私のMAD理論の重要な背景となる理論が「躁状態が一次的病理であり、抑うつ状態はその二次的結果である」という、「躁の優位性(The Primacy of Mania)」理論である。
クークポラスの精神医学:「躁の優位性(The Primacy of Mania)」とは何か
――初心者のための詳細解説――
はじめに:この論文が問いかけていること
精神科の外来に、「うつ病です」と診断されて抗うつ薬を処方されている患者さんがいるとしましょう。その薬を飲んでいるにもかかわらず、なかなか良くならない。あるいは、一時的には良くなるけれど、また悪くなる。そういう患者さんを、みなさんは想像できるでしょうか。
実は、精神科臨床においてこれは決してまれな光景ではありません。
この論文が紹介するアタナシオス・クークポラス(Athanasios Koukopoulos)というギリシャ系イタリア人の精神科医は、まさにこの「なぜ抗うつ薬は効かないのか」「なぜうつ病はなかなか治らないのか」という問いに、現代精神医学の主流とは正反対の答えを提示した人物です。
彼の答えを一言で言うと、こうなります。
「ほとんどのうつ病は、実は躁(または躁的なもの)が原因で起きている。だから抗うつ薬ではなく、気分安定薬で治療すべきだ。」
これは、現代の精神医学の常識をひっくり返す主張です。以下では、この主張がどういう意味を持つのかを、丁寧に解説していきます。
第一部:現代精神医学の「常識」とは何か
うつ病と躁病は「別物」という前提
現代の精神医学の診断体系(DSMやICD)では、気分の障害はおおむね次のように整理されています。
まず、**うつ病(大うつ病性障害、MDD)**があります。これは気分が落ち込み、意欲がなくなり、眠れなくなり、食欲が落ちる、という状態が続くものです。「単極性うつ病」とも呼ばれます。「単極性」というのは、気分の波が一方向(マイナス方向)にしか振れない、という意味です。
次に、**双極性障害(躁うつ病)**があります。これは、うつ状態と躁状態(気分が過度に高揚し、眠らなくても平気で、考えがどんどん湧いて出て、衝動的に行動してしまう状態)が交互に訪れるものです。
この分類では、うつ病と双極性障害はまったく別の病気として扱われます。そして、うつ病が圧倒的に多く(世界規模で何億人もいると言われる)、双極性障害は比較的少ない、という印象が一般的です。
治療の常識:うつ病には抗うつ薬
この分類から自然に導かれる治療方針があります。
うつ病には抗うつ薬を使う。これが1970年代以降の精神医学の大きな潮流です。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)に代表される抗うつ薬は、世界中で何億人もの人々に処方されており、製薬産業の中でも巨大な市場を形成しています。
双極性障害には気分安定薬(リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピンなど)を使う。抗うつ薬は双極性障害には使いにくい(躁転のリスクがある)とされています。
この「うつ病→抗うつ薬」「双極性障害→気分安定薬」という図式が、現代精神医学の常識です。
第二部:クークポラスが見た「別の現実」
50年間の臨床観察
クークポラスはローマで精神科医として50年以上診療を続けました。1960年代から抗うつ薬が臨床に導入されてくると、彼は自分の患者に投与しながら、その効果と副作用を注意深く観察しました。
そして彼は、ある不都合な現実に気づき始めます。
抗うつ薬を飲んでいる患者の多くが、良くなるどころか、むしろ気分の波が激しくなっていく。エピソードの頻度が増える。一つのエピソードが終わったかと思うと、すぐに次が来る。このような経過を、彼は「急速交代型(ラピッド・サイクリング)」と呼びました。
彼は確信するようになります。抗うつ薬が、双極性疾患の経過を悪化させているのだと。
しかしこれは、当時の精神医学界にとって歓迎されない主張でした。彼は何十年もの間、主流の精神医学から無視され、抵抗され、時に嘲笑されながらも、自分の観察を発表し続けました。
「躁の優位性」という概念
クークポラスの最も根本的な主張は、「躁の優位性(Primacy of Mania)」です。
これは何を意味するのか。
通常の精神医学の考え方では、うつ病は「うつ病」という独立した疾患です。躁病とは別物です。両者はたまたま同じ人に起きることがある(それが双極性障害)というだけで、根本的には無関係です。
クークポラスはこれを否定します。彼の見解では、うつ状態は躁状態(またはそれに類する興奮状態)によって引き起こされるのです。うつは原因ではなく、結果です。躁こそが一次的な病理であり、うつはその後に来る二次的な状態です。
「上がったものは下がらなければならない」——これが彼の直観です。
第三部:「躁」とは何か、を再考する
私たちが「躁」に持つイメージの問題
「躁病」と聞いて、多くの人はどんなイメージを持つでしょうか。
眠らなくても平気で、大声でしゃべりまくり、浪費し、誇大妄想を持ち、自分はナポレオンだと思い込んでいる——そういう極端な状態を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、これは躁の最も重篤な形です。
クークポラス(そして彼の友人であった精神科医レストン・ヘイヴンズ)が指摘したのは、私たちは躁を過度に極端なものとして、つまり最重症の形としてしか想像しないという偏りです。
うつ病はグレードがある。軽いうつ、中等度のうつ、重いうつ——誰でもこれは直感的にわかる。でも躁はどうか。「軽い躁」「中等度の躁」というイメージが湧かない。それは偏見であり、スティグマです。
実際には、躁にも非常に軽いものがあります。
**軽躁(ハイポマニア)**と呼ばれる状態では、患者さんは「活動的で元気な人」に見えます。少し眠りが浅くてもエネルギッシュで、いつもよりアイデアが湧いて、おしゃべりになる。本人もまわりも、「躁病」とは気づかないことが多い。
さらに軽いものとして、**気質(テンペラメント)**のレベルのものがあります。もともと精力的で社交的で活動的な人。これは「病気」というより「性格」として理解されていることが多い。クークポラスはこれを「高揚気質(ハイパーサイミア)」と呼びました。
「躁的なもの」は思った以上に広い
クークポラスの見解では、こうした「躁的なもの」のスペクトラムは非常に広い。重篤な双極I型の躁病から、双極II型の軽躁、さらには気質レベルの高揚気質や循環気質(気分の波が穏やかに繰り返される気質)まで、連続的に存在します。
そして彼は言います。このような「躁的なもの」を持っている人が、その後にうつになる。躁が先に来て、うつが後に来る。これが気分疾患の本質だ、と。
第四部:証拠の構造——どうすれば「80%」になるのか
この論文で著者たちが示すのは、「うつ病患者のほぼ80%において、躁の優位性テーゼを支持する証拠がある」という主張です。
これはどのように計算されるのでしょうか。4つのカテゴリーに分けて考えます。
カテゴリー①:双極性うつ病(約15%)
これはわかりやすいケースです。DSMの基準で双極性I型またはII型と診断される人々のうつ状態です。
全うつ病エピソードの約20%は、双極性障害を持つ人々に生じます。そして、そのうち約75%は「躁→うつ」の順序(M-Dパターン)をたどります。つまり、全うつエピソードのうち約15%(20% × 75%)は、明確に躁の後に来るうつです。
ここでは躁がうつに先行しており、「躁がうつを引き起こした」という因果関係が時間的順序からも支持されます。
カテゴリー②:混合うつ病(約50%)
これがクークポラスが最も力を入れて論じた部分です。そして最も革命的な部分でもあります。
「混合うつ病」とは何か?
