アルコホーリクス・アノニマス(Alcoholics Anonymous AA)
同じ悩みをもつ者どうしが語りあい、自らの悩みや課題を受け入れて互いに支えあう自助グループは、患者会や家族会、遺族会など、人の痛みを分かち合う大切かつ有効な実践として広く認められ知られるようになってきました。
アルコール依存症を検査するテストとして広く知られているものに、CAGEテストというものがあります。これは、C(Cut down)、A(Angry)、G(Guilt)、E(Eye opener)の4語の略で、アルコールの量を減らそう(Cut down)と思ったことがある、飲酒を注意されて腹を立てた(Angry)ことがある、飲酒に罪責感を感じたことがある(Guilt)、朝に(出勤時などに)手の震えなどを押さえるために迎え酒(Eye opener)を飲んだことがある、この四つの経験をきいています。「依存症」らしいのは最後の迎え酒だけで、あとの三つはいずれも本人の経験と気持ちであることに気づかれたでしょうか。
とくに、飲酒を批難されて「気にさわった」とか、飲酒を「悪いとか申し訳ないと感じた」といった経験と気持ちが、依存症を隠そうとしたことがある、すなわち依存症を持っているしるしということになるのでしょう。
彼らがめざす「酒のない生活」は、たんに飲むのをやめるということではありません。我慢は続きません。どうやって飲まないでいるのか、禁断症状や、口寂しさや激情や心の疲れや寂しさといった危険な状態にどう対処するかの学習も含んだ、新しい、もう二度と飲まない生き方を学習する共同体なのです。
この苦しみを正直に語り、仲間の痛みを聴くことで、AAでは、メンバーが断酒を続けていく力にしています。「Alcoholics Anonymous」とは、「無名のアルコール依存症者」という意味です。しかし、この「名前をもたないこと(anonymity)」という語には、もっと多様な意味が込められています。まず、AAには、メンバーのプライバシーを保護するためにフルネームを伏せるという決まりがあって、メンバーは、自分自身の名もほかのメンバーの名も、「公の場では」伏せることになっています。
でも、彼らのいう「名前をもたないこと」には、さらに深い意味があります。アルコールへの依存という自分の名を傷つける不名誉な問題と関わるなかで、それまでの人生で達成した名誉や、「ふつうに飲める(飲みたい)」人間としての名前を手放すのです。自分はアルコール依存という問題を抱えてなんとか生きている人間であると、何度もくり返し確認する場がAAなのです。
アーネスト・カーツ(Ernest Kurtz)
ポーランド系米国人。高等教育を終えてカトリック司祭となったが、心理学と歴史学を学び直し、1978年にハーバード大学米国文化史学部において哲学博士号を取得した。古典となった本書『アルコホーリクス・アノニマスの歴史』のほか、ロングセラーの『不完全さを受け入れるスピリチュアリティ』『スピリチュアリティを経験する』『恥と罪』などの著作がある(本書以外は未邦訳)。アルコール依存に悩む人や、その家族、友人のための相談や、講演などを通しての啓発活動に従事しながら、ラトガース大学夏期学校アルコール研究学部や、アナーバーのミシガン大学自助グループ研究・知識普及センターにおいて、研究し、教鞭を執った。2015年に逝去。
。**アルコホーリクス・アノニマス(Alcoholics Anonymous, AA)は、アルコール依存症(アルコホリズム)からの回復を目指す人々の自助グループで、1935年にアメリカ・オハイオ州でビル・W(ウィリアム・ウィルソン)とドクター・ボブ(ロバート・スミス)**によって創設されました。
- 🌿 基本的な理念
- 🌍 世界的な広がり
- 💬 活動内容
- 📚 精神療法・医療との関係
- 🧭 AAの哲学的な特徴
- ❗️批判や限界
- 🔚 最後に
- 🍀 アルコホーリクス・アノニマスの「12のステップ」
- ✍️ 備考
- 🧭 主な自助グループの一覧と違い
- 🧩 共通点
- 🧠 精神医学・心理学的な観点からの違い
- 📚 関係するリソース
- 🔍 実臨床での活用例(精神科医の視点)
- 🔍 Al-Anonとは何か(復習)
- 🧠 Al-Anonとトラウマの関係
- 🌱 共依存とトラウマ
- 🧘♀️ 精神療法との補完関係
- 📖 おすすめ資料・引用
- 📝 まとめ
- 🌱 Al-Anonを活用したトラウマ回復プログラム(12週間モデル)
- 📅 回復ステップと対応内容(例)
- 🧘♀️ 補助的ワーク(各週共通)
- 📌 使用できる資料・リソース例
- 🧠 臨床家としての関わり方(補助的支援)
- 📝 まとめ
- 🧭 NAミーティングの基本構造
- 🔐 重要な原則と雰囲気
- 📘 NAで使われる主な文献
- 🌍 日本でのミーティング情報
- 🎯 参加に向いている人は?
