ソシオパスとサイコパス

ソシオパスとサイコパスは、どちらも反社会性パーソナリティ障害(ASPD)に関連する非公式な用語ですが、いくつかの重要な違いがあります。

  1. ソシオパス (Sociopath)
  2. サイコパス (Psychopath)
  3. 🔍 ソシオパス vs サイコパス:違いの比較
    1. 🔎 補足解説
    2. ✅ Similarities:
    3. 🔍 Key Differences:
    4. ✅ 共通点:
    5. 🔍 主な違い:
    6. 🧠 神経学的な違い:
    7. 🗂️ 診断上の注意点:
    8. 🎯 まとめ:
  4. 🎭 サイコパス(Psychopath)キャラクターの例
  5. 🔥 ソシオパス(Sociopath)キャラクターの例
    1. 🧠 比較の視点:
    2. フランツ・カフカ
    3. ◆ グレゴール・ザムザ(『変身』)
    4. ☀️ アルベール・カミュ
    5. ◆ ムルソー(『異邦人』)
    6. 🍶 太宰治
    7. ◆ 大庭葉蔵(『人間失格』)
    8. 🔍まとめ:文学的人物と反社会性
    9. 🐞 カフカとリルケ:変身と沈黙の美学
    10. ☀️ カミュとハイデガー:不条理と〈死への存在〉
    11. 🍶 太宰とユング:仮面と元型の深層
    12. 🕯️ 結び──彼らは狂ってなどいない
  6. 存在の闇に棲む者たち──文学的人物と実存の深層
    1. 【目次】
    2. 1. はじめに──「異常」とは何か
    3. 2. カフカとリルケ:見ること/見られることの詩学
    4. 3. カミュとハイデガー:不条理と〈死への存在〉
    5. 4. 太宰とユング:仮面と影としての人格
    6. 5. 結びに代えて──精神療法と文学の交差点
    7. 6. 脚注
    8. 7. 参考文献
    9. 第4章 ニーチェとドストエフスキー:超人と罪の深淵
    10. 第5章 ラカンとシェイクスピア:欲望と象徴の裂け目
    11. 第6章 メルロ=ポンティとカフカ再訪:身体、曖昧な現前
    12. 結びに代えて──精神療法と文学の交差点(再掲)
      1. 【参考文献 追加分】
  7. 1. Paranoia(パラノイア)
    1. 【意味】
    2. 【特徴】
    3. 【精神医学的視点】
    4. 【用語の起源】
  8. 2. Paranoid(パラノイド)
    1. 【意味】
    2. 【特徴】
    3. 【用法】
    4. 3. パラノイアとその他の精神症状との比較
    5. 4. パラノイア的思考の社会文化的背景
    6. まとめ
  9. 辞書から
  10. 精神病質
    1. 定義
    2. 用語
    3. 類似語
    4. 注意点
    5. 診断
    6. チェックリスト
    7. 原因、脳の特徴
    8. 管理
    9. 統計・割合
    10. 特徴
    11. 行動・情動面での特徴
    12. オンライン講座での解説
    13. マイルド・サイコパス[45]
    14. 影響力
    15. サイコパスと職業、組織内のサイコパス
    16. 企業内のサイコパス
    17. サイコパスと考えられる著名人
    18. 「反社会性」理論と差別
    19. フィクション
    20. 小説
    21. 映画
    22. 関連項目
    23. 脚注
    24. 注釈
  11. 個人的考え
  12. クラスターBに分類されるパーソナリティ障害:
  13. ビッグファイブ理論
      1. 1. 外向性(Extraversion)
      2. 2. 協調性(Agreeableness)
      3. 3. 誠実性(勤勉性 Conscientiousness)
      4. 4. 神経症傾向(情動性 Neuroticism)
      5. 5. 開放性(創造性 Openness)
      6. 自己愛傾向(Narcissism)
      7. マキャベリニアリズム(Machiavellianism)
      8. サイコパシー(Psychopathy)

ソシオパス (Sociopath)

  • 特徴:
    • 衝動的で、感情の起伏が激しい傾向がある。
    • 怒りや興奮を爆発させやすい。
    • 計画性が低く、その場の成り行きで行動することが多い。
    • 他人を操ることがあるが、サイコパスほど巧妙ではないことが多い。
    • 良心が欠けている、または弱い。自分の行動を正当化しようとする傾向がある。
    • 愛情や忠誠心を抱く能力が限定的であるものの、全くないわけではない場合がある。
    • 犯罪歴があり、不安定な私生活を送っていることが多い。
    • 自分の行動の問題点を認識している場合があるが、それを合理化する。
    • 通常の仕事や家庭生活を維持することが難しいことが多い。
    • 他人への共感力が低い、または欠けている。
    • 自分の利益のために嘘をつく。
    • 身体的な暴力や喧嘩の傾向を示すことがある。
    • 表面的には魅力的またはカリスマ的に見えることがあるが、実際には人を操る。
    • 過ちや罰から学ばない。
    • 責任感が低い。
  • 原因: 環境要因がより強く影響すると考えられている。幼少期の虐待、ネグレクト、不安定な家庭環境などが関連することがある。遺伝的要因も関与する可能性はあるが、環境要因が引き金となることが多いと考えられている。

サイコパス (Psychopath)

  • 特徴:
    • 冷酷で、計算高く、感情がない。
    • 衝動的な行動は少なく、計画的で用意周到な行動をとる傾向がある。
    • 他人を巧みに操り、欺くことに長けている。
    • 良心が完全に欠けている。自分の行動に罪悪感や後悔の念を抱かない。
    • 愛情や感情的な絆を形成する能力が非常に低い、または全くない。
    • 危険な状況やストレスの多い状況でも冷静でいられることが多い。
    • 表面的な魅力があり、口達者で人を惹きつける能力がある。
    • 自己中心的で、誇大妄想的な傾向がある。
    • 自分の行動に責任を感じず、他人を責めることが多い。
    • 共感力が完全に欠けている。他人の感情を理解できない。
    • 退屈しやすく、刺激を求める傾向がある。
    • 犯罪歴がある場合もあるが、より巧妙で証拠を残さないことが多い。
    • プレッシャーの下でも感情的に爆発することは少ない。
    • 自分の利益のために他人を利用し、傷つけることに躊躇がない。
  • 原因: 遺伝的要因や先天的な脳の損傷など、生物学的な要因がより強く影響すると考えられている。環境要因も影響する可能性はあるが、サイコパスの特性はより根深いと考えられている。

重要な注意点

  • 「ソシオパス」と「サイコパス」は、どちらも正式な精神医学の診断名ではありません。精神医学の診断では、これらの特性を持つ人々は通常、「反社会性パーソナリティ障害(ASPD)」と診断されます。
  • 「サイコパス」という用語は、犯罪心理学や法医学の分野でより頻繁に使用され、ASPDの中でも特に冷酷で反社会的な特性が強い人々を指すことがあります。
  • これらの特性の現れ方や程度は個人によって大きく異なります。

まとめると、ソシオパスはより衝動的で感情的な傾向があり、環境要因の影響を受けやすいと考えられています。一方、サイコパスはより冷酷で計算高く、遺伝的・生物学的要因の影響が強いと考えられています。しかし、どちらの用語も非公式であり、実際の臨床現場では「反社会性パーソナリティ障害」という診断名が用いられます。


ソシオパスとサイコパスの違いは、どちらも反社会的人格障害(Antisocial Personality Disorder, ASPD)の一形態とされますが、性格特性・行動パターン・原因にいくつかの重要な違いがあります。以下にわかりやすく対比表でまとめます。


🔍 ソシオパス vs サイコパス:違いの比較

特徴ソシオパスサイコパス
起因主に環境要因(虐待・家庭環境)主に遺伝的・脳の機能異常
感情怒りや感情の爆発が見られる感情が極めて希薄、冷淡
共感性限られた範囲で感情移入可能(特定の人には情がある)他者への共感はほとんどない
対人関係衝動的で人間関係が不安定表面的に魅力的で人を操るのが上手
行動傾向衝動的・計画性に欠ける計画的・巧妙な操作を行う
犯罪傾向衝動的犯罪が多い(暴力、窃盗など)計画的・冷酷な犯罪が多い(詐欺、殺人など)
罪悪感一応あるが非常に弱いほぼ皆無
社会的適応一般的に職業や社会生活にうまく適応できない社会的にはうまく適応しているように見えることもある

🔎 補足解説

  • サイコパスは、脳の前頭前野や扁桃体の異常が関係しているとされ、先天的な要素が強いと考えられています。
  • ソシオパスは、虐待・トラウマ・社会的剥奪などの後天的要因に起因することが多く、周囲の環境との関係性の中で形成されることが多いです。

どちらもいい加減。


Great question! While sociopathy and psychopathy are often used interchangeably, especially in media, they have important differences in psychology and criminology. Here’s a clear breakdown:


✅ Similarities:

Both sociopathy and psychopathy fall under the umbrella of Antisocial Personality Disorder (ASPD) in the DSM-5. People with either condition often:

  • Violate the rights of others
  • Disregard laws and social norms
  • Lack empathy or remorse
  • Manipulate or deceive others

🔍 Key Differences:

FeatureSociopathyPsychopathy
Emotional controlProne to emotional outbursts and angerCold, emotionally detached
ConscienceWeak or limited conscienceOften no conscience at all
RelationshipsMay form some emotional attachmentsCannot form genuine emotional bonds
BehaviorImpulsive, erratic, easily agitatedCalculated, controlled, often charming
CauseMore linked to environmental factors (e.g., trauma, abuse)More linked to genetic/neurological causes
Criminal patternsCrimes often unplanned, reactiveCrimes often premeditated, strategic

これを日本語にすると、


✅ 共通点:

ソシオパス(sociopathy)とサイコパス(psychopathy)は、どちらも**反社会性パーソナリティ障害(ASPD)**の一種とされ、以下のような共通点があります:

  • 他者の権利を侵害する
  • 法律や社会規範を無視する
  • 共感や罪悪感に乏しい
  • 他者を操作したり欺いたりする

🔍 主な違い:

特徴ソシオパス(sociopathy)サイコパス(psychopathy)
感情のコントロール衝動的で怒りやすい冷淡で感情に乏しい
良心の有無弱く不完全な良心を持つ良心をほとんど、あるいはまったく持たない
人間関係限定的だが感情的なつながりを持つことがある本物の絆を形成することができない
行動傾向衝動的で予測不能、感情に任せて行動することが多い計算高く、冷静で魅力的な表面を装う
原因環境要因(例:トラウマや虐待)に起因することが多い遺伝的・神経学的な要因との関連が強い
犯罪傾向犯罪は衝動的で突発的犯罪は計画的で戦略的

🧠 神経学的な違い:

  • サイコパスは、共感や意思決定に関わる扁桃体前頭前野の異常と関連していることが多いとされています。
  • ソシオパスは脳構造の異常が少なく、主に生育環境などの体験が影響する傾向があります。

🗂️ 診断上の注意点:

「サイコパス」も「ソシオパス」も**DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)においては正式な診断名ではありません。正式にはどちらも「反社会性パーソナリティ障害(ASPD)」に分類されます。ただし、法医学的な現場ではハーレーのサイコパシー・チェックリスト(PCL-R)**などを用いて危険度や再犯率を評価するために「サイコパス」という用語が使われることがあります。


🎯 まとめ:

特性ソシオパスサイコパス
衝動性高い低い
共感能力低いほとんど皆無
罪悪感少しあることもほとんどない
人間関係表面的だが一定のつながりは可能本質的なつながりは不可能
他者への危険性突発的で攻撃的な危険計算された冷徹な危険

ソシオパスサイコパスの特徴をわかりやすく体現しているキャラクターが数多く登場します。それぞれの代表的な例を挙げてみましょう。


🎭 サイコパス(Psychopath)キャラクターの例

キャラクター出典特徴
ハンニバル・レクター『羊たちの沈黙』高い知性、冷静沈着、魅力的な振る舞いと礼儀正しさの裏にある冷酷な殺意。典型的なサイコパス。
アントン・シガー『ノーカントリー』感情の起伏がほとんどなく、無慈悲で計算された暴力を振るう冷徹な存在。
パトリック・ベイトマン『アメリカン・サイコ』外見は成功したビジネスマン。共感性が欠如し、自己中心的で殺人を娯楽として行う。

