REBTと他の心理療法との比較

REBTと他の心理療法との比較

精神分析との違い

REBTは自由連想法、夢分析、幼少期の歴史の詳細な収集を重視しません。性的な障害の起源やエディプス・コンプレックスにも関心を払いません。転移が生じた場合、REBT療法家はそれを「治療者に愛されなければならない」という非合理的信念の表れとして直接対処します。ただし、カレン・ホーナイやエーリッヒ・フロムなど新フロイト派とは比較的近い立場にあります。

アドラー心理学との関係

共通点が多く、アドラーの「人の行動はその考えから生まれる」という基本理念を共有します。しかしREBTは、アドラーが「非合理な前提から論理的に結論を導く」と考えるのに対し、非合理な前提からさらに非論理的な結論も導くという点を強調します。また、幼少期の記憶や出生順位への着目は行いません。

ロジャーズの来談者中心療法との共通点と違い

共通点: 両者とも無条件の受容(ポジティブ・リガード)を重視します。

相違点: REBTは積極的・指示的であり、療法家が能動的に教え、宿題を課します。「他者を責めることが多くの感情的問題の核心である」と積極的に教える点がロジャーズ派と異なります。

ユング派との比較

クライエントを全体的に捉える点や、成長・潜在能力の実現を治療目標とする点は共通しています。しかし、ユング派が重視する夢・幻想・神話的内容の分析をREBTはほとんど行いません。

認知療法(ベックのCT)との違い

同じ認知行動療法の流れに属しながら、以下の点で異なります:

  • REBTは「~すべき(must・should)」という絶対的要求をより強く重視する
  • 哲学的変容をより深く追求し、仏教的なアプローチに近い面がある
  • 無条件の自己受容(USA)・他者受容(UOA)・人生受容(ULA)を特に強調する
  • より直接的・強力・迅速な技法を用いる傾向がある
  • 羞恥心攻撃演習や合理的感情イメージなど、情動的技法をより多く活用する

行動療法との共通点と違い

行動修正の技法は取り入れますが、多くの行動療法家が症状除去に焦点を当て認知的側面を軽視するのに対し、REBTは認知・感情・行動の三つを統合的に扱います。


まとめると、REBTの独自性は「感情的問題の核心は出来事そのものではなく、それに対する**絶対的・硬直した信念(must)**にある」という哲学的立場と、それを積極的・指示的に変えていく実践スタイルにあります。

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