- 🧭 NA ミーティング Opening Reading 日本語版(例)
- 🧩 読み上げの進行の流れ(例)
- 📎 備考
- 🌀 NA「12のステップ」日本語訳(参考)
- 🧭 解説ポイント(簡略)
- 📎 補足
- 🌿 NA「12の伝統」日本語訳(参考)
- 📘 解説のポイント
- 🧩 12のステップとの違い
- 🛠 活用の仕方
- ☀️ NA「Just for Today(日めくり)」日本語版の例
- 🧭 補足情報
- 1. NAミーティングってどんな場?
- 2. 参加前に知っておくと安心なこと
- 3. NAミーティングでの一般的な流れ
- 4. 初参加のための持ち物・準備リスト
- 5. 安心して参加するための心の持ち方
- 6. よくある不安とその対処法
- 7. 参加後のフォローアップ
🌿 基本的な理念
1. 「12のステップ(12 Steps)」
AAの根幹をなす精神的な実践プロセスであり、以下のような内容が含まれます:
- 自分の無力さ(アルコールに対して)を認める
- 自分を超えた力(しばしば「神」)に助けを求める
- 過ちを振り返り、他人に償いをする
- 自己の内省と霊的な成長を続ける
👉 ※「神」という言葉が使われていますが、宗教ではなくスピリチュアルな意味合いであり、参加者自身が理解する「高次の力(Higher Power)」でかまわないとされています。
2. 「12の伝統(12 Traditions)」
グループの運営原理であり、以下のような価値観を守っています:
- 匿名性を守る
- 組織ではなく、「仲間による助け合い」である
- 金銭的な援助は受けず、自立運営する
- 広報よりも「ひとりの回復者」の証言を重視する
🌍 世界的な広がり
- 現在、世界180カ国以上で展開されており、数十万人のメンバーがいます。
- 日本にも1940年代後半から導入され、各地でミーティングが開催されています。
- 医療機関や司法制度とも連携し、治療的・社会的な支援ネットワークの一部を形成しています。
💬 活動内容
● ミーティング(集会)
- 定期的に行われる会合で、参加者が自分の体験を語り合う。
- 匿名性が守られ、批判・助言はしない「話す・聴く」の場。
- オープン・ミーティング(誰でも参加可能)とクローズド・ミーティング(アルコール問題を抱える人限定)があります。
● スポンサー制度
- 回復の道を先に進んでいるメンバー(スポンサー)が、初心者を個人的にサポートする仕組み。
- スポンサーは助言や支えを提供しながら、自らの回復にも役立てます。
📚 精神療法・医療との関係
- 医学的な治療(薬物療法や精神療法)とは独立した存在ですが、補完的関係にあるとされます。
- 特に精神療法やCBT(認知行動療法)と組み合わせることで、効果的な回復支援が可能です。
- トラウマ、うつ、双極性障害などを併存する人も多く、AAだけでは十分でない場合もあるため、臨床家との協働が望まれます。
🧭 AAの哲学的な特徴
- 自己の変容を重視(過去の行いの棚卸し・償い)
- 霊的な回復を目指すが、宗教的な強制はしない
- 仲間同士の対等性
❗️批判や限界
- 「12ステップ」プログラムが宗教的すぎると感じる人もいる
- 無力感の受容に抵抗を感じるケースもある(とくに力動的/実存的アプローチとは緊張関係があることも)
- 女性やLGBTQ+、非キリスト教徒にとって疎外感があるとの指摘も一部にあります
🔚 最後に
アルコホーリクス・アノニマスは、アルコール依存からの回復を支える草の根の実践運動として、医学や心理学とは異なる視点を提供しています。
興味があれば、日本のAA公式ページも参照されるとよいでしょう:
→ https://aajapan.org/
以下が、**アルコホーリクス・アノニマス(AA)における「12のステップ」**の公式的な日本語訳です(AA日本支部公式訳に準拠):
🍀 アルコホーリクス・アノニマスの「12のステップ」
- 私たちはアルコールに対して無力であり、思い通りに生きていけなくなっていたことを認めた。
- 自分を超えた大きな力が、私たちを正気に戻してくれると信じるようになった。
- 自分の意志と生き方を、自分なりに理解した神の配慮にゆだねる決心をした。
- 恐れずに徹底して、自分自身の棚卸しを行い、道徳的な自己調査をした。
- 神と、自分自身と、もう一人の人に、過ちの本質をありのまま告白した。
- これらすべての欠点を取り除いていただく準備が、すべて整った。
- 私たちの短所を取り除いてくださいと、謙虚に神にお願いした。
- 自分が傷つけたすべての人のリストを作り、その人たち全員と和解する意志を持った。
- その人たちに、できる限り直接償いをした。ただし、それによってその人たちまたは他の人を傷つける場合は、その限りでない。
- 自分自身の棚卸しを続け、過ちがあればすぐに認めた。
- 祈りと黙想を通じて、自分なりに理解した神との意識的な接触を深める努力をした。ただし、神の意志を知ることと、それを実行する力を求めることだけを願った。
- これらのステップの結果、霊的に目覚めた私たちは、このメッセージをアルコホーリクに伝え、自分たちのすべての行動にこれらの原理を実践しようと努めた。
✍️ 備考
- **「神」や「自分を超えた力」**といった表現は、必ずしも特定の宗教を前提にしておらず、自分なりの理解でかまわないとされています。