通常、うつ病というのは「気分が落ち込んで、活動性が低下した状態」として定義されます。エネルギーがなく、動けない。これが「純粋なうつ病」のイメージです。
ところが実際の患者さんを診ていると、うつ状態でありながら、同時に非常に落ち着かなかったり、内的な緊張感が激しかったり、気分が不安定で急に泣いたり怒ったりしたり、考えが止まらなかったり(反芻思考)、気力はないのに眠れなかったり、という状態の人がたくさんいます。
これは、うつ状態の中に、躁的な興奮の要素が混じっている状態です。クークポラスはこれを「混合うつ病(mixed depression)」と呼びました。
Angstとその同僚らによる5635人の外来患者を対象とした大規模研究では、うつ病エピソードを持つ患者の47%がこの「混合」の定義を満たしました。クークポラス自身のローマのクリニックのデータでは51%でした。
つまり、うつ病患者の約半数は、純粋なうつ病ではなく、躁的要素を含む混合状態にある、ということです。
この重要な点を改めて強調します。躁的な興奮がなければ、うつ症状も生じない——これがクークポラスの主張です。混合うつ病においては、躁の構成要素がうつの構成要素と同じ病態生理学的源泉から来ている。切り離すことができない。
ここで積み上がった数字:15%(双極性うつ)+50%(混合うつ)=65%
カテゴリー③:感情気質(約12%)
残り35%のうつ病患者——これは双極性でも混合でもない、いわゆる「純粋な単極性うつ病」に見える人たちです。これにはどう対処するのか。
クークポラスはここで**感情気質(affective temperament)**という概念を持ち出します。
感情気質とは、「エピソード」ではなく「気質」として長年にわたって存在する、軽度の気分の傾向です。クラエペリンやクレッチマーが記述し、近年はAkiskalが詳細に研究してきた概念です。
具体的には次のようなものです。
高揚気質(ハイパーサイミア):もともとエネルギッシュで、睡眠が短くても大丈夫で、社交的で、アイデアが豊富で、行動的。これは「病気」ではなく「性格」として理解されることが多い。しかしクークポラスの見解では、これは軽い躁的状態が気質として固定したものです。
循環気質(サイクロサイミア):気分の波が穏やかに繰り返される。少し元気な時期と少し落ち込む時期が交互に来るが、どちらも病的なレベルには達しない。これも「感情的な人」「気分屋」として片付けられることが多い。
ある研究では、「単極性うつ病」と診断された患者の72%が循環気質、31%が高揚気質を持っていたという結果が出ています。クークポラス自身のローマの診療データでは、サンプル全体の76%が何らかの躁的気質を持っていました。
つまり、「純粋な単極性うつ病」と思われている患者の多くが、もともと高揚気質や循環気質という「躁的な気質的素地」を持っており、その素地の上にうつが発症しているのです。
この推計では、残り35%の約3分の1——つまり全体の約12%がここに含まれます。
累計:65%+12%=77%
カテゴリー④:神経症的うつ病(残りの約23%)
では残りの約23%はどうなるのか。
著者たちはここで、「神経症的うつ病(neurotic depression)」という古い概念を持ち出します。これは1980年のDSM-IIIでいったん廃棄された概念ですが、著者たちはその復権を主張します。
神経症的うつ病とは、慢性的な不安とともに軽度から中等度の抑うつ症状が持続する状態で、エピソード的ではなく持続的なものです。これは「高い神経症傾向(neuroticism)」という性格特性として理解できます。
重要なのは、この神経症的うつ病は躁的要素を持たないという点です。したがって、クークポラスの「躁の優位性」テーゼは、ここには直接は適用されません。
これが全体の約23%を占める、「真の意味での非双極性うつ病」です。
しかしながら、この神経症的うつ病に対しても抗うつ薬はそれほど有効ではない、と著者たちは論じます(理由は後述)。
第五部:抗うつ薬はなぜ効かないのか
クークポラスの理論の治療的含意は明確です。うつ病のほとんどが躁的要素によって引き起こされているなら、その治療として「抗うつ薬」を使うのは的外れです。原因(躁)を治療せずに、結果(うつ)だけに対処しているわけです。
しかも、抗うつ薬は躁を悪化させます。したがって、原因を治療するどころか、逆に原因を悪化させてしまう可能性がある。これがクークポラスの主張の核心です。
双極性うつ病への抗うつ薬
双極性うつ病に対する抗うつ薬の効果については、複数の無作為化臨床試験(RCT)とメタ分析が「プラセボと同等」すなわち事実上無効という結果を出しています。
さらに、抗うつ薬を使い続けることで「急速交代型(ラピッド・サイクリング)」——気分エピソードの頻度がどんどん増えていく経過——が引き起こされることが示されています。クークポラスはこれを1960年代から観察し、1980年に発表しました。初期の三環系抗うつ薬での観察は、後に現代の抗うつ薬(SSRIなど)でも再現されました。
しかし精神医学界はこの主張に対して激しく抵抗しました。2013年の国際双極性障害学会(ISBD)のタスクフォースでさえ、「抗うつ薬は双極性うつ病に無効である」という明確な声明を出すことを拒否しました。60人以上の専門家が集まりながら、「医師の判断に任せる」という曖昧な結論しか出せなかったのです。
クークポラスはこれを「それでも以前よりは進歩だ」と穏やかに受け止めたといいます。以前は「有効だ」と言っていたのが、「有効とは断言できない」になったのだから、少しは前進したと。
この逸話は、既存のパラダイムに反する科学的証拠がいかに受け入れられにくいかを示しています。
混合うつ病への抗うつ薬
クークポラスのローマのクリニックのデータ(219人の混合うつ病患者)では、驚くべき事実が明らかになりました。
混合うつ病症例の約半数(50.7%)が、抗うつ薬によって引き起こされたものでした。
そして、抗うつ薬と関連した混合うつ病では、そうでないものと比較して自殺企図が2.5倍多かったのです。
