ここまで来ると、理論はかなり「治療操作モデル」に近づきます。
重要なのは、
疾患は症状ではなく、「誤差に出会ったときに4択のどれを選び損なうか」で記述できる
という形にすることです。🧭
まず4択を明確に固定する
誤差が発生したとき、人は基本的に次の4つしかできません。
A 世界モデルを変える
(belief update)
B 行動を変える
(action change)
C 環境を変える
(situation selection)
D その誤差を下げる / 流す
(precision down / ignore)
ここで疾患ごとの差は、
どれが過剰か
どれが欠損か
切替ができるか
です。
疾患ごとの4択失敗パターン一覧(治療アルゴリズム表)
| 疾患 | A 世界モデル変更 | B 行動変更 | C 環境変更 | D 誤差を下げる | 主失敗 |
|---|---|---|---|---|---|
| 強迫症 | 不能 | 過剰反復 | 不十分 | 不能 | B過剰+D不能 |
| パニック症 | 困難 | 回避過剰 | 回避環境固定 | 困難 | B/C偏り |
| うつ病 | 自己否定方向のみ | 低下 | 縮小 | 過剰固定 | 全体停止 |
| 境界性PD | 急変 | 衝動化 | 相手変更過剰 | 不能 | C暴走 |
| 自己愛性PD | 防衛的拒否 | 外責化 | 相手操作 | 不能 | A不能 |
| ASD | 局所変更のみ | パターン固定 | 環境固定 | 困難 | 切替不能 |
| ADHD | 一時変更のみ | 持続不能 | 衝動的 | 流れやすい | 保持不能 |
| 統合失調症 | 妄想方向へ暴走 | 不整合 | 環境意味化 | 異常 | A暴走 |
1. 強迫症
誤差発生時
「ズレた」
↓
選択
A 世界モデル変更
→ できない
「大丈夫」と更新できない
B 行動変更へ流れる
確認
洗浄
反復
Dが使えない
「まあいいか」が成立しない
治療アルゴリズム
1 誤差を維持
2 Bを止める
3 Dを後から学習
つまり:
誤差を残したまま何も起きない経験
2. うつ病
誤差発生
「現実がうまくいかない」
↓
A が自己否定方向だけに固定
「自分が悪い」
Bが低下
行動エネルギー不足
Cも低下
環境変更不能
Dだけ残る
麻痺的諦め
治療
最初にAを触ると悪化しやすい。
先にB。
行動活性化が先
理由:
Bが戻るとAも少し動く。
3. 境界性パーソナリティ障害
誤差発生
「期待と違う」
↓
Cが暴走
相手を変える
関係を切る
試す
Bは衝動
自傷
怒り
Aは不安定
瞬間で変わる
Dがない
誤差保持不能
治療
Dを育てる
DBTが効く理由:
誤差があるまま保持する訓練。
4. 自己愛性パーソナリティ障害
誤差発生
「傷ついた」
↓
A不能
自己モデル更新不可
Cへ流れる
他者を修正する
Bは外責化
攻撃
優位化
治療
微小誤差でAを許容。
大きい誤差は崩壊を起こす。
5. 自閉スペクトラム症
誤差発生
小ズレが巨大化
↓
C固定
環境一定化
B固定
同じ方法反復
A局所のみ
抽象変更が苦手
D困難
流せない
治療
安全な小誤差を繰り返す
6. 統合失調症
誤差発生
無関係刺激にも誤差発生
↓
A暴走
意味生成過剰
C異常化
環境全体が意味を持つ
D不能
ノイズを落とせない
治療
薬で precision を落とす。
その後に現実検証。
ここから治療アルゴリズムになる
診察ではまず、
その人は誤差の瞬間に4択のどこへ行くか
を見る。
実際の質問
ズレを感じた時まず何をしますか?
すぐ考えを変えますか?
行動しますか?
相手や環境を変えますか?
そのまま置けますか?
これでかなり分類できます。
実は治療の順序も決まる
原則:
B → C → A → D
の順が安全。
理由:
Aから入ると壊れる人が多い
特に人格障害・うつ・発達では。
最後に理論を一段強くするなら
次は、
「誤差の時間軸」
を入れる。
即時誤差
遅延誤差
累積誤差
予期誤差
ここで強迫・不安・うつ・妄想の差がさらに明確になります。⏳
必要なら次に、
「誤差の時間軸 × 疾患 × 治療」の立体表
まで作れます。これはかなり理論の骨格になります。