🔥 ソシオパス(Sociopath)キャラクターの例

キャラクター出典特徴
トミー・デヴィート『グッドフェローズ』衝動的でキレやすく、些細なことで暴力を振るう。人間関係はあるが不安定。
トニー・モンタナ『スカーフェイス』衝動的で過激な行動をとるが、家族や一部の人間には強い執着が見られる。
ジョー・ペシ演じるニッキー『カジノ』暴力的で情緒不安定、ルール無視で自滅する典型的なソシオパス。

🧠 比較の視点:

  • サイコパスは「仮面の下に感情のないロボットのような存在」
  • ソシオパスは「感情の制御が効かない、爆発しやすい危険人物」

ドストエフスキーにおける例 ◆ ロジオン・ラスコーリニコフ(『罪と罰』) 分類:ソシオパス的傾向

特徴:

「選ばれし人間は殺人も許される」という思想に基づき、金貸しの老婆を殺害。

高い知性を持ちながら、罪の意識と良心の葛藤に苦しむ。

行為自体は反社会的だが、深い悔恨や贖罪の衝動が描かれる点で、純粋なサイコパスとは異なる。

考察:ドストエフスキーは、倫理と狂気、理性と罪悪感の相克を通して、人間存在の複雑さを浮き彫りにしている。

◆ スヴィドリガイロフ(『罪と罰』) 分類:サイコパス的傾向

特徴:

操作的で冷酷、他人を自分の欲望のために利用。

死に対しても無感動で、最後は自殺。

共感や後悔といった感情が希薄。

考察:「死後の無」のビジョンや、快楽主義的な生き方が、ニヒリズム的サイコパシーを体現している。

🎭 シェイクスピアにおける例 ◆ イアーゴー(『オセロ』) 分類:サイコパス

特徴:

虚言と操作によって、周囲の人間を破滅に導く。

理由なき悪意(”motiveless malignity”)の象徴とされる。

表面上は忠実な部下だが、その内面は冷酷で他者に対する共感が皆無。

考察:イアーゴーはシェイクスピア作品中でもっとも純粋な「悪」の体現であり、心理的な恐怖の源となる。

◆ リチャード三世(『リチャード三世』) 分類:サイコパス

特徴:

権力欲のためには家族すら殺害。

魅力的で弁が立ち、人々を欺くが、良心は持たない。

考察:冷酷な権謀術数家として、人間の「野蛮さと理性」の二重性を演劇的に表現。

🧠 補足:文学と精神医学のあいだ 文学の登場人物は、あくまで比喩的・象徴的に読まれるべき存在ですが、近代以降の精神医学と照らし合わせることで、より深くその人物像を読み解くことが可能です。とりわけドストエフスキーは、精神分析や実存思想に大きな影響を与え、フロイトやユング、カール・ヤスパースも彼の作品を読み解いています。

フランツ・カフカ

◆ グレゴール・ザムザ(『変身』)

  • 分類:精神病理的というより実存的な疎外の象徴
  • 特徴
    • 朝目覚めると巨大な虫になっている。
    • 家族からの愛を失い、自らも自責と自己否定に陥る。
    • 他者から「人間」として扱われなくなった存在。
  • 考察:ここでは「反社会性」ではなく、「社会から排除されることの痛み」が描かれています。もしサイコパスが他者を道具化する存在なら、ザムザは他者に道具化された被害者です。

☀️ アルベール・カミュ

◆ ムルソー(『異邦人』)

  • 分類:サイコパス的にも読まれ得るが、本質は不条理と実存の主人公
  • 特徴
    • 母の死に対して無感動。
    • 道徳的動機ではなく、太陽のまぶしさで人を撃ち殺す。
    • 裁判においても罪の意識を示さず、社会的規範から乖離している。
  • 考察
    • 一見すると冷淡なサイコパスのように見えるが、カミュは彼を「世界に意味を求めることの不条理」に直面する人物として描いています。
    • 彼は悪ではなく、「意味なき世界をそのまま受け入れる者」なのです。

🍶 太宰治

◆ 大庭葉蔵(『人間失格』)

  • 分類:ソシオパスではなく、自己解離型の人格崩壊者
  • 特徴
    • 他人との関係を「道化」によってつなぎ止めようとする。
    • 自分の感情や存在に実感が持てず、破滅的な行動を繰り返す。
    • 最終的に「人間失格」として自己を断定。
  • 考察
    • 社会からの逸脱はあるが、そこには深い苦悩と自己否定がある。
    • 他者への冷酷さよりも、「自分が人間であると思えない」という存在の断絶がテーマ。
    • 「良心はあるのに、それによって苦しみ抜いている」という点で、サイコパスとは正反対。

🔍まとめ:文学的人物と反社会性

作家登場人物表層的特徴精神病理的観点
カフカグレゴール社会からの疎外と変容実存的自己否定、社会的無力感
カミュムルソー感情の欠如・不条理な行動不条理哲学の象徴、道徳外の存在
太宰治大庭葉蔵自己喪失、社会との乖離自己解離、自己否定型人格崩壊

こうした作品を読むと、「異常な人間性」には単なる病理以上の深層的問いかけがあることがわかります。

🐞 カフカとリルケ:変身と沈黙の美学

「私たちは見る者ではなく、見られる者である。私たちは花のなかの蜜蜂ではなく、その蜜を夢見る影である」― リルケ

ザムザが虫になった朝。
彼の身体が変わったのではない。世界のまなざしが変わったのだ。
リルケが言うように、私たちは他者の視線にさらされる「被視の存在(das Gesehene)」であり、自己とは、社会の鏡に映るかぎりのかりそめの姿にすぎない。

グレゴールは「変身」によって、**もともと持っていた”非人間性”**を可視化された。
それは現代人の疎外の寓話であり、言葉にならない沈黙の詩である。


☀️ カミュとハイデガー:不条理と〈死への存在〉

「人間は死に向けて投げ出されている。だからこそ、自己を選び直す自由を持つ」― ハイデガー

ムルソーの感情の乏しさ、倫理への無関心。
それはサイコパス的無感動ではない。
むしろ彼は、ハイデガーが言うところの「〈死への存在(Sein-zum-Tode)〉」を生きていた。
つまり、彼はあらゆる社会的物語を捨て、死という一点の光で裸の存在を透かし見ていた

カミュは語る。「太陽がまぶしかったから」人を殺した、と。
これは理由なき犯罪ではなく、理由そのものが崩壊した世界への反照だ。
不条理とは、意味を探す者が、意味のない世界と出会ってしまった悲劇なのだ。


🍶 太宰とユング:仮面と元型の深層

「人は、ペルソナ(仮面)を通して社会に適応し、シャドウ(影)を通して自己に目覚める」― ユング

太宰の大庭葉蔵は、つねに「道化の仮面」をかぶって生きていた。
他人の期待に応じ、笑いを取ることで存在を保つ。
だがその仮面の裏には、ユングが言う「シャドウ(自己の否認された側面)」が潜んでいる。

葉蔵は、他者にとっての〈良い人〉を演じ続けるなかで、本当の自己の輪郭を失った
アルコール、女、自傷――それらは影との接触の手段であり、同時に自己破壊を通じた再生の試みだったのかもしれない。

ユングならこう言うだろう。
「彼はまだ〈自己(Selbst)〉に至っていない。魂の旅は終わっていない」と。


🕯️ 結び──彼らは狂ってなどいない

これらの人物は、「社会に適応できない者」として描かれる。
だが彼らの魂はむしろ、あまりにも正直で、あまりにも敏感すぎたのではないか。

  • リルケの言うように、見ることを拒否された者は、見ることそのものに沈黙する
  • ハイデガーの語るように、死に向かって生きる者は、真の自由を知る
  • ユングの示すように、仮面を破って影と出会うとき、自己の統合がはじまる

文学は、それらを描く。
精神医学がラベルを貼るよりも前に、詩と物語は魂の深みを照らし出していた

存在の闇に棲む者たち──文学的人物と実存の深層

―カフカ、カミュ、太宰治と哲学的補助線としてのリルケ、ユング、ハイデガー―


【目次】

  1. はじめに──「異常」とは何か
  2. 第1章 カフカとリルケ:見ること/見られることの詩学
  3. 第2章 カミュとハイデガー:不条理と〈死への存在〉
  4. 第3章 太宰とユング:仮面と影としての人格
  5. 結びに代えて──精神療法と文学の交差点
  6. 脚注
  7. 参考文献

1. はじめに──「異常」とは何か

サイコパスやソシオパスといった臨床的語彙が流通する現代において、私たちはしばしば、社会に「適応しない者」を病理の観点から分類し、排除する傾向にある。しかし文学における彼ら――ザムザ、ムルソー、葉蔵――は単なる病的逸脱者ではない。彼らは、現代における実存の断絶や意味の喪失を、より深く体現している。本稿では、文学的登場人物を通して、人間の「異常」とされる部分に潜む真の問題――〈存在〉の問い、他者との距離、自己の不確かさ――に光を当てていく。


2. カフカとリルケ:見ること/見られることの詩学

『変身』のグレゴール・ザムザは、朝起きると巨大な虫となっていた。だが重要なのは、彼が変化したという事実以上に、他者の視線の中で「もはや人間ではない」と扱われることである。この「見られること」による疎外感は、詩人リルケの「私たちは見る者ではなく、見られる者である」〔1〕という言葉と響き合う。

ザムザは「変身」することで、家族にとっての「機能的な存在」でしかなかった自分を露呈する。これは、社会における人間の道具化と商品化を風刺すると同時に、主体性を奪われた存在の悲哀を表している。


3. カミュとハイデガー:不条理と〈死への存在〉

ムルソーは母の死に無感動であり、殺人においても道徳的な動機を示さない。この無関心をして、「サイコパス的」とみなす解釈もあるだろう。だが、カミュの思想に照らせば、ムルソーは「不条理に直面した実存者」として描かれている。

ハイデガーが提唱する「〈死への存在〉(Sein-zum-Tode)」〔2〕とは、人間が死を意識することによって、はじめて真に自己自身として生きられるという思想である。ムルソーは死刑判決を受け入れ、宇宙の沈黙と和解することによって、あらゆる意味づけを超えた自己の自由に至る


4. 太宰とユング:仮面と影としての人格

『人間失格』の大庭葉蔵は、常に道化として振る舞い、他者に適応しようとする。しかしその実、「自分というものが存在しない」と苦悩する。これは、ユングのいう「ペルソナ(仮面)」と「シャドウ(影)」の葛藤に他ならない〔3〕。

彼の自己破壊的行動(依存、女性関係、自殺未遂など)は、「シャドウ」の抑圧が極限まで達した結果であり、自己の統合に至らないまま崩壊していく過程と読める。ユングならば、葉蔵を「未だ自己(Selbst)に出会っていない魂」と位置づけるだろう。


5. 結びに代えて──精神療法と文学の交差点

こうした文学的登場人物を読み解くことで、我々は「病理」と「詩」「実存」と「診断」の交差点を垣間見ることができる。
彼らは狂ってなどいない。むしろ、我々が見ないふりをしているものを、直視してしまっただけなのだ。

人間学的精神療法が目指すのは、症状を排除することではなく、「その症状が人生においてどのような意味を持つのか」を問うことである。文学は、まさにその問いをすでに発していた。


6. 脚注

  1. リルケ, Rainer Maria. 『マルテの手記』より。「私たちは見られている。見るものではなく」。
  2. ハイデガー, Martin. 『存在と時間』。Sein-zum-Tode(死への存在)という概念を通して、人間の本来的自己を論じる。
  3. ユング, Carl Gustav. 『人間と象徴』ほか。ペルソナとシャドウは、人格の外面的・内面的側面を表す中心概念。