これは深刻な数字です。患者を良くしようとして処方した薬が、かえって病気を悪化させ、自殺リスクを高めていた可能性があることを示しています。
クークポラスのチームがこれらの患者を引き継いだとき、治療はほぼ逆転させられました。抗うつ薬の使用率は57%から2.7%へ。気分安定薬と抗精神病薬がそれぞれ約30%に処方されました。一部(25%)には電気けいれん療法(ECT)が使われました。
その結果、ハミルトン抑うつ評価尺度のスコアは平均27.9(重篤)から8.0(ほぼ正常)へと劇的に改善しました。1年以上の追跡期間中に全く再発しなかった患者が45%。完全な抑うつエピソードを経験したのはわずか17%でした。
神経症的うつ病への抗うつ薬
神経症的うつ病に対しては、抗うつ薬は「効かない」というよりも、「プラセボと区別がつかない」という意味で効いていません。
軽度のうつ病エピソードに対してはプラセボの効果も非常に高いため、薬とプラセボの差が生まれません。どちらも「効いている」ように見えるが、実際には自然経過によって短期的に回復しているだけです。
そして本当の問題は、神経症的うつ病の基盤にある「高い神経症傾向」という気質的特性は、抗うつ薬では変わらないという点です。短期的な症状の波は収まっても、基盤となる慢性的な不安と軽度の抑うつへと戻ってしまう。これは本質的な意味での「治癒」ではありません。
第六部:DSM-5との対立
クークポラスの晩年の大きな戦いの一つは、DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)の起草委員会との論争でした。
DSM-5の「混合特徴」規定の問題
DSM-5は、うつ病エピソードに「混合特徴を伴う」という修飾因子を加えました。これは表面上、クークポラスの主張(混合状態の重要性)を取り入れたように見えます。
しかし実際には、DSM-5が定義した「混合特徴」は、クークポラスの定義と根本的に異なります。
最大の問題は、易怒性、精神運動性焦燥、内的緊張感という症状を「非特異的」であるとして除外したことです。これらはうつ病でも躁病でも起きるから、混合の指標にはならないという理由です。
しかしクークポラスたちはこれを真っ向から批判します。「頭痛は偏頭痛だけでなく他の頭痛でも起きるから、偏頭痛の診断基準から外す」というのと同じくらい非論理的だ、と。
易怒性と焦燥こそが、実際の混合状態で最も頻繁に観察される症状です(84%に精神運動制止の欠如、78%に気分の不安定性または著しい気分反応性、75%に精神的焦燥または内的緊張が認められた)。これらを除外してしまえば、「混合特徴を伴う」という診断は現実の混合状態患者のほとんどを捉えられなくなります。
実際に、DSM-5の定義を使うと、うつ病エピソードを持つ人の7〜12%しか「混合特徴を伴う」とは診断できません。これはDSM-IVの狭い基準と変わらない数字です。
クークポラスはDSM-5起草委員会に意見を伝えようとしましたが、聞き入れられませんでした。その最後の数ヶ月に書いた二つの論文は、彼の生涯最後の発表論文となりました。
第七部:クークポラスとニーチェ
論文の結論部分には、感動的な一節があります。
クークポラスはかつて、「ニーチェの一文の中には、根拠に基づく医療の主張全体よりも多くの真理がある」と述べたといいます。
そして著者たちは、彼についてニーチェ自身に用いられた表現で評します。
「彼は死後に生まれ、彼が考えや言葉を記したとき、それらを理解できる人々はまだ生まれていなかった。」
これは、ニーチェが自身の著作の中で用いた表現です(「私はある者たちのために書く。まだ生まれていない者たちのために」という趣旨)。時代を超えて理解される思想家は、しばしば生前には理解されない。クークポラスもその一人だ、という著者たちのメッセージです。
第八部:全体の構造をまとめる
ここで全体を整理しましょう。
クークポラスの主張の論理構造
【前提】
うつ状態は躁状態(またはその等価物)によって引き起こされる
↓
【診断上の含意】
大多数の「うつ病」は実は躁うつ病スペクトラムの一部である
「大うつ病性障害(MDD)」という独立疾患概念は過大評価されている
↓
【治療上の含意】
抗うつ薬で「うつ」を治療しても、原因(躁)に対処できない
抗うつ薬は躁を悪化させるので、むしろ原因を増強する
↓
【代替治療】
気分安定薬(リチウム、バルプロ酸など)で躁的素地を安定させる
抗精神病薬の使用(混合状態に対して)
電気けいれん療法(重症例)
「躁の優位性」テーゼが適用される範囲
| カテゴリー | 全うつ病に占める割合 | 躁との関係 |
|---|---|---|
| 双極性うつ病(M-Dパターン) | 約15% | 躁がうつに時間的・因果的に先行 |
| 混合うつ病 | 約50% | うつ状態の中に躁的要素が混在 |
| 高揚/循環気質を持つ「単極性」うつ | 約12% | 躁的気質が素地となってうつが発症 |
| 合計 | 約77% | |
| 神経症的うつ病 | 残り約23% | 躁的要素なし(ただし抗うつ薬も無効) |
第九部:臨床家としての含意——なぜこれが重要か
日常臨床への影響
クークポラスの主張が正しいとすれば、精神科臨床は大きく変わります。
現在、「うつ病」と診断されて抗うつ薬を処方されている患者の多くが、実際には双極スペクトラムの疾患を持っており、気分安定薬による治療の方が適切かもしれない。
これは単なる理論的問題ではありません。抗うつ薬が混合うつ病を引き起こし、自殺リスクを高めるというデータは、深刻な公衆衛生上の問題を提起します。
「治らないうつ病」の解釈
治療抵抗性うつ病——何種類もの抗うつ薬を試しても良くならない——という患者さんを、精神科医なら誰でも経験します。クークポラスの理論は、このような患者さんの多くが実は双極スペクトラムにあり、抗うつ薬ではなく気分安定薬で治療すべきだ、という解釈を提示します。
「反省的診断」の重要性
この論文が示唆するのは、「うつ病」という診断を下した後に立ち止まって問うことの重要性です。
- この患者さんのうつに、落ち着きのなさ、内的な緊張感、易怒性、気分の不安定性は伴っていないか?