- ステップ4〜9は特に「過去の整理と償い」に重点を置き、自己変容のプロセスとされています。
- 精神療法的に見ると、「気づき → 内省 → 行動変容」という構造があり、CBTやACT、精神力動療法とも重なる部分があります。
AA(アルコホーリクス・アノニマス)と、その他の自助グループ(NA、GAなど)は、いずれも**「12ステップ・モデル」に基づいた自助グループ**ですが、依存対象や活動の焦点に違いがあります。以下にわかりやすくまとめます。
🧭 主な自助グループの一覧と違い
略称 | 正式名称 | 対象となる問題 | 主な違い・特徴 |
---|---|---|---|
AA | Alcoholics Anonymous | アルコール依存症 | 最古の12ステップグループ。モデルとなる存在。精神性(スピリチュアリティ)が強調される。 |
NA | Narcotics Anonymous | 薬物依存(違法薬物、処方薬など) | AAをモデルにしているが、「アルコール」に限定せず、あらゆる薬物依存に対応。 |
GA | Gamblers Anonymous | ギャンブル依存症 | 金銭的・対人関係の破綻が中心。借金、家庭崩壊などの問題を扱う。ステップは同様だが例外的に財務再建が焦点。 |
OA | Overeaters Anonymous | 過食・摂食障害(過食症、拒食症、食物への執着) | 食物や体型への強迫的思考がテーマ。「食」には手放せない依存特有の困難がある。 |
Al-Anon | Al-Anon Family Groups | アルコール依存者の家族・友人 | 本人ではなく影響を受けた側を支援対象にしている。共依存の問題が中心。 |
SAA | Sex Addicts Anonymous | 性依存(強迫的性行動・ポルノ依存など) | 強迫的な性的行動をテーマに、恥・秘密・関係破壊を扱う。匿名性がより強調される。 |
CoDA | Co-Dependents Anonymous | 共依存(他者への過剰適応、境界の問題) | 他者の問題に巻き込まれ、自分を見失う傾向を扱う。関係性依存が主題。 |
🧩 共通点
- 12ステップに基づく霊的回復のプロセス(用語や内容は調整される)
- **匿名性(Anonymity)**の尊重
- **自助的(セルフヘルプ)**な集まり(医師・専門家ではない)
- スポンサー制度の活用(回復者が新しい参加者を支援)
- 批判やアドバイスはせず、体験を語ることが基本
- 「今日一日(One Day at a Time)」の考え方
🧠 精神医学・心理学的な観点からの違い
- AA・NAは薬物療法や精神療法を拒絶するものではなく、並行使用が可能
- OAやCoDA、Al-Anonでは、うつ病やPTSD、発達障害傾向などの背景疾患との関連性が強調されることも多い
- GAでは、金銭管理や認知行動的対処(たとえば「誘惑に近づかない」)が実践的に取り入れられやすい
📚 関係するリソース
グループ | 日本語公式サイト等 |
---|---|
AA日本 | https://aajapan.org/ |
NA日本 | https://najapan.org/ |
GA日本 | 活動は限定的(日本ではあまり普及していない) |
OA日本 | https://www.oajapan.org/ |
Al-Anon日本 | https://www.al-anon.or.jp/ |
🔍 実臨床での活用例(精神科医の視点)
- 統合失調症や重度うつを伴う場合は、医療的治療との併用が必要
- 共依存傾向やトラウマが強い場合、Al-AnonやCoDAが役立つことも
- 精神療法(CBT、ACT、EMDRなど)と組み合わせて、回復プロセスの基盤強化に用いられることもある
Al-Anon(アラノン)とトラウマケアの関係は、臨床的にも非常に興味深いテーマです。Al-Anonは「アルコール依存症者の家族や近しい人(共に苦しむ者)」のための自助グループですが、参加者の多くは**慢性的なストレス、共依存、複雑性トラウマ(C-PTSD)**と深く関係しています。
🔍 Al-Anonとは何か(復習)
- アルコール依存症者の配偶者・親・子ども・兄弟姉妹・友人などが対象
- 「自分は飲んでいないが、相手の飲酒によって人生が破綻した」人々の支援を目的とする
- AAと同様、「12のステップ」プログラムに基づく霊的・心理的回復を目指す
- 匿名性と共感が保障された安全な場
🧠 Al-Anonとトラウマの関係
✅ 1. 慢性的トラウマの温床
- アルコール依存症の家庭では、感情的・身体的暴力、無視、予測不能な関係が起こりやすい
- 子ども時代からの慢性的なトラウマにより、以下のような状態に陥ることが多い:
- 常に周囲に過剰に注意を払う(過覚醒)
- 自己価値の低下と罪悪感
- 他者に尽くしすぎる(共依存)
- 自分の感情がわからなくなる(アレキシサイミア)
これは**複雑性PTSD(C-PTSD)**の典型的な症状群でもあります。
✅ 2. Al-Anonが提供する「トラウマに優しい回復環境」
Al-Anonの特徴 | トラウマケアとの関係性 |
---|---|
批判・助言なしで「語る・聴く」空間 | 安全基地の提供(Safe Space) |
匿名性の尊重 | 恥・恐怖からの解放(Shame Reduction) |