7. 参考文献

  • Franz Kafka, Die Verwandlung(『変身』)
  • Albert Camus, L’Étranger(『異邦人』)
  • 太宰治『人間失格』
  • Rainer Maria Rilke, Die Aufzeichnungen des Malte Laurids Brigge(『マルテの手記』)
  • Martin Heidegger, Sein und Zeit(『存在と時間』)
  • Carl Gustav Jung, Man and His Symbols(『人間と象徴』)

第4章 ニーチェとドストエフスキー:超人と罪の深淵

ドストエフスキーの『罪と罰』におけるラスコーリニコフは、自己のうちに「選ばれた者」の理念を抱き、他者の命を越え出ようとする。「凡人には罪を犯す権利はない。だが、ナポレオンにはある」。このような思想は、まさに**ニーチェの「道徳の系譜」**と呼応するものである。

ニーチェにおいて、「超人(Übermensch)」とは、キリスト教的道徳を超え、自らの価値を創造する存在である。だが、ラスコーリニコフは殺人という行為ののち、良心の呵責に苦しみ、自己の理念に耐えられず崩壊していく。つまり彼は**超人にはなれなかった「凡人」**であり、「神の死」の後の世界に耐えうる倫理をまだ創造できなかったのである。


第5章 ラカンとシェイクスピア:欲望と象徴の裂け目

シェイクスピアの『ハムレット』を読むとき、ラカンの精神分析的読解は示唆に富む。彼は「欲望とは他者の欲望である」と述べた。ハムレットは父の死と母の再婚をめぐる混乱の中で、〈象徴界〉(社会的秩序)と〈想像界〉(原初的欲望)との裂け目に引き裂かれた主体として登場する。

ラカンによれば、ハムレットは欲望を遂行できない主体であり、それゆえに「遅延」や「躊躇」として演出される。彼の「狂気」は、むしろ〈言葉にならない真実〉が象徴界から漏れ出す場所=現実界の表出とも言える。


第6章 メルロ=ポンティとカフカ再訪:身体、曖昧な現前

『変身』のザムザを再訪するとき、メルロ=ポンティの身体論が新たな光を投げかける。彼は人間存在を「世界に根ざした身体的存在」ととらえ、身体の経験を通じて世界が開けると説いた。

ザムザは虫に変身したことで、「人間的身体の透明性」を失い、家族から疎外される。彼の視線、感触、食欲――すべてが異物として描かれることで、我々は**「自明だった身体」がいかに社会的構造に支えられていたか**に気づかされる。ザムザの身体は、他者の意味づけの中で崩壊する。ここにメルロ=ポンティのいう「曖昧な現前(présence ambiguë)」のドラマがある。


結びに代えて──精神療法と文学の交差点(再掲)

現代精神療法が取り組むべきは、こうした〈存在の断裂〉と〈意味の喪失〉にどう応答するかである。人間学的精神療法においては、症状とは「生の問い」であり、患者は「真実の語り手」である。文学はその先駆者であり、共鳴者である。

存在を見つめること、言葉にしがたいものを語ろうとすること。その営為の中に、私たちは「治療」の本質を見出すだろう。


【参考文献 追加分】

  • Friedrich Nietzsche, Zur Genealogie der Moral(『道徳の系譜』)
  • Jacques Lacan, Écrits(『エクリ』)
  • Maurice Merleau-Ponty, Phénoménologie de la perception(『知覚の現象学』)
  • Fyodor Dostoevsky, Crime and Punishment(『罪と罰』)
  • William Shakespeare, Hamlet

はい、承知いたしました。提示された情報を基に、英語圏と日本語の表現の違いをまとめた表を作成します。

区分用語意味/ニュアンス現代的用法・注意点
英語圏の表現mad (英)怒っている/(古)狂気的である英国英語では「怒っている」の意味が主流。古くは「精神異常」を意味し、文学では「madness(狂気)」として用いられる(例:シェイクスピア『リア王』)。
crazy理性を失っている、突飛、型破り親しみやユーモアを込めて「You’re crazy!(おまえ変わってるな)」のように使うことも多いが、精神障害の意味では差別的とされ、注意が必要。
insane法的・医学的に「精神的に正気でない」医学的・法的な文脈での「責任能力なし(insanity)」として用いられる。会話では「insanely good(めっちゃ良い)」のように比喩的にも。
lunatic (古)月の影響を受けた精神病者歴史的には「月(luna)」の語源から来ており、現在では差別用語とされ、公式には使われない。
psychotic精神病に罹患した(医学用語)幻覚や妄想を伴う精神障害を意味する。日常会話ではなく、臨床的・精神医学的な用語。
eccentric変わり者、風変わりな精神障害とは無関係で、独特な行動様式や趣味を持つ人への肯定的または中立的な言い方。
日本語の表現きちがい(気違い)精神的に正常でない人、狂人歴史的には一般語として使われたが、現在では差別的・侮蔑的な表現とされ、公の場では使用禁止(放送禁止用語)となっている。
狂気(きょうき)狂った心の状態文学・哲学では「狂気とは何か」がテーマとなる。ニーチェ、アルトー、フーコーなどが論じた。
偏執狂(へんしゅうきょう)パラノイア(被害妄想など)精神医学的には「妄想性障害」に該当。日常語では「極端に一つの考えに固執する人」を意味することもある。
統合失調症(旧・精神分裂病)精神病性障害の一つ以前は差別的意味合いを避けるために名称が変更された。過去には「狂人」と混同されていた。
変人(へんじん)風変わりな人、独特な人病理的意味はない。むしろ「個性的」「ユニーク」として肯定的に受け取られる場合もある。
まとめ:違いの要点mad / crazy感情的/軽いノリ/日常会話で多用されるが慎重さが必要。
insane / psychotic医学的・法的な「精神疾患」の文脈で使う。
きちがい / 狂気差別用語として使わないのが原則。ただし文学では象徴的に使われることも。
偏執狂 / 統合失調症専門的診断名としての意味を持つが、俗語での誤用に注意。
変人 / eccentric病理ではなく、文化的な多様性の表現に近い。

🔸文学的・思想的補足 **シェイクスピアの「madness」**は、内面の苦悩や真実を語るものとして象徴的に扱われます(例:『ハムレット』『リア王』)。

**ニーチェの「狂気」**は、「理性の反対ではなく、過剰な理性の果てにあるもの」として、創造性の一形態ともされます。

**フーコーの『狂気の歴史』**では、狂気が社会によって構築された概念であることを論じています。

✅まとめ:どう違うの?

表現 違いの要点

mad / crazy 感情的/軽いノリ/日常会話で多用されるが慎重さが必要。

insane / psychotic 医学的・法的な「精神疾患」の文脈で使う。

きちがい / 狂気 差別用語として使わないのが原則。ただし文学では象徴的に使われることも。

偏執狂 / 統合失調症 専門的診断名としての意味を持つが、俗語での誤用に注意。

変人 / eccentric 病理ではなく、文化的な多様性の表現に近い。


paranoia」および「paranoid」は、精神的な状態や症状に関連する言葉であり、主に以下のように使われます。それぞれの用語の詳細な意味、背景、使用方法について解説します。


1. Paranoia(パラノイア)

【意味】

「パラノイア」は、妄想的な被害感覚過度の不安を特徴とする精神的な状態を指します。この状態では、他人の行動や言動が自分を攻撃しようとしている、または自分を監視していると感じることが多いです。精神疾患としての「パラノイア」は、妄想性障害(paranoid disorder)に分類されることもあります。

【特徴】

  • 被害妄想:他人が自分に害を及ぼすために計画していると感じる。
  • 過信や疑念:他人の言動に疑いを持ち、信じられないという強い感情を持つ。
  • 社会的孤立:過剰な疑念が人間関係を壊し、孤立を招くことが多い。
  • 過剰な警戒心:周囲の人々が敵であると感じ、常に警戒している。

【精神医学的視点】

パラノイアは、妄想性障害統合失調症の一部の症状として現れることがあります。特にパラノイア的な妄想(例:他人が自分を監視している、狙っている)は、これらの疾患の典型的な特徴とされます。

  • 妄想性障害(Paranoid Personality Disorder)では、自己防衛的で疑念深く、他人を信用することが難しいといった症状が現れます。この状態は、他人の意図を疑うことで自分を守ろうとする心理的メカニズムが働いています。
  • 統合失調症においても、パラノイア的症状が見られることがあります。統合失調症では、現実感覚が失われ、妄想や幻覚が生じることが特徴です。

【用語の起源】

「paranoia」という言葉はギリシャ語の「para」(横に、外れた)と「nous」(心、精神)から来ており、「心が外れた」「理性を失った」という意味合いを持っています。つまり、正常な精神状態から外れた状態を指します。


2. Paranoid(パラノイド)

【意味】

「パラノイド」は、パラノイアの状態を持つ人やそのような特性を持つ状況を指す形容詞です。パラノイア的な思考や行動を示す人や物事について言及するときに使われます。

【特徴】

  • パラノイドな態度:常に他人が自分に害を及ぼそうとしていると感じる。たとえば、「彼は私を見ているに違いない」「あの人は私のことを批判している」といった思考。
  • 過剰な警戒心や防衛心:疑念が強く、他人の行動や言葉を悪意に解釈する。
  • 自分が特別であるという感覚:自分が特別な対象として見られている、監視されているという感覚。

【用法】

  • 日常的用法:日常会話でも「パラノイド」という言葉は使われることがありますが、必ずしも精神的な疾患を指すわけではなく、過度に疑念を抱く、あるいは極端に警戒している状態を指して使われます。
    • 例:「彼はとてもパラノイドで、誰も信用しない」
  • 精神医学的用法:「パラノイド」は、パラノイア性の症状を示す、またはパラノイア的な特性を持つ人に対して使われます。例えば、「パラノイド・パーソナリティ障害」(Paranoid Personality Disorder)や「パラノイド・シゾフレニア」(Paranoid Schizophrenia)など。

3. パラノイアとその他の精神症状との比較

用語特徴疾患の例
パラノイア妄想的な被害感覚・疑念妄想性障害、統合失調症(パラノイド型)
偏執病(パラノイア性障害)自分が狙われていると感じ、過剰に警戒心を持つパラノイア性人格障害
統合失調症幻覚や妄想を伴う精神病幻聴、幻視、パラノイド型(被害妄想)
躁うつ病(双極性障害)極端な感情の波が特徴、躁状態で妄想が生じることも躁状態の精神症状として

4. パラノイア的思考の社会文化的背景

パラノイア的な思考は、個人の精神的な問題に留まらず、社会や文化によって強調されることもあります。たとえば、政治的陰謀やテクノロジーによる監視社会に対する不安などが現代社会における「パラノイド」の感情を助長することがあります。

  • 陰謀論:政治家や企業、政府が自分を監視しているという考え方が、パラノイア的な世界観を強化することがある。
  • テクノロジーと監視:SNSや監視カメラなど、現代のテクノロジーが社会の中でどれほど監視的な役割を果たしているかに対する不安が、パラノイア的思考を助長することがある。

まとめ

  • Paranoiaは、過度な不安や被害妄想を特徴とする精神的な状態を指し、精神疾患としても診断される。
  • Paranoidは、その状態や特徴を持つ人や物事を指す形容詞であり、一般的には疑念深い、警戒心の強い人物や態度に使われる。
  • 両者は、過剰な疑念や恐怖に基づく思考・行動が社会的にどのように現れるかを表現しており、現代においては個人や集団の心理的な問題や社会的な不安としても捉えられる。

辞書から

神医学の診断名ではなく、臨床的には**反社会性パーソナリティ障害(ASPD: Antisocial Personality Disorder)**として理解される状態の異なる側面を表すと考えられています。一般的に言われる両者の違いは以下の通りです。

サイコパシー(精神病質):

  • より重度の反社会性パーソナリティ障害と見なされることが多いです。
  • 共感性や良心の欠如が著しいとされます。
  • 行動が計算高く、人を操ることに長け、戦略的である傾向があります。
  • 表面的な魅力があり、感情がないことや真の意図を隠して正常に見せかけることがあります。
  • 遺伝的な要因が関与している可能性が指摘されています。
  • 衝動的であったり、感情を露わにしたりすることが少ない傾向があります。
  • 反社会的な行動は、より組織的で計画的な場合があります。