- 抗うつ薬を始めてから、むしろ気分の波が激しくなっていないか?
- もともとエネルギッシュで、睡眠が短くても平気で、アイデアが豊富だという時期はなかったか?
- 家族に双極性障害や気分の波が激しい人はいないか?
これらの問いは、混合状態や双極スペクトラムを見逃さないために重要です。
おわりに:一人の医師の孤独な闘い
この論文を読んで印象に残るのは、科学的真実と医学界の慣性との間の摩擦です。
クークポラスは1960年代から問題を指摘し続けました。1980年に発表しました。それから40年以上が経って、2013年のISBDタスクフォースでもまだ「明確な結論は出せない」という状態でした。彼はその翌年に亡くなっています。
一人の臨床家が、毎日患者と向き合いながら観察した「不都合な真実」が、何十年もかけて少しずつ主流の医学に浸透していく——これは医学史において繰り返し見られる光景です。
ゼンメルワイスが産褥熱の原因として手洗いの重要性を指摘したとき、彼の同僚たちは嘲笑しました。マーシャル・バリーがピロリ菌の胃潰瘍への関与を主張したとき、最初は誰も信じませんでした。
クークポラスもその系譜に連なるかもしれない。著者たちはそう信じています。
「将来の精神医学は、クークポラスが正しかったことを証明するだろう。」
これが本論文の最後のメッセージです。
以上が、GhaemiとVohringerによるクークポラスの精神医学についての論文の詳細解説です。精神医学の診断と治療に関する根本的な問い直しを含む重要な論文であり、特に臨床精神医学に携わる方々には一読の価値があると思います。
------論文本文
アタナシオス・クークポラスの精神医学:躁の優位性と抗うつ薬の限界
S. Nassir Ghaemi¹· および Paul A. Vohringer²*
¹気分障害プログラム、タフツ医療センター、ボストン、マサチューセッツ州、米国;²チリ大学、サンティアゴ、タフツ医療センター、ボストン、マサチューセッツ州、米国
抄録
背景: アタナシオス・クークポラスは、抑うつ状態および躁状態を理解するための根本的なモデルを提供した。
目的: 抗うつ薬の役割に特別な注意を払いながら、クークポラスの躁の優位性という概念を概説し、説明し、分析すること。
方法: このテーマに関するクークポラスの著作および講義の概念的レビューを提示する。
結果: クークポラスは、抑うつ状態は躁状態によって引き起こされると主張した。前者は後者なしには生じない。抑うつ症状と躁症状の不可分性が最も一般的に現れるのは混合状態においてであり、われわれの推計では、これはすべての患者における(双極性疾患だけでなく)すべての抑うつエピソードの約半数を占める。このテーマに関する実証的証拠のレビューにおいて、われわれは、抑うつ患者のほぼ80%において躁の優位性テーゼを支持する実証的証拠が存在すると結論づける。抗うつ薬は躁を悪化させるため、このモデルでは、抑うつも同様に悪化させることが予測される。われわれは、ほとんどの抑うつ状態の人々においてこの見解を支持する証拠を提示する。
結論: クークポラスの感情疾患のモデルは、躁状態が一次的病理であり、抑うつ状態はその二次的結果であるというものである。したがって、抗うつ薬による抑うつの治療は、気分安定薬による治療よりも効果が低いことになる。なぜなら、結果を治療することは、その原因を治療することよりも成功しにくいからである。このアプローチは、現在の精神医学における前提を逆転させるであろう。
キーワード: 抗うつ薬、うつ病、有効性、クークポラス、躁、混合状態、急速交代型、気質
1. はじめに
アタナシオス・クークポラスの精神医学へのアプローチの中心的原理は、診断に関するものと治療に関するものという、二つの言明に要約できる。
「うつ病」は単なるうつ病ではなく、むしろ躁状態の結果である。
「抗うつ薬」は抗うつ薬ではなく、抑うつ状態に対してしばしば無効であり、有害でさえある。
この二つの原理は、現代精神医学をひっくり返す。それらは、1980年以降のDSM/ICD診断の基本的前提と、1970年代以降精神医学の主流によって教えられてきた向精神薬学の基本的公理と相容れない。
クークポラスは急進的な精神科医であり、その見解はあまりにも不評であったため、生前に主流に受け入れられることはなかった。われわれは、将来において彼が正しかったことが証明されると考える。
診断については、彼は、表面上は抑うつ状態のほとんどが、実際には優勢な抑うつ症状とともに躁症状が生じる混合状態であるという見解の主たる提唱者であった。このことが生じているだけでなく、躁症状は、診断および治療の両面において気分状態の一次的かつ最も重要な側面であると彼は論じた。診断については、混合状態の広範な有病率により、クークポラスはほとんどのうつ病が躁うつ病であり、いわゆる「単極性」あるいは「大うつ病性障害(MDD)」は主流のDSMに基づく精神医学において見かけ上そうであるよりも、はるかに頻度が低く重要性が低いと結論づけた。
治療については、クークポラスは抗うつ薬が双極性疾患の長期経過を悪化させ、時間の経過とともに気分エピソードをより多く引き起こし、それによって急速交代型経過をもたらすと最初に同定した臨床家の一人であった。クークポラスは50年間、抗うつ薬を最小限に使用しながら診療を行った。晩年には、患者のわずか3%にしか抗うつ薬を処方しなかった[1]。
本論文では、診断と治療に関する彼の基本的見解を説明し拡張する。われわれは、抑うつ状態はほとんどが躁うつ病の一部であり、したがって別個の実体としての「大うつ病性障害(MDD)」は誤りであることを示す。そして、抗うつ薬は双極性疾患のためだけでなく、「MDD」とラベル付けされたものを含む多くの抑うつ状態に対して無効または有害であり、したがって向精神薬学的治療において限定的な役割しか持たないことを説明する。
1.1. 背景
われわれが初めてアタナシオス・クークポラスに出会ったのは、ローマで開催された彼の年次会議の場であった。彼はそれらの会議の主要な組織者であり、うつ病と双極性疾患に関心を持つ多くの地域および全国のイタリア人臨床家を集めた。彼はそれらの会議で基調講演を行い、一度ならず、われわれは彼の晩年の代表的講義「躁の優位性」を聴いた[2]。
最初に聴いたとき、われわれにはそれが理解できなかった。