霊的・内省的作業(12ステップ) | 自己理解と自己受容の促進 |
「One Day at a Time(今日一日)」の姿勢 | トラウマ回復における現在志向の実践 |
スポンサー制度(個別の支援) | 安定した対人関係による癒し(修復的関係) |
🌱 共依存とトラウマ
Al-Anonの参加者の多くは、「共依存(co-dependence)」というパターンを抱えています。これは単なる性格傾向ではなく、しばしば親密なトラウマ関係の中で育まれた自己否定的な生き方の癖です。
共依存の特徴 | トラウマとの関連 |
---|---|
他人の感情・行動に巻き込まれやすい | 境界線の喪失(Boundary issues) |
自分のニーズを後回しにする | 自己価値の喪失(Worthlessness) |
「見捨てられ不安」や「過剰な罪悪感」 | 発達トラウマ・情緒的ネグレクト |
Al-Anonではこうした問題を、「他人をコントロールせず、自分の人生に責任を持つ」という視点で回復させていきます。
🧘♀️ 精神療法との補完関係
Al-Anon単独では扱いきれない重度のトラウマ症状や解離、フラッシュバックなどに対しては、以下のような精神療法的支援と併用されることがあります:
- トラウマに特化した心理療法
- EMDR(眼球運動による脱感作と再処理)
- センサリーモーター療法
- スキーマ療法
- 内的家族システム療法(IFS)
- ACTやマインドフルネスとの併用
- 「巻き込まれる自分」と「見つめる自分」の分離を支援
- 安全性と自己調整力の育成
- ポリヴェーガル理論的視点(安全・関係性の中で神経系の安定化)
📖 おすすめ資料・引用
- Al-Anon日本公式サイト: https://www.al-anon.or.jp/
- 『Adult Children of Alcoholics(ACOA)』:アルコール依存家庭で育った大人の自助書(共依存とトラウマに焦点)
- Pia Mellody著『Facing Codependence』:共依存と発達性トラウマの関係を深く掘り下げた名著
📝 まとめ
- Al-Anonは、他人の問題によって傷ついた人自身の「回復」を扱う場であり、トラウマケアとして非常に効果的な要素を多く含む。
- 特に、安全な場・共感的な関係・霊的な再建・自己境界の回復という点で、現代のトラウマインフォームドケアとも共鳴しています。
- 一方、深刻なPTSD症状には専門的精神療法の併用が望まれます。
以下に、**Al-Anonの12ステップ的アプローチとトラウマ理論(特に複雑性トラウマ・共依存・ポリヴェーガル理論)を統合した「トラウマ回復プログラム」**の一例をご紹介します。これは、Al-Anonのグループ活動を補助的に活用しながら、個人が段階的に自己回復を進めていくための設計です。
🌱 Al-Anonを活用したトラウマ回復プログラム(12週間モデル)
🔹 構成の基本方針
- Al-Anonの「12のステップ」を**トラウマ回復の段階(安全確保 → 自己理解 → 再統合)**と結びつけて活用
- 個別ワーク、Al-Anonミーティング、マインドフルネス、身体的自己調整などを組み合わせる
- 「回復の主体は本人自身」であるという自助の理念を軸にする
📅 回復ステップと対応内容(例)
週 | 回復テーマ | Al-Anon ステップ | トラウマ回復要素 | 実践内容(例) |
---|---|---|---|---|
第1週 | 安全な場をつくる | ステップ1:無力さの認識 | 安全確保・共感的関係 | Al-Anonミーティング初参加、安心できるリストづくり、自律神経安定ワーク(呼吸・グラウンディング) |
第2週 | トラウマの見立て | ステップ2:信じること | 希望・回復の可能性 | 「自分を超えた力」の再定義、回復のモデル探し、癒された体験の言語化 |
第3週 | 他人との境界線 | ステップ3:ゆだねる | 境界の再構築 | 「自分にできること/できないこと」ワーク、NOと言う練習 |
第4週 | 内的棚卸し① | ステップ4:自己調査 | 自己理解の深化 | 感情トラッキング、過去の信念・傷のリスト化、「子どもの私への手紙」 |
第5週 | 内的棚卸し② | ステップ5:共有 | 認知と感情の統合 | 安全な人に語る、日記に記述、「恥」を語るワーク |
第6週 | トラウマ信念との対話 | ステップ6:準備 | スキーマの明確化 | 「私は○○されるに値しない」などのスキーマと距離をとるACT的ワーク |
第7週 | 自己受容 | ステップ7:取り除く | 慈悲・セルフコンパッション | セルフ・コンパッション練習、内的批判者との対話 |
第8週 | 対人修復① | ステップ8:和解の意志 | 関係性の整理 | 過去の対人関係マッピング、謝罪や償いの必要性の見極め |
第9週 | 対人修復② | ステップ9:償い | 修復的関係性 | 手紙の作成、行動的償い、幻想の手放し |
第10週 | 毎日の自己点検 | ステップ10:継続的省察 | 自己調整 | 感情日記、1日の終わりの内省ジャーナル |
第11週 | 意識的接触 | ステップ11:祈りと黙想 | 高次の自己との対話 | マインドフルネス瞑想、自分だけの祈りの言葉作り |