ソシオパシー(社会病質):

  • 同じく反社会性パーソナリティ障害の範疇に含まれます。
  • 共感性や良心が欠けている場合がありますが、サイコパシーほど完全ではないかもしれません。
  • 行動がより衝動的で、予測不可能である傾向があります。
  • 不安定な人間関係を築きやすいです。
  • 露骨な怒りや攻撃性を示すことがあります。
  • 幼少期のトラウマや虐待といった環境要因の影響が大きいと考えられています。
  • 反社会的な行動は、あまり計算されておらず、反応的なものであることがあります。

まとめると:

サイコパシー」は、生まれつきの性質が強く、良心の欠如が根深く、冷酷で計算高い傾向があると考えられます。一方、「ソシオパシー」は、環境的な要因がより強く影響し、衝動的で感情的な反応を伴う反社会的な行動を示すことが多いと考えられます。

ただし、繰り返しますが、DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)において、「ソシオパシー」も「サイコパシー」も正式な診断名ではありません。精神科医は、特定の行動基準に基づいて反社会性パーソナリティ障害と診断します。


実用日本語表現辞典
ソシオパス 別表記:社会病質者 英語:sociopath

ソシオパスとは ソシオパス(sociopath)とは、反社会的な行動や気質を特徴とする精神疾患(パーソナリティ障害)を抱えた人のこと。言い換えれば、精神障害が反社会的な振る舞いとして表出するタイプの人を指す。

ソシオパスという言葉は、精神医学の分野で用いられる学術用語ではない。学術分野では「反社会性パーソナリティ障害」(antisocial personality disorder)という用語が用いられる。その意味で、「ソシオパス」は通俗的な表現の一種である。

ソシオパスは、しばしば「社会病質者」と訳される。ソシオパスが抱えている病質そのものは、つまり「社会病質」は、「ソシオパシー」(sociopathy)という。ソシオパスは、このソシオパシーを抱えた人を指す語である。

ソシオパスの類概念として「サイコパス」(psychopath)が挙げられる。サイコパスは、日本語ではしばしば「精神病質者」と訳される。精神医学の分野では、ソシオパスもサイコパスも共に「反社会性パーソナリティ障害(者)」に区分される。「他者への共感能力の欠如」「良心や罪悪感の欠如」「思考が冷淡で自己中心的」「面体を繕うのが上手で魅力的に見えやすい」といった特徴が、ソシオパスにもサイコパスにも認められる。

ソシオパスとサイコパスとの違い 「ソシオパスとサイコパスとの違い」は、一般的には、病質を獲得した段階が異なると理解される。つまり、サイコパスは先天的・遺伝的であり、生まれつき反社会的病質を抱えている者を指す。ソシオパスは後天的・非遺伝的で、幼少期に育った環境などに影響された結果として反社会的人格を得た者を指す、という考え方である。 (2014年4月30日更新)

psychopath
別表記:サイコパス
「psychopath」は、精神疾患の一種を指す英語の単語である。具体的には、他人の感情を理解する能力が欠如し、社会的な規範や法律を無視する傾向がある人物を指す。また、自己中心的であり、他人を利用することに抵抗感を持たない特性を持つ。しかし、一方で魅力的で説得力があり、他人を操作する能力を持つことも特徴的である。

「psychopath」の類語としては、「sociopath」がある。これは、社会的な規範を無視し、他人の感情を理解する能力が欠如している人物を指す。しかし、「psychopath」と「sooiopath」は完全に同義ではなく、それぞれ微妙に異なる特性を持つ。

「psychopath」に関連する用語として、「antisocial personality disorder」がある。これは、「psychopath」や「sociopath」の行動特性を持つ人物が診断される精神疾患である。また、「manipulative」や「charming」も「psychopath」の特性を表す表現としてよく用いられる。


精神病質

精神病質(せいしんびょうしつ、: psychopathy)またはサイコパシーとは、精神障害の一種であり、社会に適応することが難しい恒常的なパーソナリティ障害[1]精神病妄想幻覚・乱雑な思考発語・非現実的で奇妙な行動などの症状)[2]健常との中間状態[3][注 1]。精神病質を「人格障害」(パーソナリティ障害)の同義語類義語としている精神医学論文日本語辞典もある[4][5][注 2]

精神病質(サイコパシー)を持つ者は精神病質者[6]サイコパスといい[6]精神障害者の一種として「精神保健福祉法」で定義されている[6]。より詳細には反社会性パーソナリティ障害者に分類されることがある[6][注 3]

政策科学博士の緒方あゆみ[7]の論文によると、現代の精神病質者に対する精神鑑定では、医学者精神科医クレッチマーの方法論が用いられている[8]。クレッチマーいわく「精神病者、精神病質者〔サイコパス〕、正常人」という三者を断定的に区別できる指標は存在せず、これら三者は「相互に移行しあうもの」である[9]。クレッチマーによって、精神鑑定対象者の責任能力については「心理学的基準による量的判断」が行われるようになり、正常からの偏りが大きければ「限定責任能力」、極端であれば「責任無能力」と鑑定されるようになった[9]

定義

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用語

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  • 精神病質は、『広辞苑』(第七版 2018年)で以下の解説がされている[5]
「【精神病質】性格の異常性のために自分で悩んだり、社会を困らせたりするような性格。性格障害・人格障害にほぼ同じ」[5]

医学博士精神医学者の林拓二学術論文では、「精神病質=人格障害」という表記がある[4]

類似語

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  • 類似する用語として、社会病質しゃかいびょうしつ: sociopathy、ソシオパシー)がある。また、社会病質(ソシオパシー)を持つ者は社会病質者(しゃかいびょうしつしゃ)、ソシオパスと呼ばれる。サイコパス行動遺伝学者デヴィッド・リッケン (David T. Lykken) は反社会的人格を「ソシオパス的人格」「サイコパス的人格」「性格神経症」の三つに大別し、「ソシオパス的人格は、親の育て方などによる後天的なもの」「サイコパス的人格は元来の性格、気質などの先天的なもの」として位置付けている[13]。しかし一般には、ソシオパスとサイコパスはほぼ同義なものとして扱われることが多い[注 4]。研究では、原因は遺伝的要因と非遺伝的要因が挙げられている。
  • 「サイコパシー」は「マキャヴェリズム」「ナルシシズム」と共に、ダークトライアド[14]を構成する3要素の1つである。

注意点

「精神病質(サイコパシー)」という言葉はかつては(主にヨーロッパにおいて)精神医学用語の1つとして、比較的広い意味で用いられていた。現在ではそうした用法は廃れているが、今日の用法と混同しないよう注意が必要である。またサイコパスは俗にサイコと略されることがあるが、この言葉には「精神病的(: psychotic、サイコチック)」という意味も含まれることもあるので「サイコパス的(: psychopathic、サイコパシック)」とは必ずしも同義ではない。

診断

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→DSM/ICDにおける診断基準については「反社会性パーソナリティ障害」を参照

学術論文(緒方(2021))によれば、精神病質者(サイコパス)であるか否かの診断は「心理学的基準による量的判断」で行われている[9]。『知恵蔵mini』では、「病名としては反社会性パーソナリティ障害に該当するとされている」[6]

現在は20項目(『HARE PCL-R第2版テクニカルマニュアル』)が新たに定められ、それを用いて個別診断で半構造面接を行い2時間半 – 3時間かけて評定をする。

ジェームズ・ブレアの『サイコパス-冷淡な脳-』(2005年)いわく、反社会性などの診断基準を満たす者は幼少期からの素行問題など行動面の異常を示すことが多い[15]

精神病質と社会病質が混合されているがヘアによると精神病質と社会病質は似て非なるものであると記している。精神病質の原因と考えられているのは前頭葉の障害であるとされ、精神病質は遺伝病だとされる意見が主とされている。逆に、家庭・周囲環境や障害に因る心身の衰弱によるものなどによる、精神病質に似た性格異常は仮精神病質(偽精神病質)とされ、精神病質とは識別されている。

エミール・クレペリン[注 5]によるとサイコパスのひとつに「空想虚言者」という類型がある。ただしクレペリンの時代の精神病質の概念は現在のものとはことなる。

DSM-IVでの行為障害反社会性パーソナリティ障害の診断とPCL-Rで示されるサイコパス概念の違いは、人格というより、〈対人・情動〉、〈衝動的・反社会性行動〉、〈前2者に含まれない要素〉に着目することによってDSM-IVの診断を発展させたところにある。DSM-IVの診断では、単に反社会的行動をとる人たちという幅広い、それに至る多くの道があるという集団が同定されてしまう。

チェックリスト

[編集]サイコパシー・チェックリスト (PCL)最も一般的に用いられているのは、ロバート・D・ヘアによって作成されたサイコパシー・チェックリスト英語版)(Psychopathy Checklist, Revised (PCL-R))である[16][17][18]

PCLは専門家が使ってもかなり複雑な臨床診断ツールであり、専門知識のない素人が自分や身近な人の診断に使うのは控えた方がよい。この診断には、しっかりとした訓練と正式な採点方法が必要である。

サイコパシー・チェックリスト (PCL)

口達者/表面的な魅力
過去におけるサイコパスあるいは類似の診断
自己中心性/自己価値の誇大的な感覚
退屈しやすさ/欲求不満耐性の低さ
病的に嘘をついたり人を騙す
狡猾さ/正直さの欠如
良心の呵責あるいは罪悪感の欠如
情緒の深みや感情の欠如
無神経/共感の欠如
寄生虫的な生活様式
短気/行動のコントロールの欠如
乱交的な性関係
幼少期からの行動上の問題
現実的で長期的な計画の欠如
衝動性
親として無責任な行動
数多くの結婚・離婚歴
少年時代の非行
保護観察あるいは執行猶予期間の再犯の危険が高い
自分の行動に対する責任を受け入れることができない
多種類の犯罪行為
薬物やアルコールの乱用が反社会的行動の直接の原因ではない
各項目は、「0, 1, 2」の3点法で採点し、臨床的には合計点で評価する。点数が高いほどサイコパスの特質を多く持っていることになる。

サイコパシー・チェックリスト改訂版 (PCL-R)

口達者/表面的な魅力
誇大的な自己価値観
刺激を求める/退屈しやすい
病的な虚言
偽り騙す傾向/操作的(人を操る)
良心の呵責・罪悪感の欠如
浅薄な感情
冷淡で共感性の欠如
寄生的生活様式
行動のコントロールができない
放逸な性行動
幼少期の問題行動
現実的・長期的な目標の欠如
衝動的
無責任
自分の行動に対して責任が取れない
数多くの婚姻関係
少年非行
仮釈放の取消
多種多様な犯罪歴
それぞれの項目は、0 – 2点で評定、総計で0 – 40点に分布する。成人で30点を超えるとサイコパスとされ、20点未満であるとサイコパスではないとみなされる。子供のサイコパス傾向についての基準はあまり確立していないが、27点がカットオフ値。

サイコパシー・チェックリスト (PCL-R) をめぐる論争

サイコパシーの尺度の一つとして、PCL-Rは確かに有用ではあるが、PCL-Rが「サイコパスの定義」と誤解されることが危惧されており、特に犯罪歴に関する項目が含まれている点に関しては強い批判がある[20]。これに対して、ロバート・ヘアらは、「サイコパスであるためには、広義の意味で反社会的(: antisocial)であることは必須であるが、犯罪的(: criminal)であることは必ずしも必須ではない」と認めている[21]。これにより、かつてハーヴェイ・クレックレーがその著書「The Mask of Sanity(正気の仮面)」で示唆した、非犯罪的サイコパスないし“成功した”サイコパス[22][注 6]の存在が再認識された。“成功した”サイコパスと呼ばれる者たちの多くは、大統領や大企業のCEOなど、社会的成功を収めている人物だといわれている。