その後、われわれは彼と同僚たちとのインフォーマルな場に加わり、精神医学についての考えを語り合った。それはクークポラスの会話の唯一の包括的なテーマであった。彼は患者の診断と治療について何を考えているかをわれわれに語り、われわれは自分たちの考えを彼に語り、他の人々の話に耳を傾けた。
翌年も同じプロセスが繰り返され、またその翌年も。クークポラスはほぼ毎年家族に会いにボストンを訪れ、その際にもわれわれは彼の考えについて会って話し合った。
約10年間の繰り返される交流を経て、われわれはついに再び彼の「躁の優位性」講義を聴き、ようやく理解できたと思った。過去10年間のわれわれの研究において、これらの考えは気分状態に関連した臨床精神医学の理論と実践について、われわれが考えることの多くを変革した。われわれは現在、10年前とは多くの患者において臨床的に全く異なった実践をしている。その変化は、クークポラスの躁の優位性理論を理解した影響の結果である。
1.2. 躁の優位性の基本原理
クークポラスは急進的な思想家であった。彼は感情疾患を理解するための現在のアプローチを完全にひっくり返した。通念は、うつ病と躁病は二つの異なる状態であるというものである。ほとんどの人々は一つの状態、すなわち単極性うつ病のみを持ち、それは繰り返しまたは持続的に生じるが、いかなる躁も伴わない。二つの気分状態は双極性疾患において共存し得るが、それでも別々の相で生じる。すなわち、あるときは抑うつ状態にあり、あるときは躁状態にある。それらが「混合エピソード」において共に生じることはまれであり、DSM-IVの基準を用いると非常に頻度が低く、DSM-IVの気分障害フィールドトライアルでさえも測定されなかったほどであった[3]。
したがって、世界は二つに分かれている。非常に大きな抑うつの世界と小さな躁の世界があり、両者が出会うことはほとんどない。
これが過去半世紀にわたる現代精神医学の通念であり、DSM-III-5に成文化されている。
クークポラスはこのアプローチを拒否した。
別の選択肢がある。この見解では、うつ病と躁病は別々で無関係な現象ではなく、むしろ一方が他方を引き起こす。約一世紀にわたり、この見解もフロイトとその追随者の影響を通じて卓越していた。精神分析的見解は、うつ病が躁病を引き起こすというものであった。躁病はうつ病に対する反応である。あなたは抑うつ状態にあるが、その感情に耐えられないので、無意識のうちに躁病へと逃避する。あなたは幸せで活動的で高揚していてエネルギッシュに見える。しかし実際には、それらはすべて、深いところで落ち込んで悲しく憂鬱に感じているという反対の状態への反応である。
クークポラスはこのアプローチも拒否した。
この精神分析的見解は、単極性うつ病の標準的なDSM的見解と並んで、以前から影響力を持っていた。いずれにせよ、うつ病が卓越していた。躁病はまれであるか、あるいは、より深刻なうつ病の問題の表面的な結果にすぎないかのいずれかであった。
偉大な精神分析的教師レストン・ヘイヴンズは、躁病についての自身の講義を行っていた[4]。われわれのうちの一人(SNG)はその講義を何度も何度も聴き、それでも数年間は理解できなかった。ヘイヴンズは、精神分析家および精神保健専門家は一般的にうつ病に共感することに全く困難を感じなかった、と指摘した。しかし、われわれの専門職は躁病を軽視する傾向があった。われわれはうつ病を深刻なもの、躁病を表面的なものとみなす。うつ病あるいは憂鬱は天才を生み出すとさえ主張される。躁病は衝動性と暴力に結びつけられる。われわれはうつ病が軽度、中等度、重度というグレードで存在するという事実を即座に直観する。「躁病」という言葉は、最も重症の種類のイメージを自動的に喚起する。すなわち、自分がキリストだと思い込み、われわれを身体的に攻撃するかもしれないと恐れる幻覚を持つホームレスの男性のイメージである。あなたも私も、ときに抑うつ状態にあることを認めるだろう。しかし、ときに躁状態にあることは決して認めないだろう。
ヘイヴンズは、われわれがうつ病により共感するのは、それがより一般的であったり近づきやすかったりするからではなく、むしろわれわれが躁病を差別し、スティグマを与えているからだと指摘した。
これがクークポラスの躁の優位性という概念を理解することが難しい理由の一つである。精神科医も患者も、躁病を避けるか、または表面的に見てきた。対照的に、うつ病はより深刻に見える。クークポラスは用語を逆転させたかった。われわれは躁病を真剣に受け止める必要があり、そうすれば、うつ病は原因ではなく結果であることがわかるのだ、と。
1.3. 証拠
躁の優位性については、いくつかの異なる証拠の系列がある。問題は、うつ病が躁の何らかの形態なしに生じることがあるかどうかである。クークポラスからの答えはノーである。彼がこの考えをどのように説明するかを見てみよう。
1.3.1. 双極性うつ病
まず、明確な双極性疾患がある。このDSMに基づく診断では、ほとんどの患者がDSMの基準で定義された躁または軽躁エピソードを持ち、その後に抑うつエピソードが続く。躁は時間的に抑うつに先行し、クークポラスは因果的にも先行すると論じる。上がったものは下がらなければならないのだから、患者は躁の後に抑うつになる。
この現象はどのくらい頻繁に起こるのか。われわれはこのように推計できる。DSMの基準を用いると、すべての抑うつエピソードの約5分の1は、DSMの基準で双極性I型またはII型と診断される人々にも生じる[5]。したがって、抑うつエピソードの20%は双極性である。これらのエピソードのほとんど(約75%)は、うつ病が躁に先行するパターン(D-M)ではなく、躁/軽躁の後に抑うつが続くパターン(M-D)を伴う[5]。したがって、時間的先行性が因果性に関係するという概念を受け入れるならば、すべての抑うつエピソードの15%は躁によって引き起こされると推計できる。
1.3.2. 混合うつ病
