不安性障害(全般性不安障害、パニック障害、社交不安障害などを含む)では、予期不安・過剰な心配・身体症状などが主症状となりますが、これらを「弱さ」や「失敗」とみなすのではなく、感受性・危機察知能力・価値へのこだわりとして再解釈することで、自己肯定感を保ちつつ対処力を育てることができます。
🌾《不安性障害に対するリフレーミング・カード》
❌ よくある表現 | 💬 言い換えのヒント | 🌱 リフレーミングの視点 |
---|---|---|
いつも心配している | 考えすぎてしまう | 自分や大切な人を守ろうとする思いが強い証 |
先のことが怖い | 未来を予測しすぎて疲れる | 未来に対して誠実で真剣だからこそ不安になる |
胸が苦しくなる | 動悸や息苦しさが出る | 体が「危険信号」をキャッチしてくれている |
またパニックになったらどうしよう | 再発が怖い | 不安に敏感になったのは、過去のつらさを覚えている証 |
人前でうまく話せない | 緊張しやすい | 人にどう思われるかを大切に感じている優しさの現れ |
怖くて外に出られない | 電車や人混みに行けない | 環境に過敏で、自分を守るセンサーがよく働いている |
自分は変だ | ふつうになれない気がする | 感情が豊かで、物事を深く感じとれる人かもしれない |
✍️ 自分に問い返すリフレーミング・ワーク
- 「この不安は何を守ろうとしているのか?」
- 「もし友人が同じ状態だったら、私は何と言ってあげるだろうか?」
- 「この体験を“生き延びている証”として見るとしたら?」
🧭 実存的・哲学的視点からの支え
「不安は、自分が“生きていること”の証でもある。」
― ヤスパースは「不安は実存的目覚めのきっかけ」と述べました。
― フランクルも「人生の意味を問い始めた時、人は不安になる」と言います。
💡 応用例(精神療法や支援にて)
- ✅ CBT文脈で「自動思考記録表」と組み合わせて使用
- ✅ ACT文脈で「不安なまま進む」練習の導入に
- ✅ ナラティヴ・セラピーで「不安な自分が語る物語」を再構成
- ✅ 医療・福祉現場で「安心できる環境と信頼関係づくり」のツールとして