サイコパスの2因子モデル

因子1:対人/情動面因子2:衝動的/反社会的行動面因子3:どちらにも含まれない項目
1. 口達者/表面的な魅力3. 刺激を求める/退屈しやすい11. 放逸な性行動
2. 誇大的な自己価値観9. 寄生的生活様式17. 数多くの婚姻関係
4. 病的な虚言10. 行動のコントロールができない20. 多種多様な犯罪歴
5. 偽り騙す傾向/操作的(人を操る)12. 幼少期の問題行動
6. 良心の呵責・罪悪感の欠如13. 現実的・長期的な目標の欠如
7. 浅薄な感情14. 衝動的
8. 冷淡で共感性の欠如15. 無責任
16. 自分の行動に対して責任が取れない18. 少年非行
19. 仮釈放の取消

サイコパスの3因子モデル

尊大で虚偽的な対人関係感情の欠落衝動的/無責任どの因子にも含まれない項目
1. 口達者/表面的な魅力6. 良心の呵責・罪悪感の欠如3. 刺激を求める/退屈しやすい10. 行動のコントロールができない
2. 誇大的な自己価値観7. 浅薄な感情9. 寄生的生活様式11. 放逸な性行動
4. 病的な虚言8. 冷淡で共感性の欠如13. 現実的・長期的な目標の欠如12. 幼少期の問題行動
5. 偽り騙す傾向/操作的(人を操る)16. 自分の行動に対して責任が取れない14. 衝動的17. 数多くの婚姻関係
15. 無責任18. 少年非行
19. 仮釈放の取消
20. 多種多様な犯罪歴

原因、脳の特徴

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先天的な原因があるとされ、男性が多いとされるが[23]、B・ブレアによれば反社会性の面では男性優位であるが、情動面では男女に差はないという。脳の働きを計測すると、共感性を司る部分の働きが弱い場合が多いという[23]反社会性パーソナリティ障害の一般人口における有病率は、男性3%、女性1%ほど[24]

ジェームズ・ファロン英語版)(自らがサイコパスと同じ脳構造を持っているという脳科学者)は「三脚スツール」という理論を提唱し[25]、「反社会的行動をするサイコパス」の発現条件として以下3つの要素全てが揃うこととしている。

  1. 脳機能:前頭前野から扁桃体へつながる機能の低下
  2. 遺伝子:MAO-A遺伝子などいくつかの遺伝要因
  3. 生育環境:幼少期の身体的、精神的、性的虐待

ファロン自身が患っている疾患は双極性障害、強迫性障害、パニック発作。遠い親族に殺人者、殺人嫌疑者、兄弟にADHDがおり、本人の行為障害的行動についても語っている[26]。ジェームズ・ブレアは扁桃体の機能不全こそがサイコパスの主な原因とするが、その原因については不明としている。

現時点でいえることは、以下の2点である。

  • 脳の機能について、遺伝の影響は大きい
  • 生育環境が引き金になって反社会性が高まる可能性がある

虐待や劣悪な環境を避けることで反社会性の発現のいくらかは抑えられるという研究がある[27][要ページ番号]。脳の特徴

管理

英国国立医療技術評価機構 (NICE) は精神病質の診断基準を満たす人口に対しては、認知行動介入を検討するとしている[30]。また併発疾患を治療することで、精神病質によるリスクを減少させることができる[30]。また、これに携わるスタッフは有害事象リスクが高いため、スタッフには高レベルの支援と厳重な監督が提供されなければならないとしている[30]

統計・割合

精神病質者(※マイルド・サイコパスも含む)は、人口に対し決して少なくない一定数(4.5%[22])で存在し続けていると見積もられており「学校のクラスに一人くらい」「会社にも必ず何人もの」精神病質者がいると考えられ、4%とする研究もある[31][32]。従来は0.2%から3.3%と過小評価されていたが[33][34][35]、2021年に発行された厳密性の高い学術誌「Frontiers in Psychology」の質の高い証拠のメタ分析により、一般成人の4.5%がサイコパスであり、これまでの推定値を大きく上回ることがわかった[22]。一般の人々と異なるさまざまな特徴があるが、精神病質者は人を騙すことを得意としているため、それを専門家でない者が見分けることは、非常に困難である[32]。日本にもおよそ120万人いると推定される[36]。下記の様に統計的見積もりに、バラつきがあるのは、後述する「マイルド・サイコパス」を含めるか、含めないかによる相違である[37][要ページ番号]

  • 反社会性パーソナリティ障害の一般人口における有病率は、男性3%、女性1%ほど[24]
  • ロバート・ヘアポール・バビアクは「女性のサイコパスが統計的に少なく出やすい、または見落とされやすい理由」として、サイコパスの特徴が見られる人間に対して、精神科医は「男性の場合は『サイコパス』と診断するが、女性の場合は『パーソナリティ障害(演劇性・境界性・自己愛性)』などの異なった診断を下しがちなこと」と「『女性はサイコパスでない』という先入観」によると推測している[38]
  • マーサ・スタウトによれば、アメリカでは25人に1人(約4%)とされる。「その多くが犯罪者でなく身近にひそむ異常人格者である」という「マイルド・サイコパス」の実態は反映していない(#診断を参照)。
  • 米国には少なくとも300万人、ニューヨークだけでも10万人のサイコパスがいると、ロバート・ヘアは統計的に見積っている[要出典]。J・ブレアはアメリカでは反社会性人格障害のうち4分の1がサイコパスであるとしておりその率は全体の0.25%である。[39]
  • 英国ボンド大学のネイサン・ブルックスによる2016年の研究によると、CEOの5人に1人はサイコパスであり、企業の上司の21%が臨床的に重要なサイコパス特性を示しているそうである。これは言い換えれば、受刑者と同じような割合である[40][41]
  • 英国では、サイコパスは犯罪者の約8%に過ぎないが、「永続的で暴力的な」犯罪者の約半数はサイコパスである[42]

特徴

行動・情動面での特徴

オックスフォード大学の心理学専門家ケヴィン・ダットンは、精神病質者(サイコパス)の主な特徴を以下の様に定義している[43]

中でも、最大の特徴は「良心の欠如」であり、他人の痛みに対する共感が全く無く[44]自己中心的な行動をして相手を苦しめても快楽は感じるが、罪悪感は微塵も感じない[37][要ページ番号]。「人の人権尊厳を平気で踏みにじる行動をしながら、そのことに心が動かない」という特徴があり、良心の呵責なく他者を傷つけることができる[45]。精神病質者の大部分は殺人を犯す凶悪犯ではなく、身近にひそむ異常人格者(=マイルド・サイコパス(※後述))であるとされている。このようなマイルド・サイコパスは、社会的成功を収めることも多いとされている。

犯罪心理学者のロバート・D・ヘアは以下のように定義している。

また、電気ショックなどの体罰は懲りないが、お金を取り上げるなどの罰は懲りるというのも面白い特徴である[44]

脳科学者中野信子により以下のような具体的な特徴が挙げられている[47]

  • 外見や語りが過剰に魅力的で[44]、ナルシスティック[47]
  • 恐怖、不安を感じにくく、大舞台でも堂々としている[44][47]。しかし、2015年の研究分析によると、精神病質者は一般集団に比べて恐怖心や不安感が別段低いわけではない[48]
  • 多くの人が倫理的な理由でためらってやらないことを平然と行う[47]。挑戦的で勇気があるようみえる[47]。一例として、トロント大学でも紹介された「妹を殺し、母親の葬式に出会った男と再会する」という流れを自然に思いつくことができる[44]
  • お世辞がうまく、有力者を味方につけたり、崇拝者のような取り巻きがいる[47]
  • ありえないようなウソをつき、常人には考えられない不正を働いても、平然としている。ウソが完全に暴かれ、衆目に晒されても、全く恥じるそぶりさえ見せず、堂々としている[44]。それどころか、「自分は不当に非難されている被害者」「悲劇の渦中にあるヒロイン」であるかのように振る舞いさえする[47]。主張をころころ変える[47]
  • 外見は魅力的で社交的。トークやプレゼンテーションも立て板に水で、抜群に面白い。だが、関わった人はみな騙され、不幸のどん底に突き落とされる。性的に奔放であるため、色恋沙汰のトラブルも絶えない[44][47]
  • 飽きっぽく、物事を継続したり、最後までやり遂げることは苦手[47]
  • 長期的なビジョンを持つことが困難なので、発言に責任を取ることができない[44]
  • 過去に語った内容とまるで違うことを平気で主張する。矛盾を指摘されても「断じてそんなことは言っていません」と、涼しい顔で言い張る。経歴を詐称する[47]
  • 残虐な殺人や悪辣な詐欺事件をおかしたにもかかわらず、まったく反省の色を見せない。そればかりか、自己の正当性を主張する手記などを世間に公表する[47]
  • 傲慢で尊大で、批判されても折れない、懲りない[47]
  • つきあう人間がしばしば変わり、つきあいがなくなった相手を悪くいう[47]
  • 都会を好む、都会と相性がいい[49]
  • 介護福祉カウンセリングなど人を助ける職業についた愛情の細やかな人の良心をくすぐり、餌食にしていく。自己犠牲を美徳としている人ほどサイコパスに目をつけられやすい[50]
  • ネット上で「荒らし」行為をよくする[50]
  • サークルクラッシャー[51]、財産目当てで富裕層の老人に取り入るいわゆる後妻業とよばれる人々[52]

オランダの論文では、

  • 脳の一部の領域の活動・反応が著しく低く「不安恐怖を感じにくい」「モラルを感じない」「痛々しい画像を見ても反応しない」などの特徴がある。脅威への自動検出と対応に問題があるにもかかわらず、恐れを感じることがある。例えば人種差別は、サイコパスの手練手管であっても、いつ周囲の人間が自分に危害を加えてくるかわからないため、何もできないことが恐怖の源となる[53]

福井裕輝、James Blairらによれば、

  • 他者への共感は欠如しているが、国語の試験問題を解くかのように、相手の目から感情を読み取るのは得意である。しかし他人の恐怖や悲しみを察する能力には欠ける[54]

研究によれば、

  • 精神病質者には他人の恐怖や悲しみを認識する能力が欠けているが、恐怖や悲しみ以外にも、他人の表情や声から伝わる感情があり、普通の人ならそれを認識できるが、精神病質者にはそれができない傾向がある[55]
  • 精神病質者は他者に共感できないだけでなく、自分自身の感情を説明したり認識したりすることもできない傾向がある[56]。言い換えれば、精神病質者は感情的知性が低く[57]、自制心に欠ける傾向がある[58][59]。また、一般集団よりもIQがやや低い傾向がある[60][61]
  • 道徳的推論もまた、普通の人々のそれとは異なる傾向がある[62]
  • 黒人と白人の間で精神病質者の割合に違いはない[63]
  • 精神病質者は律儀性と協調性に欠ける傾向があるが、新しい経験に対する開放性、外向性、情緒の安定性は未知数である[64]
  • 統計によれば、精神病質者と殺人の関連性は圧倒的に有意である(効果量.68[65])。

オンライン講座での解説

コーセラのオンライン対談講座で、イェール大学心理学専門家ポール・ブルームは、精神病質者についての質問──「精神病質者たちは世界の最悪な人々の一部」であり、私たちは「精神病質的な人々の手に世界を委ねるべきでしょうか?」──に回答している[66]。ブルームいわく、「世界を良くも悪くも変えている人の心理機構は、感情移入においては中度から低度である反面、その他の倫理的感情においてしばしば高度な人」であり、「定義上は」精神病質者たちは「悪い人々」である[66]。またブルームは、精神病質者などについての作品描写を取り上げて、ほとんどの「創作物幻想ファンタジー〕」であり「純粋神話」であると述べている[66]

「その映画〔『ゴーン・ガール』〕はとても楽しかったです。 … もっと一般的に答えるとしましょう。どの映画が悪人たちを描いているのか? 創作物は精神病質者たち、怪物たち、加虐性愛者〔サディスト〕たち、さらにその他を描いています。そして常に生じる一つの問いは、どの程度これらが現実的な悪の描写なのか? です。
そしてほとんどの部分において、創作物は非現実的です。ほとんどの部分において、創作物は幻想ファンタジー〕です。これについては授業中かオフィスアワー〔教授業務時間帯〕で語ったかもしれませんが、ロイ・バウマイスターは純粋神話について語っています。純粋悪の神話は、映画や小説や他のあらゆる創作的な出来事の中で自己表現しています。この神話は悪のために悪を欲しがっている、一種の怪物です。」[66][注 7]