別の大きなカテゴリーの抑うつエピソードを持つ人々は、抑うつエピソードの間に躁エピソードを有する。すなわち混合状態である。この患者群はクークポラスが最も関心を持っていた。これらの混合状態は、DSMの制約の外で、異なる方法で定義できる。最も単純なアプローチは、Benazziによって説明された双極性特定因子である[6]。この定義では、混合状態は、任意の期間(軽躁については4日以上、躁については1週間以上というDSMの持続基準に限定されない)にわたって三つ以上のDSM定義の躁症状が生じた臨床的抑うつエピソードによって定義される。この定義により、Angstと同僚らは、5635人の外来患者の大規模サンプルにおいて抑うつエピソードを有する人々の47%が混合状態の定義を満たすことを発見した[7]。クークポラス自身の「混合うつ病」の定義を用いることもできる。これは、双極性特定因子よりもさらに広く、DSMの基準を超えるものである[8]。クークポラスの定義では、以下でより詳しく説明するように、混合うつ病は、精神運動性興奮を伴う臨床的抑うつエピソードの存在を含み、精神運動性焦燥および/または著しい激怒に限定される可能性がある。クークポラス自身のローマのクリニックにおけるクークポラスの混合うつ病の定義を用いると、臨床的抑うつエピソードを有する435人の連続患者の51%が混合抑うつ状態を有していた[9]。
一方ではAngstとBenazziのアプローチ、他方ではクークポラスのアプローチを組み合わせると、すべての抑うつエピソードの約50%が躁症状と混合しており、したがって純粋なうつ病ではなく混合状態であると控えめに推計できる。躁の優位性の理論は、これらの混合状態がその躁の構成要素によって駆動されるという概念を受け入れるならば適用される。換言すれば、抑うつ症状と躁症状を分離することはできない。それらは同じ病態生理学的源泉から来ている。躁症状なしには、抑うつ症状は生じないであろう。
したがって、ここに別の50%の抑うつエピソードがあり、最も大きな部分であるが、躁なしには生じないであろう。双極性疾患における古典的な躁うつサイクルの15%と合わせると、躁の優位性の定義を満たす抑うつエピソードの大多数、65%を説明できることになる。
1.3.3. 感情気質
残りの35%はどうか。それらは純粋な抑うつの症例、いわゆる「単極性」うつ病なのか。ここで、近年最も確定的にはAkiskalによって詳述された感情気質の概念に転じる[10]。Akiskalはクークポラスの親友であった。以前、これらの気質はKraepelinによって、後にKretschmerによってより詳細に記述された。考え方は、気分疾患を持つ人々において、重篤なエピソードの間に軽度の気分症状が生じ得るというものであり、これらの軽度の症状は常に存在し、気質の一部をなすというものであった。これらの状態は、気分変調症、高揚気質、循環気質(それぞれ軽度の抑うつ、躁、躁うつ症状)として定義された。高揚気質は明らかな無知によりDSM-IIIから除外され、1980年以降ほとんどの臨床家には知られないままであった。これらの概念はいずれにせよ、1920年代頃のKretschmerによる慎重な精緻化の後、アメリカ精神医学においてはほとんど使用されなかった[11]。
単極性うつ病患者における高揚気質または循環気質の頻度は十分に研究されていない。ある小規模報告では、単極性サンプル(n=36)の約72%がTEMPSスケールを用いて循環気質と診断可能であり、31%が高揚気質と診断可能であることが示された[12](一部の患者は両方の定義を満たした)。これらの予備的データが確認されれば、単極性うつ病患者の約半数が高揚気質または循環気質の感情気質を有している可能性があると推計できる。
この可能性は、ローマにあるクークポラス自身の診療における219人の患者の分析によって支持されている[1]。そこでは33%がMDDと診断され、20%が双極性疾患と診断され、残りはその他の精神医学的状態と診断された。全体として、臨床的診断評価を用いると、高揚気質はサンプル全体の63%に存在し、循環気質は13%に存在していた。すなわち、サンプル全体の76%が何らかの種類の躁の気質を有していた。MDDサブサンプルは気質有病率について別途分析されなかったが、双極性サブサンプルにおける躁の気質のより高い有病率を仮定すると、MDDサブサンプルの実質的な割合もまた躁の感情気質を有していると推測できる。
これらの推論が正しいと証明されれば、非双極性うつ病患者のおそらく3分の1またはそれ以上が、高揚型または循環型の躁の気質を有していると結論づけることが合理的に思われる。もしそうなら、これらの計算は残りの35%の人々の抑うつエピソードの3分の1程度を説明することになる(すなわち、約12%)。クークポラスの見解は、長期にわたる高揚気質または循環気質がそのような人々を抑うつエピソードへと素因づけるというものであろう。ここでもまた、躁症状が抑うつ症状を引き起こす。
われわれはこれで、重篤な臨床的抑うつエピソードと伝統的に診断されたすべての人々の77%を説明したことになる(50% + 15% + 12%)。これはそのような人々の5人中4人近くになる。
1.3.4. 神経症的うつ病
残りはどうか。われわれの見解では、1980年のDSM-IIIによってとうの昔に拒否された神経症的うつ病の概念が、著しい抑うつ状態を有しながら躁うつ病のいかなる変種も持たない人々を説明する。
神経症的うつ病は、軽度から中等度の慢性的な不安を指し、軽度から中等度の慢性的な[13] …
2. 抗うつ薬の無効性と有害性
躁の優位性という観点を通じてうつ病の病名分類が理解されれば、クークポラスの精神医学へのアプローチの中心的治療原理をより良く理解できる。すなわち、抗うつ薬は無効であり、ときに有害である。
これらの抑うつ状態すべてに対するクークポラスの考えの一貫したテーマは、いわゆる「抗うつ薬」は抗うつ薬ではない、すなわちほとんどの抑うつ状態に対して有効ではないというものである。双極性うつ病から始め、混合うつ病へと続き、彼自身の研究に焦点を当て、続いて神経症的うつ病のデータを概観しながら、この証拠を簡単にレビューしよう。
2.1. 双極性うつ病
われわれと他の研究者らは、抗うつ薬が双極性うつ病の急性期および維持期治療において基本的に無効であることを示す無作為化臨床試験とメタ分析を以前に発表した[16, 17]。
クークポラス自身の臨床経験は、彼の論文と以下の混合うつ病の節で説明する彼の晩年の診療の分析において記録されている。彼自身の研究において、急速交代型双極性疾患の患者が抗うつ薬を投与される傾向があることを最初に報告した人物の一人であった。抗うつ薬が中止されると、そのような患者の経過が改善され、その関連が因果的であることが示唆された。三環系抗うつ薬を用いた初期の無作為化試験が因果的関連を示唆し[18]、三十年後、現代の抗うつ薬を用いたわれわれのグループによる二度目の再現がクークポラスの観察を確認した[19]。それにもかかわらず、精神医学の専門職は、抗うつ薬が急速交代型を引き起こし、それによって双極性疾患の長期経過を悪化させるという概念に対して非常に抵抗してきた。著名な研究者らが観察データに基づいてそのような因果的関連を否定する反対の結論を発表し[20]、他の研究者らはそれらのデータを繰り返し引用して関連性を否定してきた。これは、臨床疫学と根拠に基づく医療の明らかな第一法則[21]にもかかわらず生じた。すなわち、観察データは無作為化データを否定しない。むしろその逆が真である。
