世界モデルを訂正する メディアによる洗脳の場合

大衆の脳内にはメディアによって作られた疑似環境が存在し、その歪んだ認識(ステレオタイプ)にしたがって物事を理解する。

少ない読書時間、労働による疲労、生活の不安、都市の喧騒にさらされる大衆はこの歪みを修正できない。好みのステレオタイプを選べるだけ。


これは、W.リップマン著「世論」についての書評の一部である。

メディア論は別として、
人間の脳は、自分が体験したものから、脳内に世界モデルを形成し、
次に予測と体験した結果とを照合して、世界モデルを訂正しながら生きている。

自分が直接体験したものであれば、予測と現実の誤差を測定し、
世界モデルを組み替えることができる。
それが本来の脳の働きだと思う。

メディアが発達してくると、一方的に与えられるだけで、訂正の機会は少ない。
物事の予測と結果を照合する作業は、メディアにはなじまない。
いくらでもいいわけができるし、新しい洗脳を繰り返すだけだ。

NHKやテレ朝のニュースショーでの、ウクライナの扱い、イスラエルの扱い、アメリカの扱い、ロシアを非難するときのキャスターたちの凶暴な目つき。本人たちは、やりすぎたかな、へへへ、などと思っているものか、あるいは本気で、メディアが正義を貫いたと思っているのだろうか。

さらに最近のように、多様なメディア情報の中から、自分の好きなものだけを選ぶ、または、YouTubeやXのように、会社側が選んで出してくれるようなものだと、ますます自分の頭の中の世界モデルを訂正する機会が少なくなってしまう。
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とはいいながら、アメリカがイランの核施設3カ所を空爆、大成功だ、とかの話。
B2爆撃機から超大型バンカーバスター投下か、という。

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一方で、東京都議会選挙の結果が出て、マスメディアやネットの影響が論じられている。SNSによってゆがめられているとの単純な論評を超えて、もう少し深い考察もあるようだ。
しかしいずれにしても、大衆は何を選択しているのかと考えると、絶望的な思いにおちいるだろう。
しかし、人間はそういうもの、民主主義はそういうもの、とあきらめず、現状を分析して、少しでも良い方向に向かわせるために、自分に何ができるか、考えたいものだ。

少しでもよい方向に行ってほしいと願うなら、棄権するのではなく、また冷笑するのでもなく、自分の立場から、何ができるか、模索するのが、最悪の事態を抑止する力になると思う。

2025-6-23

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とはいうものの、票が欲しいならもっと右へ、の傾向はますます進行している。身内には極右の語り口で支持を固め、一般向けには少しだけマイルドな右翼を演じる傾向は止められないようだ。

当選したいということが目標なので、得票できる作戦を考えれば、各陣営とも、類似の政策となり、まったく同じではアピールできないからと、少しだけ右寄りに、ポピュリズム的な政策を出し、後は何と言ってもイメージ戦略で、ルッキズムに徹して、いる。

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