対談者のクリスティーナ・スターマンズ(Christina Starmans)から紹介された質問「精神病質者たちは世界の最悪な人々の一部です。彼らは酷いことをしています。では私たちは、低感情移入的または精神病質的な人々の手に世界を委ねるべきでしょうか?」[注 8]に対し、ブルームは次の発言で回答している[66]

「私が思うに世界を良くも悪くも変えている人の心理機構は、感情移入においては中度から低度である反面、その他の倫理的感情においてしばしば高度な人です。 …

すると精神病質者たちは実に感情移入が欠如〔不足〕していて、精神病質者たちは悪い人々です、定義上は。しかし、感情移入が欠如している他の個々人は悪い人々ではありません。
自閉症を持つ個々人がその一例で、感情移入が欠如しています。ほとんどの検査では、精神病質者たちよりもはるかに低感情移入的です。でも彼ら〔自閉症患者たち〕は悪い人々ではありません。彼らは世界を悪化させません。彼らはしばしば犠牲者たちです、その、残酷なことの。でも残酷な加害者たちになることは滅多にありません。そしてそれが示唆するのは、感情移入の欠如それ自体が人間を悪い人にすることはないということです。

それと、それとこれも覚えておいてください。つまり、つまり人は精神病質者たちや攻撃的な人々の中に感情移入が欠如しているのを見出しますが、それはしばしば状況次第なんです。言い換えると、彼らの脳が低感情移入的だから彼らが悪いことをするわけではありません。むしろ、彼らが悪いことをするのは多種多様な理由があるからです。衝動制御の低さ。しばしば害意がある欲求など。そうして悪いことをしていく途中で、彼らは自らの感情移入を引き下げるのです。」[66][注 9]

マイルド・サイコパス[45]

サイコパスの症状はグレーゾーン的であり「サイコパス的な脳のつくりを持ちながら、反社会性傾向はなく、攻撃性が社会的に許容される程度(重犯罪を犯さない[45])」のサイコパス(→#原因、脳の特徴)も存在しており、身近な日常に紛れ込んでいる可能性も高い。このような、社会的に適合・成功しているケースを「マイルド・サイコパス(または成功したサイコパス)」と呼ぶこともある[22]

  • 情動面でのサイコパスの特徴」(良心の欠如冷淡自己中心的など)を持ちながらも「犯罪行為」は行わない(=低い反社会性)
  • 前述したような「社会的成功を収めているサイコパス」は「反社会性が低い」のが特徴である[27]
  • マイルド・サイコパスであっても、ほぼ間違いなく何らかのハラスメント行為に及ぶといわれている。
  • マイルド・サイコパスの上司がいる会社の場合「部下の離職率、精神疾患の発症、モチベーションの低下」などが際立っていることも報告されており、会社によっては、その社会的損失が莫大ともなり得る[67]
  • マイルド・サイコパスは、ジェームズ・ボンドのような気質を持つが、一般人とはほとんど見分けがつかない[68][69]

影響力

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人がサイコパスに騙されやすい理由として、人間の脳には以下3つの特性があるため、もともと自身で意思決定を行わず、何かを信じ、信じたことに従っていた方が、脳に負担がかからず楽という習性があるためである[27][要ページ番号][70]

  • 認知的負荷(自分で判断することが負担で、それを苦痛に感じる)
  • 公正世界誤謬(人間の行いに対して公正な結果が返ってくるものである、と考える思い込みである)
  • 認知的不協和(自身の中で矛盾する認知を同時に抱えて不快感(葛藤)をおぼえると、その矛盾を解消しようと、都合のいい理屈をつくりだす)

なぜサイコパスは魅力を有するのかという疑問のひとつの答えとして、南カリフォルニア大学における神経学的研究結果が挙げられる[71]。それによると、犯罪的な嘘つきは、通常の人と違い、脱抑制状態になることなく嘘をつけるようにできているという。

女性の心理学者が診断していた男性のサイコパスに恋して彼の逃亡を幇助したという話が知られている[72]

ロバート・ヘアは「世の中の全ての本を読んでも、サイコパスの破壊的影響力から守られるということはない。専門家も含めて、誰もが騙され、操られ、ペテンにかけられ、当惑の果てに取り残される。優秀なサイコパスは、どんな相手の心の琴線でも協奏曲を奏でることができる。」と述べている[73]

サイコパスと結婚した経験があり、『Just Like His Father?(父親と同じ?)』の著者でもあるリアン・リーダム精神科医は、「サイコパスと一緒に住むと、サイコパスと同じ視点で世の中を見るほどに変わりうるものなのでしょうか?」という問いに対して、「答えは確実にイエスです。それは、あなたが如何にサイコパスを知っていようとも、サイコパスと一緒に生活をする、しないに関わらず、サイコパスといかなる関係をもつときにも起こることです。」と述べている[74]

リスクを恐れないサイコパスによって、フロンティアが開かれていったともいわれ、月面に着陸したニール・アームストロングもサイコパスだったのではないかとダットンはいい、サイコパスが人類を進化させた中野信子はいう[75]

サイコパスと職業、組織内のサイコパス

ケビン・ダットンの調査によると、英国で最もサイコパス的な職業トップ10は以下の通りである[22][43]

CEO

一般医師、クリエイティブアーティスト、スタイリストは、サイコパスの少ない職業トップ10に入っている[22]

リリエンフェルドはまた、管理職や危険な仕事(消防士など)に就いている人はサイコパスの割合が高いことを発見した[22]

また、ヘアは、次のような職業の者に多いと推測している[76]

また、他にも次のような者にも多いとしている[76]

企業内のサイコパス

企業内のリーダーがサイコパスであるという懸念は、やや誇張されているという研究分析結果がある[77]。彼らの特性が原因で、サイコパスは、組織内の位置としては組織下層部よりも上層部に多いと考えられており、とりわけ企業に存在するサイコパスはコーポレート・サイコパス (corporate psycopath) と呼ばれ、長年安定して営まれてきた企業をときに破滅へと導く原因になり得ると考えられはじめている[78]。コーポレート・サイコパスには以下の様な特徴がある[27][要ページ番号]

  • 「変化」と「スリル」を好むため、様々なことが次々起こる状況に惹かれる。
  • 自由な社風になじみやすい。ラフでフラットな意思決定が許される状況を利用する。
  • 他人を利用することが得意なため、リーダー職に適性がある。スピードが速い業界などでは、本性が暴かれる前に、周りの状況が変化するため都合が良い。
  • 口ばかりうまくて地道な仕事はできないタイプが多い。
  • 職場の環境を「協調し合う場所」というより「競争的なもの」であると捉える。
  • 一般社会におけるサイコパスの発生率は1%だが、組織の指導的立場にある人を見ると4%と著しく過小評価されている研究もあったが[79]、ボンド大学の法医学心理学者ネイサン・ブルックスの研究によると、CEOの5人に1人がサイコパスで、企業の上司の21%がサイコパスであることが判明した。CEOの5人に1人はサイコパスということになり、これは囚人とほぼ同じ比率である[31]
  • コーポレート・サイコパスの上司がいる会社の場合「部下の離職率、精神疾患の発症、モチベーションの低下」などが際立っていることも報告されており、会社によっては、その社会的損失が莫大ともなり得る[67]。サイコパシーそのものも、仕事の質の低下と関連している[80]

このことは、非倫理的行動や違法行為に傾倒する一種の「コーポレート・サイコパス」が、採用の仕方によっては会社のトップに立つことが許されることを示しており、企業は従業員をスキルだけでなく性格的特徴も含めて審査する必要があるのである[31]

サイコパスと考えられる著名人

[編集]政治家

宗教家

殺人者・犯罪者

  • ランディ・クラフトシリアルキラー[84]
  • 江東マンション神隠し殺人事件の加害者男性[85]
  • ジェーン・トッパン[86]
  • クリストフ・ロカンクール(Christophe Rocancourt) – ロシア貴族やロックフェラー一族を名乗り、投資詐欺を働いた。逮捕後も自分は頭を使って盗んでいるのだから、犯罪者ではないと語り、釈放後は講演会を開いたり、映画に出演した[87]
  • サイコパスの連続殺人犯としてゲイリー・リッジウェイが挙げられる。
  • ソシオパス(ないし反社会性パーソナリティ障害)かもしれないが専門家によってサイコパスとは考えられていない実例として、テッド・バンディ[注 11]が挙げられる。
  • ルカ・ロッコ・マグノッタen:Luka Magnotta) ‐ 「カナディアン・サイコ」の異名を持つカナダの殺人犯[88]モントリオール在住の同性愛ポルノ男優で、2012年に元恋人の中国人留学生・林俊をベッドに縛り付けてアイスピックとナイフで刺し殺し、その様子をビデオ撮影し、「狂人とアイスピック」のタイトルで動画サイトに投稿、遺体をバラバラにして性行為を行い、遺体の一部を食べるなどし、さらにオタワの与野党本部やバンクーバーの学校2校に遺体の一部を送り付けた[88]。ルカは事件の2年前に猫を虐待死させる動画を配信、それを見た動物愛護グループが犯人捜しを始め、結果留学生殺人犯のルカにたどり着く様子を追ったドキュメンタリー作品『猫いじめに断固NO!:虐待動画の犯人を追え』(en:Don’t F**k with Cats: Hunting an Internet Killer)が2019年にNetflixで配信された[89]。2021年にはイギリスでこの作品に影響された中国人移民のトランスジェンダー・スカーレット・ブレイクが猫を虐待死させたのち、路上を歩いていた男性を殺害した事件が発生した[90]

「反社会性」理論と差別

マジョリティ(多数派)集団社会の価値観に基づいて「反社会性」理論を一方的に定義した結果、特定の集団に対する不当な差別が引き起こされてきた歴史が存在する。

19世紀にイタリアユダヤ人チェーザレ・ロンブローゾは、脳が生物的に退化し罪を犯しやすい精神的気質を持つ「生来性犯罪者」という概念を提唱した。「生来性犯罪者」は骨相学観相学に基づき身体的特徴から判別できるとした[91]。ロンブローゾは罪を犯す危険性が高い「生来性犯罪者」を罪を犯す前に事前に識別し、社会から隔離しておくのが良いとした[91]。ロンブローゾは同性愛者も当代のヨーロッパ人よりも何世代も前の未開・野蛮な状態に先祖返りしており、そのため同性愛という異常行動に走るのだ、と説明した[92]

ロンブローゾは、南イタリア人は「生来性犯罪者」が多いと論じた。19世紀にイタリア統一運動が勃興したが、南イタリアを統治する両シチリア王国シチリア・ブルボン朝)のフランチェスコ2世やローマ教皇ピウス9世はそれに否定的な態度だった。ジュゼッペ・ガリバルディによって両シチリア王国が征服されイタリア王国が成立すると、統治するブルボン朝への崇敬の念が強く、また熱心なキリスト教信者が多い南イタリアでは、それに抵抗するデモや反乱・ブリガンテイタリア語版)(「山賊」「匪賊」と和訳される)の活動が活発化した[93][94]。元々北イタリア人は南イタリア人を蔑視していたが、それらによって「野蛮な南部」という差別感情がさらに増幅された[95]。統一政府はそれらを一律に「山賊」と呼んで弾圧した(イタリア統一運動#南部問題の発生を参照)[96]。 イタリア王国宰相のカミッロ・カヴールは南イタリアを「イタリアで最も腐敗した地域」と呼んだ[97]