第12週 | 回復の継続 | ステップ12:伝える | 再統合・社会的回復 | 他者に伝える語り、今後の維持計画、継続的ミーティング参加の確認 |
🧘♀️ 補助的ワーク(各週共通)
- 身体的自己調整(ポリヴェーガル理論ベース)
- Vooブレス、オリエンティング反射、冷水洗顔
- アファメーション
- 「私は私を守る力を持っている」「私の価値は人の反応で決まらない」
- 「今日一日だけ」カード
- 今日だけ、自分に優しくする・怒らない・他人を変えようとしない
📌 使用できる資料・リソース例
- 📘 『Adult Children of Alcoholics(ACOA)』読書会(共依存・トラウマ理解)
- 📕 『内なる子どもを癒す』(チャールズ・ホイットフィールド):インナーチャイルドワーク
- 🎧 マインドフルネス音源(Jon Kabat-Zinnなど)
- 🧾 オリジナルワークシート(ステップ・感情・関係棚卸し)
🧠 臨床家としての関わり方(補助的支援)
- グループ参加の不安に対して心理教育と事前練習
- CPTSDがある人には個別セッションと並行
- Al-Anonでの経験を精神療法セッションで統合・消化する役割
- 12ステップ用語と心理学用語を翻訳して支援(例:「高次の力」→「自分の癒しを信じる力」)
📝 まとめ
このプログラムの目的は、
- Al-Anonという共感的な回復共同体を活かしつつ、
- トラウマによって損なわれた自己感覚・対人信頼・情動調整能力の回復を支援することです。
「霊的」「人間的」「身体的」「社会的」な次元を包括的に癒す構造となっています。
Narcotics Anonymous(NA:ナルコティクス・アノニマス)のミーティングは、薬物依存症からの回復を目指す人々が、対等で匿名の立場で集い、体験を共有し合う自助の場です。
AA(アルコホーリクス・アノニマス)をモデルにしていますが、アルコールに限定せず、あらゆる薬物依存を対象にしています。
🧭 NAミーティングの基本構造
🔹1. 開会・読み上げ(Opening Readings)
参加者が輪になって座り、以下のテキストを読み上げることから始まります:
- 「ようこそナラコティクス・アノニマスへ」
- 「私たちは何者か」
- 「NAの12のステップ」
- 「NAの12の伝統」
- 「今日だけ(Just for Today)」
- 「回復への道」
これにより、安心感のある雰囲気とグループの目的の明確化が図られます。
🔹2. 自己紹介(自己開示)
例:
「こんにちは、私は〇〇、薬物依存症者です(Hi, I’m 〇〇, I’m an addict)」
匿名性は守られ、本名を言う必要はありません。
🔹3. 話す時間(シェアリング)
ミーティングの中心です。参加者はテーマに沿って、または自由に体験・感情・気づきを語ります。
話の内容例:
- いつ・なぜ薬物を使い始めたか
- 使用によって失ったもの
- どんな「底つき」を経験したか
- 回復のために何をしているか
- 仲間の存在、スポンサーとの関係
- 今日、クリーンでいることの意味
📝 アドバイス・批判・中断は禁止です(「クロストーク禁止」)。
ただ自分の体験だけを語ることが原則です。
🔹4. テーマ形式の例
以下のような形式で開催されます:
種類 | 内容 |
---|---|
📖 ステップミーティング | 12ステップのうち1つを取り上げて語り合う |
📘 読書ミーティング | NAの基本文献(『Basic Text』や『Just for Today』)を読み、感じたことをシェア |
🎯 フリーテーマ | その日の参加者の状態・関心に基づいて自由に語る |
🧓 スピーカーミーティング | 長期クリーンの回復者が30分~1時間語り、その後にシェア |
🆕 ビギナーズミーティング | 新しい仲間を歓迎し、NAの基礎を紹介する内容 |
🔹5. クロージング(Closing)
- **「静かな祈り(サレンダープレイヤー)」や「平安の祈り」**を読み上げて終了
- 次回の案内やサービス(運営)関連のお知らせ
- クリーン記念日(1日・30日・60日・90日・半年・1年・複数年など)を祝うこともある 🎉
🔐 重要な原則と雰囲気
原則 | 説明 |
---|---|
匿名性 | 誰が参加していたか・何を話したかは「ここだけの話」 |
対等性 | 医師やカウンセラーはいない。「ただの依存症者同士」 |
無批判・無評価 | どんな話もジャッジされない(安全な場) |
無料 | 会費なし(寄付は自由) |
宗教ではない | 「高次の力(Higher Power)」という表現を使うが、特定宗教とは無関係 |
📘 NAで使われる主な文献
- 『Basic Text(NA基本テキスト)』
- 『Just for Today(今日だけ)』:日めくり的な短文
- 『It Works: How and Why(12ステップと12の伝統解説)』
- 『Living Clean』:クリーンな生活を続ける知恵
- 日本語訳も一部入手可能(NA日本の公式サイト参照)
🌍 日本でのミーティング情報
- 日本各地で対面・オンラインミーティングが開催中
- NA日本公式サイト(https://najapan.org/)にスケジュール一覧あり
- 依存対象は「薬物全般(処方薬・違法薬・アルコール含む場合も)」でOK
- 誰でも参加可能(ビジター枠もある)
🎯 参加に向いている人は?
