自民党・萩生田幹事長代行記者会見(2025年12月1日)
――朝日新聞です。高市政権の政治とカネの問題への向き合い方についてお伺いします。内閣支持率が高い水準で推移している一方で、朝日新聞の直近の世論調査では、自民党の政治とカネの問題に対する取り組みについては7割が「評価しない」と回答しました。萩生田代行は、いわゆる裏金問題、安倍派の当事者のおひとりでもありますが、この世論調査についてどうお考えかお聞きします。
幹事長代行:裏金ではなく、不記載をしたということで、当然、今までも説明責任を果たしてきたつもりでいますし、これからも必要があれば機会があるごとにお話をしていきたいと思います。個々に対応が若干違うので一概には言えないのですけれども、既に収支報告書を全て修正して、あるいは必要な金額を党に戻したりする中で会計処理が終わっている人と、そうじゃない人がいるので、まだ未解決じゃないかという印象を持たれている部分もあると思うのですけれども、この件についてはそれぞれアプローチも違いますので、一人ひとりの議員が誠実に自分自身の取り組みを国民の皆さんにきちんと説明をして理解を高めていく以外に方法はないのではないかと思います。私自身もその努力を続けていきたいと思っております。
――朝日新聞です。この問題については、まだ真相究明がされていないという声が党内外にありますけれども、どのように解明していくか、今後の説明責任についてお伺いします。
幹事長代行:何をもって真相究明なのか、私にもわかりませんので、個々に対応が違うと思いますから。関係した一人ひとりが、きちんと自分の対応を説明していくことに尽きると思います。
----
旧安倍派(清和政策研究会)の会計責任者が立件された際の不記載額は約13.5億円に上り、二階派(志帥会)では約3.8億円
----
2025年8月には、萩生田光一氏の政策秘書が約1900万円の不記載で略式起訴され、罰金30万円、公民権停止3年の略式命令を受けている。
検察審査会が「起訴相当」と議決したことで、一度は起訴猶予とされた判断が覆された形である。萩生田氏本人の不記載総額は5年間で2728万円に達し、党内で3番目に多い金額であった。
今回の問題で明らかになったのは「キックバック不記載」と「中抜き不記載」という二つの手法
国政レベルのみならず地方議会にも波及している事実が明らかになっている。
2025年1月、東京地検特捜部は都議会自民党の会計担当者を政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で略式起訴した。パーティー券販売で都議1人あたり50枚、金額にして100万円分の販売ノルマがあり、それを超えて100枚目までは全額を、101枚以上については半額を会派に納めずに手元に残す「中抜き」が組織的に行われていたという。不記載総額は約3500万円に上り、東京簡易裁判所は会計担当者に罰金100万円、公民権停止3年の略式命令を出している。
2024年に行われた二度にわたる政治資金規正法の改正についても検討が必要である。
2024-6月に成立した改正法では、パーティー券購入者の公開基準が「20万円超」から「5万円超」に引き下げられた。また政治家本人に「確認書」の作成を義務付けられることになった。しかし、この時点では「政策活動費」について領収書の公開が10年後という極めて長い猶予が設けられたままであり、第三者機関の設置も検討事項に留まっていた。
2024年12月の臨時国会では政治改革関連3法が成立した。最大の成果は、使途公開義務のなかった政策活動費が例外なく廃止されたことである。また、国会に「政治資金監視委員会」を設置し、収支報告書に虚偽の記載や記載漏れの訂正を求める権限を与えることも決まった。収支報告書のデータベース化やオンラインでの閲覧・検索機能の整備も明記された。
企業・団体献金の禁止は見送られたままだ(賛成していたはずの維新が態度を保留していることも大きく影響している)。対案として存在していた政治資金の受け入れ先の限定すら政局の中で見送られている。
政治資金監視委員会の具体的な体制や権限の詳細、運用や委員はこれから決められるが、もともと26年の通常国会で法案成立が見込まれていた。これが政局のなかで曖昧になってしまい、27年1月1日に間に合わせられるのか危ぶまれるところである。
衆参の政倫審に出席して弁明した議員の大半は「記憶にない」「承知していない」という答弁に終始して、真相解明に寄与しなかった。73人に対して全会一致で審査が議決されたにもかかわらず、出席を拒否したまま24年の通常国会が閉幕した
