善指導:ストレスに対抗するための十分な睡眠の確保や、規則正しくバランスの取れた食事の見直しについて、医師と一緒に工夫を考えます。
心療内科では、単に薬を出すだけでなく、患者が現在よりも少しでも「しのぎやすく」なるよう、対話を通じて一緒に解決策を探っていくのが特徴です。
過敏性腸症候群(IBS)とストレスや性格には、非常に密接な関係があります。
1. ストレスとの関係 ストレスは、過敏性腸症候群の原因の中で最も多く、かつ重要なものと考えられています。仕事、家庭、学校、更年期など、さまざまなストレス要因が重なることも少なくありません。これらのストレスが原因となって自律神経の異常が発生し、それが腸の症状として現れると考えられています。
2. 性格との関係 以下のような性格傾向を持つ人は、過敏性腸症候群が起こりやすいとされています。
- 神経質な人
- 気にしやすい人
- 責任感が強い人
- 几帳面な人 ただし、これら以外の性格の人であっても発症する可能性はあります。
3. 体質との関わり もともと胃腸が弱い体質の人や、遺伝的に胃腸が弱い人の場合、ストレスが胃腸の症状に出やすいという特徴があります。
対処と治療 原因に応じた治療として、以下のようなアプローチが挙げられています。
- 性格傾向の把握:心理テストなどで自分の性格傾向をつかみ、生活改善に役立てます。
- カウンセリング:対話を通じて自分の置かれた状況を整理します。
- ストレスマネジメント:自律訓練法を身につけたり、十分な睡眠をとってストレスに対抗する工夫をしたりすることが大切です。
過敏性腸症候群(IBS)の診断の手がかりとして、以下の項目のうち6つ以上あてはまる場合は、この病気が疑わしいといわれています。
ただし、診断の前提として、血液検査やエックス線検査で異常がないことが必要です。また、お腹の調子以外に自律神経症状やストレス関連症状がないかどうかも詳しく調べる必要があります。
診断チェックリストの項目
- 子供の頃、腹痛をおこしていた
- 激しい腹痛で救急受診をしたことがある、または以前からときどき腹痛がある
- お腹をあたためると腹痛が軽くなる
- 排便すると腹痛が軽くなる、あるいは逆に排便すると腹痛が起こる
- 下痢、便秘、ガスがたまるなどで困っている
- 腹痛を伴う下痢がある
- 下痢と便秘が交代でおこる、または以前からときどきある
- うさぎの糞のようにころころした便が出る(腹痛を伴う場合も含む)
- 便の中に粘液がまじっている
これらの症状に基づき、主に「下痢型」「便秘型」「下痢と便秘の交代型」「ガスがたまってお腹が張るタイプ」の4つの病型に分類されます。