- 依存対象がアルコール以外の薬物・処方薬・複数依存の場合
- 治療やデイケアだけでは足りないと感じる人
- 「仲間の言葉」で自分を知りたい人
- 依存はやめていても、孤独感・無意味感・空虚さが残る人
以下に、NA(Narcotics Anonymous)のミーティング冒頭で使われる「Opening Reading(開会の読み上げ文)」の日本語訳の例をまとめました。
これは公式な翻訳ではなく、NA日本の実際のミーティングで使われている読み上げ文に基づいた参考例です。読み手ごとに分担されることが多いです。
🧭 NA ミーティング Opening Reading 日本語版(例)
📘 1. 「ようこそ ナルコティクス・アノニマスへ」
こんにちは。ようこそ、ナルコティクス・アノニマス(NA)のミーティングへ。
私たちは薬物依存症者であり、共通の問題とその解決法、そして回復への希望を分かち合うためにここに集まっています。
このプログラムは、あなたがどのような薬物を使っていたか、またどのくらい使っていたかには関係ありません。私たちに共通するのは、「薬物をコントロールできなくなったこと」と「生き方に問題を感じていたこと」です。
📘 2. 「NAとは何か(私たちは何者か)」
ナルコティクス・アノニマスは、薬物依存症者のための非営利・非宗教・匿名の自助グループです。
私たちは、薬物を使わないで生きていくための支えを互いに与え合う仲間たちです。
NAの唯一の目的は、「薬物を使わずに生きたいと願う人を助けること」です。
📘 3. 「NAの12のステップ」(要約)
私たちの回復は、「12のステップ」に基づいて進められます。
このステップは、正直さ、開かれた心、進んで変わろうとする意志を持つことで、薬物なしの人生を築くことができると教えています。
※全文を読むこともあります(ご希望があれば全文訳をご提供します)。
📘 4. 「NAの12の伝統」(要約)
私たちのグループは、「12の伝統」によって導かれています。
その中には、「グループの目的の優先」「匿名性の尊重」「財政的自立」「他の団体からの独立」などが含まれています。
私たちは組織ではなく、仲間としての絆と原則によってつながっています。
📘 5. 「今日だけ(Just for Today)」
今日だけ、私は自分を信じて生きてみます。
今日だけ、私は薬物を使わずに過ごすことができます。
今日だけ、私は過去を悔やまず、未来を恐れず、「今ここ」で生きてみます。
(読み手によっては『Just for Today』の全文から数行を抜粋して読むこともあります)
📘 6. 「回復への道」(※オプション)
私たちが回復できるということは、仲間が先にその道を歩んでいるからこそ信じることができました。
NAのプログラムは、「絶望」から「希望」へ、「混乱」から「平安」へと導いてくれます。
🧩 読み上げの進行の流れ(例)
- 司会が開始を宣言
- 各読み上げ文を順番に参加者が交代で読む(または司会がすべて読む)
- 自己紹介の時間(「こんにちは、〇〇、薬物依存症者です」)
- ミーティングテーマ説明(ステップ読書など)
- シェアタイムへ移行
📎 備考
- 公式文書の完全な翻訳はNA日本のサービス部門が所持しており、メンバーが入手可能です。
- 開会文はミーティングごとに簡略化されたり順番が入れ替わることもあります。
- 書籍『NA基本テキスト』にもこれらの原文が含まれています。
必要であれば以下もご提供可能です:
- ✅ NAの「12のステップ」全文日本語訳
- ✅ NAの「Just for Today(日めくり)」日本語版の例
- ✅ 初めて参加する人のためのガイド(安心できる言葉・準備リスト)
ご希望があればお知らせください。
以下に、Narcotics Anonymous(NA:ナルコティクス・アノニマス)の**「12のステップ」日本語訳(参考訳)**を掲載します。これは公式な日本語訳ではありませんが、NAの原文に忠実に沿った、一般的に用いられている翻訳例です。
🌀 NA「12のステップ」日本語訳(参考)
- 私たちは、薬物に対して無力であり、思い通りに生きていけなくなっていたことを認めた。
- 自分を超えた大きな力が、私たちを正気に戻してくれると信じるようになった。
- 自分の意志と人生を、自分なりに理解した神の配慮にゆだねる決心をした。
- 恐れずに、徹底して、自分自身の道徳的棚卸しを行った。
- 神、自分自身、そしてもう一人の人間に、自分の過ちの本質をありのままに認めた。
- これらの性格上の欠点を、すべて取り除いてもらう準備がすっかりできた。
- 自分の短所を取り除いてくださるよう、謙虚に神に求めた。
- 自分が傷つけたすべての人のリストを作り、その人たちすべてに償いをする気持ちを持った。
- その人たちや他の人を傷つけるおそれのある場合を除き、できるかぎり直接償いをした。
- 自分自身の棚卸しを続け、誤りがあればすぐに認めた。
- 祈りと黙想を通じて、自分なりに理解した神との意識的なつながりを深めるように努めた。私たちが求めたのは、神の意志を知ることと、それを実行する力だった。
