対人関係カウンセリング(IPC)と対人関係療法(IPT)の違い
IPCとは
IPCはIPTの簡略版として、ワイスマンとクラーマンによって開発・検証されました。特定の状況における患者の治療という実際的な制約に対応するために考案されたもので、例えば総合病院において医学的問題の二次診断としてうつ病を治療している患者などが対象となります。
主な違い
目的と対象 IPTが主にうつ病などの精神疾患の本格的な治療を目的とするのに対し、IPCの基本的な考え方は、体系的かつ簡潔なアセスメント・支援・トリアージによって、希少なリソースである外来メンタルヘルス治療を、最も恩恵を受けられる患者に適切に配分することにあります。
セッション数と構造 IPTが通常8〜16回の週1回セッションで構成されるのに対し、IPCはより短期間の介入です。ワイスマンとヴェルデリが開発したIPT-ESTと呼ばれる新たな適応版では、標準IPTの初期フェーズ(診断・対人関係上の問題領域の特定・うつ病の管理)に基づく3セッションの介入として設計されており、その後に継続的治療の必要性を評価する仕組みになっています。
エビデンス イタリアの9つの学術センターで287名を対象とした進行中の多施設研究において、メンケッティらはプライマリケア環境におけるうつ病治療でIPCとSSRIを比較しました。2か月時点の結果では、IPCがSSRIよりもうつ症状の軽減において効果的であることが示されています。
まとめ
IPCはIPTの理論的基盤を共有しつつも、より短期間・簡略化された介入として、特に医療機関などのリソースが限られた環境において、適切な患者を本格的なメンタルヘルス治療につなぐための「入口」としての役割を担うものです。
