レイ・ダリオ著 「変わりゆく世界秩序」

このビデオでは、レイ・ダリオが過去500年の歴史を分析し、帝国の興亡と世界秩序の変化のパターンを明らかにしています。経済不安の時代に投資家にとって役立つと思われるポイントを以下にまとめました。

  • 歴史の教訓: 過去の同様の状況を研究することで、将来を予測する方法を学べると述べています [01:28]。政府が歳出を税収より多く行い、状況が悪化すると、通貨が減少し、さらにお金が必要になるため、大量の紙幣を印刷すると説明しています [06:15]。その結果、通貨の価値が下がり、株式、金、一次産物など、ほとんどすべてのものの価格が上昇すると述べています [06:26]。中央銀行が危機を回避するために多くのお金を印刷し、株式、金、一次産物を購入すると、それらの価値が上昇し、お金の価値が下がると説明しています [06:40]。
  • 帝国の盛衰のサイクル: 帝国は約250年続く重なり合うサイクルで発生し、そのサイクルの中には10年から20年の移行期間があると説明しています [12:59]。主要な大国は戦うことなしには衰退しないため、これらの移行期間は一般的に大きな紛争の期間であると述べています [13:12]。
  • 帝国の力の比較: 教育、独創性と技術開発、世界市場における競争力、経済生産高、世界貿易に占める比率、軍事力、資本市場のための金融センターの力、そして準備通貨としてのその通貨の強さの8つの評価基準を用いて、各国の総合的な力を比較しています [13:24]。
  • 一般的なサイクルの発生: 教育は一般に独創力や技術開発の増加につながり、続いて準備通貨としての通貨の確立につながると説明しています [14:27]。これらの力は同様の順序で衰退していき、お互いのさらなる衰退へ向かっていくことがわかると述べています [14:40]。
  • ビッグサイクルの始まり: ビッグサイクルは一般的に大きな紛争(しばしば戦争)の後に始まり、新しい大国と新たな世界秩序が確立されると説明しています [15:00]。この力に誰も挑戦したくないため、平和と繁栄が一般的にそれに続くと述べています [15:08]。
  • ピーク: 富裕で強力な国の人々がより収入を得るようになると、より少ない報酬で働くことを厭わない他の国の人々と比較して、報酬がより高くなり、競争力が劣るようになると説明しています [26:37]。人々が裕福になると、それほど一生懸命働かなくなる傾向があり、より多くのレジャーを楽しみ、より洗練された生産性の低いものを求めることを楽しむと述べています [27:24]。
  • 衰退: 衰退は、国内経済の衰弱に、内部紛争またはお金のかかる外部との戦争、あるいはその両方を伴って到来すると説明しています [32:01]。借金が莫大になると、景気後退が起こり、その帝国はもはや借金を返済するために必要な資金を借り入れることができなくなり、金融バブルが弾けると述べています [32:15]。
  • 未来: ほとんどの帝国には、陽光の下に輝く時期と必然的な衰退があると説明しています [39:47]。これらの指標を見ることで、帝国がビッグサイクルのどの段階にあるかを知ることが容易になると述べています [40:04]。国家の最大の戦争は自身との戦争であることがほとんどであり、成功を持続するための困難な決定ができるかどうかなどであると説明しています [40:59]。支出よりも多く収入を得ること、そしてお互いに敬意を持って大事にすることが重要であると述べています [41:14]。
    これらのポイントは、経済不安の時代に投資家が考慮すべき重要な要素を示唆しています。過去のパターンを理解し、現在の状況を評価することで、より賢明な投資判断を下すことができるかもしれません。

それはそうなんだけど、疑問は、
・覇権の交代はいつ起こるのか
・GAFAMなど、ドルに依存しないように見えるシステムはどうなるのか。中国政府はGAFAMにどう対処するのか。中国製GAFAMで代替するのだろうか。オランダの造船技術者がイギリスに招かれて、イギリスの安い労働力を使って造船したように。GAFAMは過去の歴史になかったもののように思われる面もあるが、やはり歴史の法則通りに動くのか。
・日本に住む我々は覇権の移動にどう対処するのか。アメリカと一緒に沈む選択をするのだろうか。

それにしても、第一に教育のことが言われているのはもっともだと思う。現在の小学校の様子が、30年後のその国の様子を示している。
なぜ働くのかと言われると、貧困から脱却したいからだというのが本当のところかもしれない。だとすると、富裕を経験してしまった世代は、借金をして怠惰な生活を続けようとするだろう。そして衰退するだろう。
理不尽な経済格差を見せつけられると、人々は黙っていないだろう。それもそうだ。

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