2.1.1. 専門職の抵抗と2013年ISBDタスクフォース
前述のように、クークポラスは抗うつ薬が双極性疾患を悪化させ、急速交代型経過を引き起こすと最初に同定した臨床家の一人であった。彼は最小限の抗うつ薬使用で診療し、患者のわずか3%にのみ処方した[1]。
彼はローマで診療を始め、抗うつ薬が臨床実践に導入された1960年代に自身の観察を開始した。彼はその洞察を早くも1980年に発表した[22]。彼は約半世紀にわたって診療を行ったが、頑固な専門職に対して彼の歓迎されない観察が正しいと納得させるのに三十年を費やした。過去40年間、彼の洞察は臨床家だけでなく双極性研究者によっても激しく抵抗されてきた。精神医学は、そしてそれは今も、抗うつ薬を支持する専門職であり続けている。彼の職業人生の大部分において、クークポラスは莫大な抵抗と懐疑に直面した。
彼の生涯最後の年に、2013年の国際双極性障害学会(ISBD)の抗うつ薬に関するタスクフォースのメンバーとして[23]、クークポラスは継続する抵抗に直面した。上記でレビューした証拠にもかかわらず、抗うつ薬がプラセボと同等であることを示す複数の陰性の無作為化臨床試験(RCT)があったにもかかわらず、そのタスクフォースの60人を超える双極性専門家の大多数は、単純に科学的真実を述べることを望まなかった。すなわち、抗うつ薬はプラセボと同等であり、少なくともI型サブタイプにおける急性双極性うつ病に対しては無効であるという真実である(クークポラスとわれわれは、混合した結果を示すRCTの知見があるにもかかわらず、II型双極性疾患においても無効であると考えているが、それは他の場所で論じた別の問題である[24])。
タスクフォースは双極性うつ病における抗うつ薬使用に対して明確な声明を出すことを望まなかったが、数十年の研究の後、抗うつ薬が双極性うつ病に有効であると主張してきた以前のタスクフォースの慣行を継続することはもはやできないことは明らかであった[25]。タスクフォースは以前のタスクフォースとは異なり、双極性うつ病において抗うつ薬を使用すべきであるという勧告を行うことができなかったが、使用すべきでないと述べることを拒否した。代わりに、そのような決定を行う際に臨床家が判断を用いることを認めるあらゆる努力をした。実質的には、コミットすることを拒否したのである。
われわれのうちの一人(SNG)は、同様の研究が有効性の証拠を示した場合に向精神薬の推奨を躊躇わないこととは対照的に、無効性を示した場合に科学的証拠に従うことを拒否したことに不満であった。クークポラスはその反応においてより慎重であった。
生涯にわたる闘争の後、彼は漸進的な進歩を遂げたことを認識した。少なくとも今や双極性専門家たちは、双極性うつ病における抗うつ薬の使用を心から留保なしに推奨できないことを受け入れるつもりがあった。それは過去よりも良かった。以前は、彼らはそのような推奨を行っていたのだから。
クークポラスはその結果を進歩として受け入れた。それは事実そうであった。
それにもかかわらず、合理的に再現された科学的文献に対してそのような最小限の結論を引き出すのに一生涯かかるよりも少ない時間で済むことを望まずにはいられない。
2.2. 混合うつ病
混合うつ病における抗うつ薬の影響に関するクークポラスの論文は、再び彼の臨床実践を反映している。最近、Saniと同僚らは、クークポラスが組織し主導したローマのCentro Lucio Biniからのデータを発表した[1]。彼の診療において混合うつ病の基準を満たした219人の患者において、混合うつ病症例の約半数(50.7%)が抗うつ薬によって引き起こされた。抗うつ薬と関連した混合抑うつ状態では、そうでない混合状態と比較して自殺企図が2.5倍頻繁であった。
セロトニン再取り込み阻害薬は三環系抗うつ薬とほぼ同じ頻度で混合うつ病を引き起こした(それぞれ38.5%対45%)。I型双極性患者とは対照的に、II型双極性患者は混合うつ病を引き起こした抗うつ薬を投与される可能性が高かった。抗精神病薬との併用治療は、抗うつ薬使用の結果としての混合うつ病の頻度を低下させた。
クークポラスと同僚らによる治療前は、サンプルの57%が抗うつ薬で治療されており、5%のみが気分安定薬(リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン)を投与され、9%が抗精神病薬を投与されていた。ローマグループによる治療後、治療はほぼ完全に逆転し、2.7%のみが抗うつ薬を投与され、気分安定薬または抗精神病薬をそれぞれ約3分の1が投与された(それぞれ31.5%と30%)。大きなサブグループ、25%が急性気分改善のために電気けいれん療法(ECT)を受けた。
このアプローチにより、平均1.3年の追跡期間において、これらの患者はハミルトン抑うつ評価尺度(HDRS)スコアが平均27.9から8.0に改善するという抑うつ症状の著明な改善を示した。さらに、サンプルのほぼ半数(45%)が1年以上の追跡期間中に全く再発せず、27%は再発が生じた場合に軽度の再発(軽躁または軽度のうつ病)を有した。追跡期間中に完全な抑うつエピソードを有したのはわずか17%であり、自殺企図は1%に過ぎなかった。
別の分析では、クークポラスのローマグループとInternational Mood Network(IMN)のデータを組み合わせ、われわれは他の同僚らと共同して、気分疾患患者435人のサンプル(双極性疾患139人、「MDD」296人)において混合うつ病に関するクークポラスの基準の診断的妥当性研究を実施した。経過、遺伝学、治療効果という古典的な標準的診断的妥当性検証因子を用いて、われわれは彼の基準が、他のより純粋に抑うつの患者と比較して、非常に良好な特異度(86%)と良好な感度(76%)で同定できる別個の患者群を同定することを確認した。そのサンプルにおいて非常に高い陽性予測値(86%)も同定し、したがってかなり低い偽陽性率を生み出した。陰性予測値も良好であった(75%)。最も一般的な症状は、精神運動制止の欠如(84%)、気分の不安定性または著しい気分反応性(78%)、精神的焦燥または内的緊張(75%)であった。
