臨床で実際に使えるレベルでの構造・細分類・評価法・質問例を再構成。
EASE 実践版(構造・評価・面接ガイド)
■ 評価の基本枠組み
各項目は原則として:
- 0:なし
- 1:疑い/軽度(曖昧・一過性)
- 2:明確に存在(持続的・反復)
補助的に:
- 頻度(まれ/時々/頻回)
- 苦痛度
- 確信度
1. 思考・意識の流れ(Stream of Consciousness)
● 細分類(実践的まとめ)
- 思考の自動化
- 思考の侵入/干渉
- 思考の物質化(音・空間)
- 思考の断裂(空白・遮断)
- 注意の異常(過剰意味づけ)
● 面接ガイド(そのまま使える形)
導入:
「最近、考え方や頭の働き方が少し変わった感じはありますか?」
掘り下げ:
「考えが“自分で考えている感じ”はありますか?」
「勝手に浮かんでくる感じはありますか?」
「頭の中の言葉が、少し外にあるように感じることは?」
● 評価のポイント
- “自分のもの感”の低下があるか
- 空間的・感覚的変質があるか
- まだ妄想レベルに達していないか
2. 自己意識・存在感(Self-awareness & Presence)
● 細分類
- 自己の実在感低下
- 空洞化
- 一人称性の揺らぎ
- 過剰内省(hyper-reflexivity)
- 自己同一性の不安定
● 面接ガイド
導入:
「“自分でいる感じ”について、何か変化はありますか?」
掘り下げ:
「自分がちゃんとここにいる感じはありますか?」
「少し自分が遠い/空っぽに感じることは?」
「自分のことを外から見ている感じはありますか?」
● 評価のポイント
- 離人症との違い:より持続的・存在論的
- “感情”ではなく“存在感”の問題
- 本人が説明に困ることが多い
3. 身体経験(Bodily Experiences)
● 細分類
- 身体の非所有感
- 境界の曖昧化
- 自動運動感
- 感覚の歪み
- 内臓的異常感覚
● 面接ガイド
導入:
「体の感じ方で、以前と違うところはありますか?」
掘り下げ:
「自分の体なのに少し違和感があることは?」
「体が勝手に動く感じはありますか?」
「体の境目が分かりにくい感じは?」
● 評価のポイント
- 神経症的身体感覚との区別
- “所有感”の問題かどうか
- 妄想化(操作されている)との距離
4. 自他境界・主体間性(Demarcation)
● 細分類
- 境界の浸透
- 思考・感情の漏出
- 他者からの侵入感
- 被透明感
- 他者の非現実感
● 面接ガイド
導入:
「人との関係の感じ方で、何か変わったことはありますか?」
掘り下げ:
「自分の気持ちが外に漏れている感じはありますか?」
「他の人の気持ちが入り込んでくる感じは?」
「人が少し現実じゃない感じになることは?」
● 評価のポイント
- 関係妄想との連続性
- ASDとの鑑別(質が異なる)
- “境界”の感覚の揺らぎ
5. 実存的再定位(Existential Reorientation)
● 細分類
- 世界の異様化
- 意味の過剰生成
- 特別な関連性
- 実在への問いの強迫性
- 宗教的・宇宙的再定位
● 面接ガイド
導入:
「世界の見え方や意味が変わった感じはありますか?」
掘り下げ:
「周りのものがいつもと違って感じることは?」
「出来事に特別な意味を感じることは?」
「現実そのものが少し違う感じはありますか?」
● 評価のポイント
- Trema段階かApophanyか
- 意味の“開き”か“固定”か
- 宗教体験との鑑別
6. 面接全体の進め方(重要)
■ 基本原則
- 開かれた質問 → 具体化 → 構造把握
- 誘導しない
- 言語化を支援する
■ 禁忌
- 早い解釈
- 正誤判断
- 病名の提示
■ 技術
- 反復(「〜という感じなんですね」)
- 比喩の共有
- 曖昧さの維持
7. 臨床での実用的判断
■ ハイリスクの組み合わせ
- 自己の実在感低下
+ 思考の所有感の揺らぎ
+ 世界の異様化
👉 かなり強いリスクシグナル
まとめ(実践的に)
- EASEは質問票ではなく“観察のレンズ”
- 項目よりも「構造」を見る
- 妄想の前段階を拾うためのツール
もしご希望があれば、
・逐語的な模擬面接(かなりリアルな形)
・実際の症例にEASEを当てた分析
・解離・ASD・不安障害との鑑別の具体
まで、さらに臨床寄りに落とし込めます。