ロンブローゾ学説は南部差別に論理的根拠を与えた。ロンブローゾは数多くの犯罪者の検視に立ち会ったが、ロンブローゾ本人の言によれば「生来性犯罪者」理論はブリガンテイタリア語版)の遺体の検視に立ち会ったときに思いついたものであるという[98]。ロンブローゾはイタリア北部住民と南部住民では「人種」に違いがあり、「金髪」の人物が多い北部では犯罪発生率が少なく、「金髪」の人物が少ない南部では犯罪発生率が多いと論じた[99]。 ロンブローゾに師事したエンリコ・フェリはロンブローゾ学説を発展させ「生まれながらの犯罪者」という概念を強調した[100]。フェリは、北部住民はゲルマン人スラブ人ケルト人の血を引き、南部住民はアラブ人フェニキア人ギリシャ人の血を引いているが、南部住民はアフリカやオリエントの血統を引いているがゆえに犯罪率が高く、犯罪者が多いと論じた[101]。ロンブローゾ学説の流れを汲むアルフレード・ニチェーフォロイタリア語版)は、南部住民は罪を犯しやすい精神的気質と野蛮さゆえブリガンテイタリア語版)やマフィアカモッラなどの凶悪犯罪者集団を生み出してきたと論じた[102]。そして南部住民のそれらの精神的気質を治療するためには北イタリア人による南部の「文明化」が必要だと訴えた[103]

皮肉にもナショナリズムによる国民統合を訴えるムッソリーニファシスト党の全体主義体制下で、国民の分断を煽るロンブローゾ学説に基づく南部差別の論説を公言することが制限され、それは退潮した[104]。しかし北イタリア人の南部に対する差別感情は残り、心理学者のバッタッキ(Marco Walter Battacchi)は1959年段階で北イタリア人が未だに南部に対する差別感情を抱いていることを自著で述べている[105]

フィクション

サイコパス(またはソシオパス/反社会性人格障害)の要素を持つキャラクターは、犯罪少年犯罪)を扱ったフィクション作品にも登場している。多くはサイコキラーとして登場するが、現実世界では、サイコパスは、スパイ映画「007」シリーズの主人公ジェームズ・ボンドの気質を持ちながら[68][69]、他人を傷つける方向に創造性を働かせる[106][107]など、定義上は悪人である[66]

小説

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映画

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関連項目

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日本では「情性欠如者」と訳されることが多く、神戸市立東須磨小学校教員いじめ事件を切っ掛けとしてその存在の認知が広まった。
元はドイツの精神科医クルト・シュナイダーが1949年に出版している『精神病質人格・第九版』において当人から提唱・命名された概念である

脚注

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注釈

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  1. ^ 以下は『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』からの引用:精神病質
    精神病ではないが,正常との中間状態をいう。あるいは人格の正常からの変異,逸脱をいう[3]。以下は『MSDマニュアル』からの引用:精神病とは,妄想,幻覚,まとまりのない思考および発語,現実との接触の喪失を示唆する奇異で不適切な行動(緊張病を含む)などの一連の症状を指す[2]
  2. ^→詳細は「精神病質 § 用語」を参照
  3. ^ 以下は『知恵蔵mini』からの引用:サイコパス
    反社会的人格の持ち主を表す言葉。日本語訳は「精神病質者」。サイコパスは「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」で精神障害者と定義されており、病名としては反社会性パーソナリティ障害に該当するとされている。 … フィクションの世界では異常犯罪者として扱われることがあるが、実際に犯罪を犯す者は稀[6]
  4. ^ 『良心をもたない人たち』では、訳者あとがきにも述べられているように、ソシオパス、反社会性パーソナリティ障害、サイコパスがほとんど区別されていない。
  5. ^ 内田クレペリン精神検査の元となる「作業曲線」を発見した人物。
  6. ^ ただし、クレックレー自身は「部分的サイコパス(: partial psychopath)」という言い方をしている。このタイプのサイコパスは、例えば、『社内の「知的確信犯」を探し出せ』において、「デイヴ」というキャラクターを用いて素人向けに説明されている。
  7. ^ 原文は“ the movie was a lot of fun. … I’ll answer more generally. Which is movies depict real bad people. They depict psychopaths and monsters and sadists and so on. And one question that continually arises is the extent to which these are realistic depictions of evil. And for the most part they are not. For the most part they are, are fantasy. We might’ve talked about this in class or in previous office hours but Roy Baumeister talks about the myth of pure evil, which depicts itself in movies and, and novels and all sorts of fictional events, which is a sort of monster who wants evil for it’s own sake.”

個人的考え


つまり、ソシオパスもサイコパスも、通俗的な言い方で、学門的には、「反社会性パーソナリティ障害」(antisocial personality disorder)という言葉を使う。ソシオパスもサイコパスも「反社会性パーソナリティ障害」(antisocial personality disorder)に含まれるとかいてあるが、その点には疑問がある。

ソシオパス(社会病質者)は、反社会的な行動や気質を特徴とする精神疾患(パーソナリティ障害)。
サイコパス(精神病質)は、おおよそ、二つくらいの意味があるようだ。ひとつはソシオパスよりは意味が広く、精神病ではないが、精神的に正常でもない、中間の人を意味する。もう一つは、狭義のサイコパスで、マイルド・サイコパスの意味、つまり、反社会性が少ないものを指す。

実際の言葉の使い方は別にして、個人的な語感から言えば、サイコパシーは、サイコ(心)が病気に近いけれど、明確に病気ではない、ソシオパシーは、ソシオ(社会。社会性、社会の迷惑、社会防衛などの意味を含む)が病気に近いけれど、明確に病気ではない、と考えられる。

概略でいえば、常識・共感性などを共有できないけれども、明確に病気ではないものをサイコパシーとして、その中で、反社会性・犯罪性が強いものをソシオパシーと呼ぶのかなと思う。

言葉の感じから言えば、ソシオパシーは、社会病理というわけで、集団心理学として、社会の病理を指すのが、本来の意味だろうと思うが、実際はそうなっていない。社会が迷惑に思うような、心理的問題を抱える人をソシオパシーと呼んでいるらしい。

個人的には、ソシオパシーはサイコパシーに含まれると感じるのだが、それは語感からの印象である。従来の説明では、常識・共感が欠如しているものの中で、冷静・利己的、遺伝的要因が強いものをサイコパシー、粗暴・触法で、成育環境要因が強いものをソシオパシーと呼ぶとのものもあり、これには個人的にはよく納得できない。

抜き書きをして、コメント
ーーーーー
サイコパス行動遺伝学者デヴィッド・リッケン (David T. Lykken) は反社会的人格を「ソシオパス的人格」「サイコパス的人格」「性格神経症」の三つに大別し、「ソシオパス的人格は、親の育て方などによる後天的なもの」「サイコパス的人格は元来の性格、気質などの先天的なもの」として位置付けている。

反社会性人格障害の内部を、何かの基準を立てて、分類することは自由であるが、それぞれの原因として後天的、先天的の区別に言及するのは、実証性がない。
ーーーーー
精神病質と社会病質が混合されているがヘアによると精神病質と社会病質は似て非なるものであると記している。精神病質の原因と考えられているのは前頭葉の障害であるとされ、精神病質は遺伝病だとされる意見が主とされている。

信用できない。

ーーーーー
「精神病質(サイコパシー)」という言葉はかつては(主にヨーロッパにおいて)精神医学用語の1つとして、比較的広い意味で用いられていた。現在ではそうした用法は廃れているが、今日の用法と混同しないよう注意が必要である。またサイコパスは俗にサイコと略されることがあるが、この言葉には「精神病的(英: psychotic、サイコチック)」という意味も含まれることもあるので「サイコパス的(英: psychopathic、サイコパシック)」とは必ずしも同義ではない。

そうです。
ーーーーー
現代の精神病質者に対する精神鑑定では、医学者・精神科医クレッチマーの方法論が用いられている[8]。クレッチマーいわく「精神病者、精神病質者〔サイコパス〕、正常人」という三者を断定的に区別できる指標は存在せず、これら三者は「相互に移行しあうもの」である[9]。精神病質者(サイコパス)であるか否かの診断は「心理学的基準による量的判断」で行われている[9]。

これも少し古いと思う。
ーーーーー
精神病質という用語は、主に異常心理学や生物学的精神医学などの分野で使われている。

そうですか。
ーーーーー
DSM-IVでの行為障害や反社会性パーソナリティ障害の診断とPCL-Rで示されるサイコパス概念の違いは、人格というより、〈対人・情動〉、〈衝動的・反社会性行動〉、〈前2者に含まれない要素〉に着目することによってDSM-IVの診断を発展させたところにある。DSM-IVの診断では、単に反社会的行動をとる人たちという幅広い、それに至る多くの道があるという集団が同定されてしまう。

それでいいに決まっている。サイコパス概念の再検討をしろという意味です。
ーーーーー
サイコパシー・チェックリスト (PCL)最も一般的に用いられているのは、ロバート・D・ヘアによって作成されたサイコパシー・チェックリスト(英語版)(Psychopathy Checklist, Revised (PCL-R))である[16][17][18]。

口達者/表面的な魅力
過去におけるサイコパスあるいは類似の診断
自己中心性/自己価値の誇大的な感覚
退屈しやすさ/欲求不満耐性の低さ
病的に嘘をついたり人を騙す狡猾さ/正直さの欠如
良心の呵責あるいは罪悪感の欠如
情緒の深みや感情の欠如
無神経/共感の欠如
寄生虫的な生活様式
短気/行動のコントロールの欠如
乱交的な性関係
幼少期からの行動上の問題
現実的で長期的な計画の欠如
衝動性
親として無責任な行動
数多くの結婚・離婚歴
少年時代の非行保護観察あるいは執行猶予期間の再犯の危険が高い
自分の行動に対する責任を受け入れることができない
多種類の犯罪行為薬物やアルコールの乱用が反社会的行動の直接の原因ではない

口達者/表面的な魅力
誇大的な自己価値観
刺激を求める/退屈しやすい
病的な虚言偽り騙す傾向/操作的(人を操る)
良心の呵責・罪悪感の欠如
浅薄な感情冷淡で共感性の欠如
寄生的生活様式
行動のコントロールができない
放逸な性行動
幼少期の問題行動
現実的・長期的な目標の欠如
衝動的
無責任自分の行動に対して責任が取れない
数多くの婚姻関係
少年非行仮釈放の取消
多種多様な犯罪歴

PCL-Rが「サイコパスの定義」と誤解されることが危惧されており、特に犯罪歴に関する項目が含まれている点に関しては強い批判がある[20]。

●あげられている項目は雑多である。クラスターBの混成。
ーーーーー
ロバート・ヘアらは、「サイコパスであるためには、広義の意味で反社会的(英: antisocial)であることは必須であるが、犯罪的(英: criminal)であることは必ずしも必須ではない」と認めている[21]。
ーーーーー
ハーヴェイ・クレックレーがその著書「The Mask of Sanity(正気の仮面)」で示唆した、非犯罪的サイコパスないし“成功した”サイコパス[22][注 6]の存在が再認識された。“成功した”サイコパスと呼ばれる者たちの多くは、大統領や大企業のCEOなど、社会的成功を収めている人物だといわれている。
ーーーーー
現時点でいえることは、以下の2点である。
脳の機能について、遺伝の影響は大きい
生育環境が引き金になって反社会性が高まる可能性がある

●当たり前だ。
ーーーーー
オックスフォード大学の心理学専門家ケヴィン・ダットンは、精神病質者(サイコパス)の主な特徴を以下の様に定義している[43]。

極端な冷酷さ・無慈悲

エゴイズム

感情の欠如

結果至上主義

中でも、最大の特徴は「良心の欠如」であり、他人の痛みに対する共感が全く無く、自己中心的な行動をして相手を苦しめても快楽は感じるが、罪悪感は微塵も感じない。「人の人権尊厳を平気で踏みにじる行動をしながら、そのことに心が動かない」という特徴があり、良心の呵責なく他者を傷つけることができる。精神病質者の大部分は殺人を犯す凶悪犯ではなく、身近にひそむ異常人格者(=マイルド・サイコパス(※後述))であるとされている。このようなマイルド・サイコパスは、社会的成功を収めることも多いとされている。