晩年にクークポラスは、彼の抑うつ混合状態の概念についてDSM-5タスクフォースグループに伝えようとした。残念ながら、彼の声は聞かれなかった。彼の生涯最後の数ヶ月における最終的な発表において、彼は「重複する」気分症状(易怒性、精神運動性活性化、内的緊張)が混合エピソード修飾因子から除外されるべきであるというDSM-5タスクフォースの主張に対する二つの最終的レビューを発表した。これらの気分症状は躁とうつ病の両方で生じる。包括的なレビューにおいて[26]、クークポラスとSaniはDSM-5の定義を支持するためにDSM-5タスクフォースが引用した文献を分析した。それは7つの研究から構成されていた。彼らは、それら7つの研究のうち3つはDSM-5の定義を支持するいかなるデータも提供していないことを示した。他の4つの研究は、DSM-5の定義が混合特徴を有するとして抑うつエピソードを有する人々の7〜12%のみを同定することを示した。これは、DSM-IVで用いられた狭い定義と同じ範囲にある小さな数値である。換言すれば、DSM-5は実際には混合状態の定義を広げていなかった。同じ結果を生み出すために異なる方法で定義しているに過ぎなかった。クークポラスとSaniは、DSM-5タスクフォースが無視していた他の多数の研究を同定した。それらの研究は、本論文で以前レビューしたように、混合状態のより広い定義の診断的妥当性に対する実証的証拠を提供していた。
別の批判において[27]、クークポラスと同僚らはDSM-5の定義を概念的に批判した。彼らは、易怒的ではなく高揚した気分を要求することにより、DSM-5の定義は混合うつ病ではなく混合軽躁病を反映することになると指摘した。また、混合状態の最も一般的な特徴、すなわち易怒性と焦燥が非特異的であると主張されるために除外されることは非論理的であると主張した。それは、他の種類の頭痛とは対照的に、片頭痛の診断基準として「頭痛」を認めることを拒否するようなものだ、と。
これが生前に発表されたのを目にした彼の最後の論文となった。
2.3. 神経症的うつ病
抗うつ薬は神経症的うつ病に対して有効ではないが、それはそれらが「効かない」からではなく、すべてのものが「効く」ためであり、実際には何も本当には効かないからである。説明しよう。神経症的うつ病は軽度から中等度の抑うつ症状を含む[15]。臨床的抑うつエピソードの基準を満たす短期の増悪においてさえ、これらの患者は通常、軽度または中等度の臨床的抑うつエピソードと考えられるものを有している(例えば、ハミルトン抑うつ評価尺度スコアが18〜28の範囲)。いわゆる大うつ病性障害(MDD)における抗うつ薬の何百もの無作為化臨床試験(RCT)のメタ分析が、抑うつ症状の軽度、中等度、重度の臨床的エピソードへの抗うつ薬の影響を調べるために実施されてきた。それらのデータのわれわれの再分析において[28]、われわれは、抗うつ薬が中等度から重度の臨床的抑うつエピソードに対してはより有効であったが、軽度の臨床的抑うつエピソードに対してはプラセボよりも有効ではなかったという他の研究者らの報告を確認した。重要な臨床的ニュアンスは、プラセボが軽度の臨床的抑うつエピソードに対して非常に有効であったが、うつ病の重症度が増すにつれてそれほど有効でなくなったということである。したがって、薬物とプラセボの差は、それらの状態に対する薬物有効性の低下ではなく、軽度の抑うつ状態に対するプラセボ有効性の増大を含んでいた。
換言すれば、軽度のうつ病を持つほとんどの患者は、抗うつ薬を投与されてもプラセボを投与されても改善した。どちらも効かなかったのではなく、両方とも「効いた」のだ。この「効く」ことが何を意味するのか——われわれは、それは神経症的うつ病における短期増悪の急速な自然消退の自然経過を含むと考える——「利益」は抗うつ薬の薬理学的効果によるものではなかった。
実際には、気質的特性としての高い神経症傾向は変化しないため、何も効いていない。これらの患者は短期の抑うつ増悪から改善するかもしれないが、完全な臨床的抑うつエピソードの公式定義の閾値をわずかに下回る、軽度から中等度の絶え間ないうつ病と不安という基準値に戻る。これらの患者は閾値下の症状を持ち続け、不幸で著しく機能不全な状態が持続する。長期の抗うつ薬使用と認知行動療法のような一部の精神療法でさえ、この神経症傾向、すなわち長期の慢性的な軽度から中等度の抑うつ/不安的基準値を改善できるかもしれないが、それを完全に除去することはできない[29]。
結論
本論文で説明しようとした急進的な考えの要約に対して簡潔な結論を提供することは難しい。試みるとすれば、一つのアプローチは、うつ病病名分類に対する基本的なDSM/ICDアプローチは誤りであり、「うつ病」を「抗うつ薬」で治療するという基本的な主流の向精神薬学的アプローチは誤りであると述べることであろう。これらの誤りの理由は複雑であり、本論文で説明した。これらの説明への道標は、クークポラスの躁の優位性という概念と、この新しい気分病名分類に基づく向精神薬学的治療文献の再検討であり、それは抗うつ薬が信じられてきたよりもはるかに少ない利益とはるかに多くの有害性を持つことを示している。
これらはクークポラスの精神医学の構想の中心的な急進的考えであり、それらは彼の半世紀にわたる生涯の診療において同時代人には受け入れられなかった。われわれは将来の専門職がクークポラスの業績は正しく、時代を先取りしていたと証明するだろうと予測する。クークポラスはかつて、ニーチェの一文の中には根拠に基づく医療の主張よりも多くの真理があると述べた。彼が称えたこの哲学者について言えるように、クークポラスについても言うことができる。彼は死後に生まれ、彼が考えや言葉を記したとき、それらを理解できる人々はまだ生まれていなかった、と。
利益相反の開示
過去36ヶ月において、Ghaemi博士はSunovion Pharmaceuticalsから講演謝礼を受け取り、Takeda Pharmaceuticalsから研究助成を受けた。Vohringer博士は開示すべき事項はない。
謝辞
なし。
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