- これらのステップを経て霊的に目覚めた結果として、このメッセージを薬物依存者に伝え、そして日々の生活の中でこれらの原則を実践しようと努めた。
🧭 解説ポイント(簡略)
- この「12のステップ」は、薬物からの回復を目指す人のための内面の変容のプロセスです。
- 「神」という言葉は出てきますが、宗教的強制力はなく、各人が「自分なりに理解した高次の力(Higher Power)」と解釈します。
- 回復の焦点は、自己認識 → 手放し → 内的変化 → 他者への償い → 実践の継続という流れにあります。
📎 補足
- NAの「12のステップ」は、AA(アルコホーリクス・アノニマス)のステップに由来しており、表現がほぼ共通していますが、「アルコール」→「薬物」などが変更されています。
- NAの公式テキスト『Basic Text』や『It Works: How and Why』には、各ステップの詳細な解説が含まれています。
ご希望であれば、各ステップの**解説(1つずつ)**や、12ステップに沿った自己探求ワークシートの日本語版も作成できます。
必要なステップ番号や目的(例:自己理解・償い・境界形成など)を教えていただければ、カスタマイズ可能です。
以下に、Narcotics Anonymous(NA:ナルコティクス・アノニマス)の**「12の伝統(Twelve Traditions)」の日本語訳(参考訳)**を紹介します。これはNA基本テキスト(Basic Text)に基づく非公式訳で、グループ運営と仲間同士の関係を支える原則です。
🌿 NA「12の伝統」日本語訳(参考)
- 私たちの共通の福祉が最優先である。個人の回復は、NA全体の団結にかかっている。
- グループの目的に関する唯一の権威は、愛に満ちた神の力であり、それは私たちのグループ・コンシャス(話し合いを通した合意)に表される。私たちのリーダーは奉仕者であり、支配者ではない。
- NAに属するための唯一の条件は、「薬物をやめたいという願い」である。
- それぞれのグループは、他のグループやNA全体に害を及ぼさない限り、自律的である。
- 各グループの唯一の目的は、「まだ苦しんでいる薬物依存者にメッセージを運ぶこと」である。
- NAグループは、外部の団体や施設、宗教、政治から独立しており、名前を貸すことや資金、名声を使うことは避ける。これにより、私たちの伝統が守られる。
- NAグループは、完全に自立しており、外部からの寄付は受けない。
- ナルコティクス・アノニマスは、非専門的である。私たちの奉仕は自発的なものであり、仲間が仲間を助ける形で行う。
- NAとして組織化されることはないが、奉仕のための委員会や運営体は、直接責任を持って仲間に仕える。
- ナルコティクス・アノニマスは、いかなる論争に巻き込まれることもなく、いかなる外部問題についても意見を表明しない。
- 常に無名性を保ちながら、個人ではなくNAの精神に基づいて、広報活動(パブリック・リレーションズ)を行う。
- 無名性の原則は、私たちのすべての伝統の基盤である。これは人格よりも原則を優先させることによって、私たちの精神的な土台を守る。
📘 解説のポイント
特徴 | 内容 |
---|---|
🎯 中心価値 | 団結・匿名性・自律・奉仕・非宗教性 |
💬 キーワード | 「私たち」「仲間」「グループ・コンシャス」「無名性」 |
🛡 目的 | 外部の干渉・崩壊・権力争い・依存ビジネス化からNAを守る |
🙅 禁止されていること | 政治的発言、商業的関与、外部団体との提携など |
🧩 12のステップとの違い
ステップ(Steps) | 伝統(Traditions) |
---|---|
個人の回復を扱う | グループや仲間全体の運営原理を扱う |
自己変容・償い | 連帯・境界・責任の明確化 |
スポンサーとの作業 | グループでの実践 |
主に内面の探求 | 主に行動や関係性の指針 |
🛠 活用の仕方
- グループで問題が起きたとき、「この行動は12の伝統に沿っているか?」と照らし合わせる。
- 伝統を使った**ビジネスミーティング(運営会議)**や、伝統の勉強会もある。
- 回復が進んできた中期〜後期段階のメンバーにとって、より深い意味を持つ精神的な指針となる。
以下に、NA(Narcotics Anonymous)の「Just for Today(今日だけ)」日めくりデイリー・メディテーションの日本語訳の参考例をいくつかご紹介します。これらは、NAの公式日めくり本『Just for Today: Daily Meditations for Recovering Addicts』に基づく非公式翻訳例です。
☀️ NA「Just for Today(日めくり)」日本語版の例
📅 例1:1月1日「回復は行動によって始まる」
「私たちは回復することができます。私たちの意思と生活を、自分なりに理解した神の配慮にゆだねることによって。」
― NA基本テキスト 第3章
回復は一夜にして達成されるものではありません。それは継続的な行動と選択の積み重ねです。