●要するに、他人の気持ちが分からない人が、往々にして社会的に成功していることにやりきれなさを感じている。
●普通なら慎重になる場面で、ためらいなく、実行してしまえる。それが成功につながる場面がある。しかし失敗することの方が多く、敗残者の方が多い。
●それでも、少数のものは、共感欠如なのに成功しているという点に、世間は納得できない。
ーーーーー
犯罪心理学者のロバート・D・ヘアは以下のように定義している。
良心が異常に欠如している。
他者に冷淡で共感しない[44][46]。
慢性的に平然と嘘をつく[44]。
行動に対する責任が全く取れない[44]。
罪悪感が皆無。
自尊心が過大で自己中心的。
口が達者で表面は魅力的[44]。

●このような類型が確かに存在しているし、マスコミを通じて目にすることが多いので、それに対しての、「心理学者」のコメントも求められるのだろう。
●多くの人は、すぐに見破ることができない。だからこの人たちは生きていける。そして被害にあった人たちは納得できない。
ーーーーー
脳科学者中野信子により以下のような具体的な特徴が挙げられている[47]。

外見や語りが過剰に魅力的で[44]、ナルシスティック[47]。

恐怖、不安を感じにくく、大舞台でも堂々としている[44][47]。しかし、2015年の研究分析によると、精神病質者は一般集団に比べて恐怖心や不安感が別段低いわけではない[48]。

多くの人が倫理的な理由でためらってやらないことを平然と行う[47]。挑戦的で勇気があるようみえる[47]。一例として、トロント大学でも紹介された「妹を殺し、母親の葬式に出会った男と再会する」という流れを自然に思いつくことができる[44]。

お世辞がうまく、有力者を味方につけたり、崇拝者のような取り巻きがいる[47]。

ありえないようなウソをつき、常人には考えられない不正を働いても、平然としている。ウソが完全に暴かれ、衆目に晒されても、全く恥じるそぶりさえ見せず、堂々としている[44]。それどころか、「自分は不当に非難されている被害者」「悲劇の渦中にあるヒロイン」であるかのように振る舞いさえする[47]。主張をころころ変える[47]。

外見は魅力的で社交的。トークやプレゼンテーションも立て板に水で、抜群に面白い。だが、関わった人はみな騙され、不幸のどん底に突き落とされる。性的に奔放であるため、色恋沙汰のトラブルも絶えない[44][47]。

飽きっぽく、物事を継続したり、最後までやり遂げることは苦手[47]。

長期的なビジョンを持つことが困難なので、発言に責任を取ることができない[44]。

過去に語った内容とまるで違うことを平気で主張する。矛盾を指摘されても「断じてそんなことは言っていません」と、涼しい顔で言い張る。経歴を詐称する[47]。

残虐な殺人や悪辣な詐欺事件をおかしたにもかかわらず、まったく反省の色を見せない。そればかりか、自己の正当性を主張する手記などを世間に公表する[47]。

傲慢で尊大で、批判されても折れない、懲りない[47]。

つきあう人間がしばしば変わり、つきあいがなくなった相手を悪くいう[47]。

都会を好む、都会と相性がいい[49]。

介護や福祉、カウンセリングなど人を助ける職業についた愛情の細やかな人の良心をくすぐり、餌食にしていく。自己犠牲を美徳としている人ほどサイコパスに目をつけられやすい[50]。

ネット上で「荒らし」行為をよくする[50]。

サークルクラッシャー[51]、財産目当てで富裕層の老人に取り入るいわゆる後妻業とよばれる人々[52]。
ーーーーー


CEOの5人に1人はサイコパスということになり、これは囚人とほぼ同じ比率

リスクを恐れないサイコパスによって、フロンティアが開かれていったともいわれ、月面に着陸したニール・アームストロングもサイコパスだったのではないかとダットンはいい、サイコパスが人類を進化させたともいわれる。

「マイルド・サイコパス(または成功したサイコパス)」
「社会的成功を収めているサイコパス」は「反社会性が低い」のが特徴
「情動面でのサイコパスの特徴」(良心の欠如・冷淡・自己中心的など)を持ちながらも「犯罪行為」は行わない(=低い反社会性)


●概ねの印象でいえば、クラスターBの様々な項目を、恣意的に切り取ったり、混合したりしている。それはそれで自由であるが、まだ成熟した見解とは言えない。

●現状での私の見解としては、
・ソシオパシーは反社会性人格障害に近い。しかし輪郭はぼやけている。心理学的に定義されるという理は、刑法によって定義される。触法性。
・サイコパシーは、クラスターBの全体近い。しかし輪郭はぼやけている。
・ぼやけているのはソシオパシー、サイコパシーだけではなく、人格障害についての診断の、クラスターBや反社会性人格障害、境界性人格障害、自己愛性人格障害なども、中核部分は明確であるとしても、周辺部分ははっきりしない部分がある。測定を試みるとしても、限界がある。
・しかし、そのあいまいさが便利な部分はあって、出会った人を、一応理解して、警戒したりするには、役に立つ。

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クラスターBに分類されるパーソナリティ障害:


境界性パーソナリティ障害:
感情の不安定さ、衝動的な行動、自傷行為、不安定な対人関係などが特徴です.
自己愛性パーソナリティ障害:
優越感、賞賛欲求、共感性の欠如などが特徴です.
反社会性パーソナリティ障害:
他者の権利を無視する行動、共感性の欠如、攻撃性などが特徴です.
演技性パーソナリティ障害:
誇張された感情表現、注目欲求の高さ、示唆性の高い言動などが特徴です.

クラスターBの特徴:
感情の不安定さ:
感情の起伏が激しく、気分が変わりやすい傾向があります.
衝動的な行動:
衝動的に行動し、計画性がなく、結果を予測しないことが多いです.
他者との関係性の困難さ:
対人関係が不安定で、良好な関係を築くのが難しい場合があります.
注目欲求:
他者の注目を集めようと、派手な行動をしたり、注目を集めることを目的とした言動をしたりすることがあります.

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サイコパスの印象的な代表人物として、映画のドクター・レクターがいる。高知能。冷酷。倫理感情の欠如または大幅な偏移。
高知能だったから、このような状態になったと考えられるが、知能がここまで高くない場合、どのように成長するのか。ここでは書かないがいろいろと考えられる。

ソシオパスは粗暴で触法、このあたりが一大特徴だ。

成育環境が原因でソシオパスになるというなら、成育環境を改善することで、触法者を大幅に減らせるはずだということになり、刑務所にかける費用を環境改善に回せるはずだ。しかし成育環境の何をどうすればよいかの具体的な部分になると、簡単ではない。


ビッグファイブ理論

病気の診断ではなく、心理学で、広く人間の心理の分類をする研究では、
性格の因子として、5つを独立に考えるのが妥当であるとの結論が出ていて、広く認められている。

ビッグファイブ理論 というもので、これは、サイコパスとかの、特定るタイプをして指定しないで、どの成分がどのくらい高い・低いと表現する。

従来のカテゴリー診断に対して、ディメンジョン診断という。合理的である。
(カテゴリー診断としては、人の性格を16のタイプとして把握する「MBTI」もある。)

具体的にはいろいろなサイトがあると思うが、例えば、https://big5-basic.com/front/index.php

など。

「ビッグファイブ理論(Big Five Personality)」は「主要5因子」、「BigFive性格特性」、「五因子モデル」または「OCEANモデル」とも呼ばれています。5つの因子の頭文字をとった「OCEAN」です。

「ビッグファイブ理論」では心理学的に人の性格を下記の5つの特性に分類します。

1. 外向性(Extraversion)

心が外向きか、内向きかを示します。高い場合は外向的で元気が良く物事に積極的な性格で、低い場合は内向的で物静か、おとなしく無口な性格です。

一般的に外向性が高い人は営業・販売職、低い人は事務作業が適職と言われています。

→積極的な性格⇔おとなしい性格

2. 協調性(Agreeableness)

他者に対する接し方を示します。高い場合は他人に対して温かく親切な性格で、低い場合は疑い深く自己中心的な性格です。

一般的に協調性が高い人の適職は介護職など人に接する職業、低い方は他人の感情に左右されにくいため管理職が向いているケースもあります。さらに外向性が高く協調性が低い場合は経営者等に向いている性格と言われています。

 →他人を思いやる性格⇔自己中心的性格

3. 誠実性(勤勉性 Conscientiousness)

物事に対する姿勢を示します。高い場合は誠実的で責任感があり物事に熱心に取り組む性格で、低い場合は諦めが早く責任感のない性格です。

一般的に誠実性は高い方が良いとされますが、低い場合でも楽をするという事で物事に柔軟に対応するケースもあります。

 →誠実で真面目な性格⇔ふざけることの多い性格

※BIG5-BASICでは「勤勉性」と表現しています。

4. 神経症傾向(情動性 Neuroticism)

精神的な安定性を示します。高い場合は劣等感があり、悩みやすく繊細で、何事にも神経質に考えがちな性格、低い場合は心が安定しおだやかで気楽な性格です。

一般的に神経症傾向が高い方は細かいことに気づくことができるため事務的な職業が適職であると言われています。

 →細かい性格⇔何事も気にならない性格

※BIG5-BASICでは「情動性」と表現し、低い場合は神経症傾向が高く神経質、逆に高い場合は穏やかで感情が安定している性格を表します。

5. 開放性(創造性 Openness)

想像力や好奇心の度合いを示します。高い場合は知識欲が強く、新しいことに取り組むことが好きな性格で、低い場合は好奇心に乏しく、考えるのが苦手な性格です。

一般的に開放性が高い方はクリエイティブな仕事に、また低い人はコツコツと地道に行う仕事に向いていると言われています。

→クリエイティブな性格⇔保守的な性格

※BIG5-BASICでは「創造性」と表現しています。

人の性格を究極的に突き詰めると、上記の5つの性格的要素の強弱の傾向で説明できるという理論になります。

「ビックファイブ理論」の5つの性格特徴は、遺伝的な影響が大きくあまり変わらない部分とされています。【BIG5-BASIC】の診断を複数回受けることで、現在のストレス状態が確認でるメリットがあります。また、ストレス耐性で、自分のストレスに対する強さを分析し、ストレスを受けやすい性格かどうかがわかります。本診断を受けることで個人の方は自分のストレスへの耐性や現在のストレス状況の確認ができます。また企業の場合は、従業員、特にリモートワークや外回りの営業などの対面の少ない社員に対してのストレス状況の把握に有効です。

昨今注目を集めている自己愛傾向、マキャベリニアリズム、サイコパシーという社会的によくない性格(総称:ダークトライアド)もビッグファイブの5つの性格傾向で分かるとされています。

自己愛傾向(Narcissism)

日本では一般的にナルシストと呼ばれている自己愛やプライドが高く、自分が優れていると思い込むことで他人に対して傲慢な態度をとるような性格のことです。サイコパスとも優位に相関していると言われています。

本サイトのビッグファイブの結果で外向性と創造性が高く、協調性が低いという傾向が極端に出ている場合は「自己愛傾向」が強い性格という可能性があります。

Narcissism

マキャベリニアリズム(Machiavellianism)

大胆、冷淡で、人を操ることで成功を得ようとする性格のことを「マキャベリニアリズム」と言います。

本サイトのビッグファイブの結果で協調性と勤勉性が他と比べて極端に低い傾向が出ている場合はこの性格に当てはまる可能性が高いです。

Machiavellianism

サイコパシー(Psychopathy)

一般的にサイコパスと言われる性格的な気質で、自分以外の人に対する愛情や思いやりという感情が著しく低く、極めて自己中心的で、道徳的な概念が低く、感情も乏しい性格です。

本サイトのビッグファイブの結果で外向性と創造性が高く、協調性・勤勉性、情動性が低い場合この気質を持っている可能性があります。

Psychopathy

以上がビックファイブ理論におけるダークトライアドとの関係になります。本サイトとしてはあまり重要視していませんが、ビッグファイブの性格傾向から分かる一つの特徴として参考にしていただければと思います。

とはいうものの、たとえばドクター・レクターは外向性は高くなさそうだし、勤勉性は高いような気がするので、サイコパシーはこうだと断定的に言うことはできないと思う。

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