今日、私たちは“ただ今日だけ”、薬を使わずに生きる選択をします。
神の導きと仲間の支えによって、私たちは正気を取り戻す道を歩み続けるのです。
✅ 今日だけ:私は薬を使わずに一日を生きます。そして、自分の回復に必要な行動を選びます。
📅 例2:3月12日「孤独ではない」
「私たちは回復に向かう仲間に囲まれている。」
薬物を使っていた頃、私たちは孤立し、誰にも理解されないと感じていました。
NAに来ることで、初めて「自分と同じような人たちがいる」と知ることができました。
今日、私たちは孤独ではありません。仲間がいることは、私たちの力となります。
✅ 今日だけ:私は孤独ではない。仲間とともに回復の道を歩みます。
📅 例3:7月25日「過去は変えられないが、未来は選べる」
「私たちは、過去の過ちを後悔するよりも、今を大切にすることを学びました。」
過去の失敗や傷は消えないかもしれません。でも、それに縛られ続ける必要はありません。
回復の中で私たちは、今日を新しい始まりとして生きることを学びます。
未来は、“今日”どんな選択をするかによって変えられるのです。
✅ 今日だけ:私は過去を手放し、今この瞬間を正直に生きます。
📅 例4:11月3日「正直であるということ」
「自分自身に正直であることが、回復の土台となる。」
嘘をついて生きてきた過去。否認、自己欺瞞、隠しごと。
でも今は、自分に正直であることが力となります。
正直になることは、怖くもあるけれど、自由への入り口でもあります。
✅ 今日だけ:私は自分に正直でいることを選びます。
🧭 補足情報
- NAの公式日めくり書籍『Just for Today』は、1日1ページ構成で、引用+短い瞑想文から成ります。
- 仲間同士で読み合うこともあり、ミーティングでの導入やクローズにも使われます。
- 表現はシンプルで日常に根差しており、「今日だけ」というミニマルな実践哲学が貫かれています。
NA(ナルコティクス・アノニマス)ミーティングに初めて参加する人のためのガイドを作成しました。
不安や緊張を和らげ、安心して参加できるように役立つ言葉と準備リストです。
🌟 NAミーティング初参加ガイド — 安心できる言葉と準備リスト
1. NAミーティングってどんな場?
- 薬物依存からの回復を目指す仲間たちが集まる場所です。
- 参加者はみんな「薬物をやめたい」という共通の願いを持っています。
- 匿名性が守られているので、本名やプライベートな情報を話す必要はありません。
- 誰かに批判されることはなく、安心して自分の気持ちを話せる場です。
- 参加は無料で、いつでも自由に出入りできます。
2. 参加前に知っておくと安心なこと
- **「話したくないときは、無理に話さなくて大丈夫」**です。聞くだけでも意味があります。
- ミーティングは、「自分の体験を自分の言葉で語る」場なので、専門家やカウンセラーが指導するものではありません。
- 「クロストーク禁止」(他人の話に途中で口をはさんだり、批判・助言をすることは禁止)です。
- 服装は自由。堅苦しい決まりはありません。普段着でOKです。
- 集まる人数や雰囲気はミーティングによって異なります。小さなグループもあれば大きなグループもあります。
3. NAミーティングでの一般的な流れ
- 開会の読み上げ(NAの目的や12のステップなどの紹介)
- 自己紹介(「私は〇〇、薬物依存症者です」と名前を言う)
- テーマに沿ったシェアリング(話したい人が順番に体験や気持ちを話す)
- 閉会の祈りやメッセージ
- 自由交流や質問タイム(ミーティングによる)
4. 初参加のための持ち物・準備リスト
- メモ帳・筆記用具(気づきや感想を書き留めるのに便利)
- 水や飲み物(会場によっては用意されていないことも)
- 自分のペースで話す気持ちの準備(話さなくてもOK)
- 交通手段の確認(迷わないように場所を事前に調べておく)
- スマホや時計(時間を確認しやすいように)
- 心を開く勇気(小さな一歩でも十分!)
5. 安心して参加するための心の持ち方
- 「ここは私が私でいられる場所」
- 「私は一人じゃない」
- 「誰も私を責めない」
- 「少しずつ、自分のペースでいい」
- 「回復は一日ずつの積み重ね」
6. よくある不安とその対処法
不安・疑問 | 対処法・安心ポイント |
---|---|
自分だけ話せないかも | 聞くだけでも参加として十分価値があります。 |
他の人の話についていけない | みんな最初は同じです。分からなくて当然。 |
知り合いに会うかも? | 匿名なので、本名を言わなくていいし、秘密は守られます。 |
感情が溢れてしまいそう | 泣いても怒っても大丈夫。自分の気持ちを受け入れて。 |
強制参加ではないか心配 | 強制されることは一切ありません。自由意志が尊重されます。 |
7. 参加後のフォローアップ
- ミーティングで知ったことを無理なく生活に活かす。
- また行きたいと思ったら、次のミーティングの日時と場所をメモ。
- 分からないことは、経験者に遠慮なく質問してみる。
- 自分に合ったペースで、焦らず継続することが大切です。